22話 修練開始!?
ブブブクマが100超えてる(大歓喜)
ということで、お昼過ぎにもう一話アップさせていただきます!
えっ、ペース?
こまけぇことは良いんだよ!(*・ω・)*_ _))
と言いつつも、文字が多くなりすぎたので分割……文章で説明しようとすると文字が増えすぎてしまいます(´・ω・`)
※1/21 誤字・脱字修正しました
「あなたたち異邦人って命知らずの所があるというか、相手が格上でも無謀に突撃しているよわね?」
「そ、そうですね……」
「それって神様から特別な守護を貰っているから出来ている事だと思うの。簡単に言えば他者の力に頼って戦っているってこと」
「はい」
実際にゲームの中だから死んでも生き返れるのは、別の見方をすればそう思われるよね。
「それが間違っているとは言わないわ。でも、あまり関心できた戦いじゃないと思うの。あなた達の【戦い】って命が軽いというか、私達がしている【戦い】というのとは本質的に違うって感じるのよ」
あ、なんかわかるような気がする。
それはわたし達にとって、ここがゲームだからということなんだろうけど、この世界で生きている人達とはどうしても異なる部分だと思う。
「だから本当の意味で強くなる為にも、戦いに存在する【間】や【気】みたいなものに敏感になって欲しいの。じゃないと無駄に死を繰り返すだけの存在になりかねないわ」
「【間】と【気】ですか……う~ん」
【間】と言われても想像できないというか、理解がしきれない。
さすがに現実じゃそういう場面に出くわさないから、どうもマチュアさんの話の真意が掴みきれない感じが。
「ま、知って欲しい事については追々身に付けてもらう事にして、まずはリアがこの世界で生き残れるよう初歩的なことから覚えて行きましょうか」
「はい、よろしくお願いします!」
「というわけで、戦闘経験が無いまっさらなリアはゼロから覚えることが出来て幸運よ? 回り道しなくていいからね」
な、何かマチュアさんから不穏な空気が。
「じゃ、とりあえず始めましょうか。自分をしっかり強くもってね」
マチュアさんはウインクしながらそう言うと、普段と変わらないニコニコとした眼差しでわたしを見て……
『ドクン』
「!」
感じたことが無い、鋭い痛みにも似た感覚。
全身の肌がピリピリして一歩も動けないし、動いたら次の瞬間に手足がバラバラになりそうな、そんな何か。
「……ハッ、ハッ……ハッ……」
息が苦しい。まるで身体中が締め付けられる感じ。
それに自分の心臓が耳の真横にあると錯覚するほど鼓動が煩い。
視点が揺れて足元がおぼつかない状態に『何かしないと』と無意味に焦り、強く握る手が不快な汗をかくことで手のひらが気持ち悪くなる。
「はい、休憩」
マチュアさんのその一言で、さっきまで存在していた異様な何かが溶けるように消えていく。
時計を見ると、マチュアさんが『はじめましょうか』と言ってから一分ちょっと過ぎただけ。
でも、体感していた時間は何倍にも長く感じていた。
「やっぱりレベル2だと今のでもかなりキツかったみたいねぇ」
ぺたん
「いま、のは、いったい、なんですか……」
全身から力が抜けて、思わずその場に座り込む。噴き出すような汗が、自分が感じていた存在を幻じゃないことを認識させる。
「ん~いわゆる【殺気】ていうやつよ。ちなみに今ので通常の一割にも満たないかな?本気でやったらもっと凄いわよ」
「いまので、いちわりって」
本気でやられたら……
「うん、慣れてないと心臓が止まるかな」
怖いことをさらっと言ってますよ、この人。
「さ、夕食までもう二、三回やるわよ!」
「ひえぇぇ……」
・
・
・
「今日は僕が片付けるから、先に部屋に戻っていいよ」
「はい、ありがとうございます……」
結局、あれから四回殺気を感じる修行は続き、終わった頃にはヘトヘトに。残っていた気力を振り絞って何とか夕食の準備はしたけど、料理が一品減りました。
男性陣の皆さんは心配なのか普段より優しく接してくれたが、マチュアさんは「アレぐらい普通よ普通」と、ちょっぴりスパルタな面を見せていたり。
ちなみに殺気に慣れる修行については「最低でも五割ぐらいまでは耐えれるまでやる」と宣言しており、この先どうなることやら……
―――◇―――◇―――
「リアさん、お友達が来ていますよ」
「あ、はい」
部屋のベッドで横になり、マチュアさんから受けた修行の事を考えながら休憩していると一階からハバスさんの声が。
連絡を受けて一階の来賓室へ行くと、
「ごめんね、休んでいたところ」
ルナさんともう一人……アレは那緒?
「やふ~、ニーナだよ~」
あ、現実名じゃマズかったわよね。
「いらっしゃいルナさん、ニーナ」
「待ち合わせの約束していなかったから直接来たわ。神殿は何度も来てたけど、奥はプレイヤー進入禁止エリアだったから初めてよ」
「へぇ~、ここ入れないエリアだったんだ」
入るどころか、普通に住んでるけど……ま、いいか。
ルナさんは昨日会った時と同じ容姿。黒色のローブを羽織り、手には蔦の絡まった青色の杖。
ニーナは現実と同じようなショートカット、ただし髪の色はライトグリーンで瞳は猫みたいに縦に割れている。
装備しているのは革鎧だけど、所々に鋲が打ち込まれており、よく見ると鋲の表面に何か文字のようなものが刻まれている。
腰から下げた剣はショートソードが左右に二振り。柄の色がそれぞれ違っているから、効果が違ったりするのかもしれない。
「で、ここに来た理由だけど」
来客用のお茶を一口飲んでからルナさんは話し始める。
「シーレフ近郊の魔物活性化イベントについて、クリア目標に目安がついたの」
「お~、凄いですね」
話によれば、今回の要因についてのヒントも無かったことから、イベントクリアはかなり難航していたらしい。
だけど最近の魔物の特性から『毒に起因したもの』と『西の森に住む魔物の毒汚染が南北に広がっている』という情報の信頼度が高くなり調査を実施。
結果、森の深部で以前はいなかったスポアが大量発生していたのが確認出来たので、スポアとスポアを産み出しているであろうボスを討伐する事に。
「で、最近人気急上昇中のリアに手伝ってもらおうと言うことになったわけよ」
「……イヤどすえ」
「えっ、なんで京都弁!?」
「ま、冗談はさておき。本当に行けないんですよね」
「ルナっちが人気急上昇って言ったから?」
……いや、そこまで心狭くないって。