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20話 混雑の要因?

なんだか戦闘なくてもいいような気がしてきました(書きますけど)

※1/15 文頭部おかしいところを修正しました


「おはようございます」

「ああ、おはようリアさん」


 着替えてから一階に降りると、ダレスさんがお勤めの準備をしていた。今日も慌ただしそうにしているなぁ。


「今からすぐ朝食の準備しますね」

「いつもありがとう、美味しい朝食助かるよ」

 ニコニコしながらそう答えてくれるダレスさんを見ると、こちらも頑張りがいがあります。



 昨日のわたしと統合してわかったことは、料理スキルの熟練レベルが上がることで、知らない・作った事がない料理のレシピが分かるようになり、作成できるようになったこと。

 あとは料理の完成度という隠しパラメーターの数値も上がり、内容によっては効果(バフ)が付く事もあるみたい。


 まぁ、知らないレシピと言っても『レア素材を用いた高級料理が作れるようになる』とかがメインのようで、今のところはあまり関心がなかったり。

 ……そんな高級料理の材料(レア)を狩りに行けないし。


 それよりも有用だったのは『魔物の肉』や『知らない素材の調理法や入手(ドロップ)相手がわかる』など、高級料理に付随したオマケ情報の数々。


 こちらの世界(PAW)にしかない調味料がどのような効果(あじ)になるのかが推測できるし、素材についも群生地や生息地がわかるのは、今後自分が求める素材が発生した際に十分役に立ちそう。


 ま、それはさておき、まずは朝食の準備!


 とりあえず昨日のわたしが朝食で作るように準備していたので、その内容で調理は完了。

 ベーコンエッグにポテトサラダ、コンソメスープ。シンプルだけどわたしは好きな組合せです。



―――◇―――◇―――



「なんだか日に日に人が増えてませんか、それも冒険者が多くなってるような?」

 十時から治療を始めて一息ついたところで素直な感想を呟く。


「魔物の活性区域が広がってるようだね。あとは……まぁ、リアさん目当てじゃないのかい?」

「はぁ……」


 ん?


 ちょっと待って、今なんて言われた?

 わたしが目的?



「はぁーっ!?」

「ど、どうしたんだい、急に大きな声で!?」

 横にいたトーレさんがわたしの声に驚きイスから落ちそうになる。


「ご、ごめんなさい! ……だってわたしが目当てって?」

「どうやら当人は知らないみたいだけど、リアさんの事かなり噂になってるみたいだよ? 『美人な神官に治してもらった!』って」



 え?


 は??


 なに???



 いやいや、ちょっと待って。

 フレリアさんのおかげで、確かに美人な作りになっているとは思うけど、それだけでしょ!?


「癒した方が何ともなくても、癒してもらった方は状況もプラスして好感度上げまくりよ?」

 近くを通ったマチュアさんがクスクスと笑いながら、わたしに話しかけてきた。


「ほら、傷ついた自分をカワイイ神官が癒してくれるって最高のシチュエーションでしょ?」

「ふぇっ!?」


「リアはこれだけカワイイんだから、少しは自信持った方がいいわよ?」

「え……」


 マチュアさんは近づいてくると、わたしの頭を撫でながらしみじみと言う。

 ……でも、


「あの……もしかしたら、お暇をもらった方がよろしいでしょうか?わたしにその気がなくても皆さんに迷惑かけてしまってますよね……」


 さすがにコレは予想外すぎてどう対処すればいいのかわからない。というか、わたしがいる事が混雑する要因になりかねない!?



 そんなわたしをマチュアさんは少し怒ったような顔をしてからギュッと抱き締めてくる。


「なに馬鹿な事言ってるのよ。あなたはもう神殿(ウチ)の仲間よ。こんな事で迷惑がるわけ無いじゃないの!」

「は、はい」


 『うぅ、く、くるしぃ……』

 嬉しい、嬉しい言葉だけど、【抱き締め】が【締め付け】になってませんか……


 やばっ、意識が……あ、お祖父様御無沙汰しております、確か十年ぐらいお会いしていないですよね。川向こうで一体なにをされているんでしょうか……


「マチュアさんストップ!ストップ!リアさんの顔色がまずい!」


 ・

 ・

 ・


「ごめんね、つい力が入っちゃったみたいで」

「あ、はい、大丈夫です」

 久々に亡くなったお祖父様に会えたし。……VRの世界でもそういうのって見るとは思わなかったけど。


「で、さっきも言ったけど別にやめる必要もないし、普通に治療していればいいのよ?それにみんなもわざと怪我して来る訳じゃないから。魔物退治に精を出すきっかけになってるみたいだしね」


 魔物が街の近くに現れる状況事態は変わらない。だけど冒険者が以前に比べ魔物退治の依頼(クエスト)を受けるようになってきたことから、住人(NPC)への被害は減っているとの事。


 まぁ、その内の数パーセントにでもわたしの存在が貢献しているなら引き続き治療していくだけかな、だってわたしじゃ魔物と戦えないのだから。



「とりあえず治療の件は了解しました。戦えない身としては、住民の方々が少しでも安全に暮らせるようになるのであれば、何でも協力しますよ!」


「そう言えば、リアは戦闘スキル無かったのよね」

「ええ、事情があってスキルが取れないので」


 数ヵ月先になれば取れるかな……


「ま、理由は聞かないけどスキルが取れないなら覚えてみたらいいんじゃない?」

「はい?」


 えーっと、どういうこと?


「簡単に言えば」

 マチュアさんは拳をわたしに突き出す。


「武器を扱うにはセンスかスキルが必要かもしれないけど、格闘なら自分の手足が武器だから、そこに【扱う】という定義は無いわ。

 ただ【使えば】いいのよ、握手をするのにスキルは必要ないでしょ?」


 え〜っと、なんだかすごく簡単に言われていますが。

 それは人によりけりではないかと……




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