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16話 まさかのゲット!?


やっと一日目の山場にたどり着きました。

まさかここまで書くのに16話もかけてしまうとは……



あぁ、それにしてもおなかが鳴ります(>_<)

※1/16 文頭部おかしいところを修正しました


 

「コーデリアさん、ここは引き継ぐから上がっていいよ」

「はい、ありがとうございます」

 

 軽治療室で相変わらずヒールとキュアポイズン唱えまくりな所へトーレさんが現れ、あとは引き継いでくれるとの事。

 もっとも、やることが【治療】から【夕食作り】に変わるだけだけどね。

 

 

 再び神官服から作業服ツナギへ着替え、モードチェンジ!

 

 豚肉を保存庫から出し、ちょっとだけ室温に馴染ませてる間に、お昼に作ったポトフへ、さっき作ったトマトソースを入れてトマトベースのスープに変身!

 残ったソースは小分けにしてから保管庫へ移動させ、一部はテーブルへ。

 

 マッシュしたポテトはそのままお皿に盛りつけ、サラダ風にした生野菜を添えてっと。ついでにオリーブオイルと酢を合わせたものに塩コショウしてドレッシングも作って置いておく。

 

「もうそろそろいいかな~」

 温めたフライパンに油を入れ、豚肉をじっくりと焼き上げる。豚肉からも油が出るので、適度にフライパンから余分な油を除去してコゲないように注意注意。

 

 

「ん~夜もいい匂いね」

 いい感じに仕上がったのでお皿に移したところで治療を済ませた皆さんがご来場。

 わたしも再び神官服に着替えてっと。

 

「リクエストが多かったのにお肉にしてみました。味が濃いと思ったらトマトソースをかけるとサッパリしますし、潰したジャガイモに油を吸わせるとまた変わってきますよ」

 

 

『ん?』

 なんだかシーンとしてるけど、もしかして何かやらかした!?

 

「コーデリアさん、あなたって……」

「は、はい……」

 マチュアさんの目が怖い。調子に乗り過ぎたのかな!?

 

 マチュアさん、そこまで言ってから切り分けた豚肉を一口。

 

 

「もしかしてシェフ!?こんな料理作れるなんて、ちょっと凄すぎなんだけど!」

 

「……はい?」

 

「コイツは美味い!」

「お昼に飲んだスープも良かったが、このトマト風味も良いな」

「焼いた肉なら今まで何度も食べてきたが、これはまた絶品だ」

「酒は向こうの保存庫にあったよな」

「今まで食べてきた夕食って何だったの!?このジャガイモ潰したのも美味しいし、トマトソースもレストランとかで出ているものと大差ないわよ」

 

「え……あの」

 べた褒めされてちょっと困惑状態です。

 

 普通に作ったレベルだし、本当は欲しかったニンニクも入ってないから、ちょっと味が足りないかな、と思ったけど問題なくて一安心です。

 

 

 とりあえずわたしも皆さんの色々なお話を聞きながら一緒にお食事させてもらい、賑やかで暖かな食卓を久々に味わえて大満足かな。

 

 アレコレと疲れたこともあったとは言え、かなり濃い一日を過ごせたとは思う。

 日常では味わえない生活(VRMMO)の醍醐味は十分堪能できたけど、ちょっとだけ心の中でウニウニとしたものが……

 

 

 ポロ

 

 

『あれっ』

 賑やかで楽しい夕食なのにどうして泣く!?

 

 

 ポロポロ

 

 

「っつ!?」

 ちょ、ちょっと待って!ヤ、ヤダっ!?

 と、とにかく落ち着いて深呼吸して……

 

「ど、どうしたの」

 マチュアさんが心配そうな顔で近づいてくる。

 

「……ごめんなさい、なんだかここで過ごした時間がすごく楽しくて暖かくて……契約とはいえ、一日で終わっちゃうのが寂しいなって思ったら……」

 

「いいのよ、大丈夫」

 マチュアさんはわたしの横に立つと、そのまま優しく抱きしめてくれた。

 

 

―――◇―――◇―――

 

 

「すみません、せっかくの楽しい夕食の時間に……」

 暫くたってから落ち着いたわたしを、皆さんは微笑ましそうな顔で見ている。

 ……うん、こっちは顔から火が出そうです。

 

 

「コーデリアさん、ちょっといいかな?」

 ダレスさんは最初にわたしが持ってきた依頼書を机の上に置き話しかけてきた。

 

「今日一日とはいえ、治療のサポートから食事までしてもらった事を感謝しているよ。そこでだ、君さえ良ければもう少しここで働いてみないかね?」

 

「……良いんですか?」

「異邦人の君が我々と色々違うことぐらい聞き及んでいるよ。だがここにいる全員、君なら大歓迎だよ。なぁ、みんな?」

 ダレスさんがそう言うとトーレさんを始め、皆さんは笑って頷く。

 

「じゃ、これはいらないわね〜」

 マチュアさんは依頼書を手に取り、

 

 

 ビリビリッ

 

 

「え、ええっ!?」

 目の前でギルドから渡されていた依頼書を、迷いなく破り捨てられて思わず声が出る。

 

「ギルド長のご褒美なんて貰ったら後が怖いわ」

「それにあの沈黙アサシン秘書もいるしな」

 

 でも依頼成功報酬が。初心者講習(チュートリアル)で貰える鎧の代替が……

 

「ああ、ギルドの依頼だから報酬があったか。それなら今着ている神官服を報酬として差し上げよう。初心者講習(チュートリアル)で貰える鎧より、加護がある分上だと思うよ。

 それにコレも使うといい、我々魔法を唱える者には使いやすいアイテムだからね」

 

 まさかの神官服ゲット!?

 そしてダレスさんは神官服の他に、ワンドを一つ手渡してくれた。

 

「それらを身に着けてもうしばらくここで治療の手伝いなどをしてもらえると助かるのだが」

「は、はい!こちらこそよろしくお願いします!」

 

 予想だにしない、神殿でのお手伝いがこんな形で延長になるとは。

 

 

 ピロリン♪

 

 

《【職業ジョブ:神官見習い】を獲得しました》

 

 

『ん?』

 何か音が鳴ったと思ったら『【職業ジョブ】を獲得しましたって』出たけど……なんだろ。

 

 もしかしたら神殿に延長していられる為のキーなのかも。説明アイコンが視界の端に見えるから、あとで読んでみよう。

 

 よしっ、じゃあ早速いろいろな準備をしないとね!

 



ブックマーク、評価ありがとうございます┏○))

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