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132話 久々の再会と


※18/06/26 後書き追加しました。



「ちょうどアルブラ( ここ )から南に下ったところに【愚者の谷】って場所がある。そこに【愚者人形(トゥルーマリオネット)】っていうツラも形も気持ち悪い魔物が湧きやがるんだが」

「まさか……」


「はっ! そのまさかだ。【愚者人形(トゥルーマリオネット)】、そいつの脳ミソを魔封筒に詰めてPAPの中枢部に仕込むことで、PAで全てを司る神石(脳ミソ)の代わりにしてやがるんだよ!

 そんなもん使っていやがるからオメーから聞いたような事故も起こるんだ。それをわかってねぇバカ共がオレは我慢ならねぇ!


 PAPは別に構わねえ。だがな、自動化を推奨して資金を突っ込み利益を貪る商会の奴等も、いらねぇ技術と知恵を出しやがる異邦人達も等しく気に入らねぇ!」



 なるほど、以前からトム店長PAPを嫌っていた理由はコレだんだ。


『だから最初にトム店長がわたしを見た際の対応が良くなかったんだ。異邦人であり冒険者なのを見たから……』


「まぁ今オメーがどういう奴かは少なからず分かってきたから問題ねぇ。だが、レイジーのクソったれとつるんでやがるバカ共は気に入らねぇのは変わらんがな」

「ですよねー……」



『確かにPAPのコントロールとか制御ってどうやっているのか不思議な部分もあったんだけど、まさか魔物の脳を移植して使っていたなんてね……』

 愚者人形(トゥルーマリオネット)がどんな魔物か見た事が無いからわからないけど、今の話を聞いてしまうと正直PAPへ乗ることには躊躇しちゃうかも。



「ま、今のはあくまでオレの独善的な考えだからオメーに同意しろとは言わねぇ。結局、オメーが役人に呼ばれている事に変わりはねぇからな」

「た、確かにそうですね……」


 何にせよ領主管轄のお役所さんから呼ばれていることに変わり無いじゃん!



―――◇―――◇―――



 で、今はお店から北部にある役所に向かって歩いています。


『アルブラの北部って走ってでしか通ったことがなかったから、こうやってゆっくり見ながら通ってみると意外と人も多いし、お店も結構あるから散策するには結構良いかも』

 まぁ、今のわたしは召還を受けている身なのでゆっくりと見て回るような気もおきませんし、余裕もありませんが……


「というか、あの事件で何か変なことをした記憶はなかったけど呼ばれるってことは、それそうなりの理由があるって事だよね」

 うぅ、知らないうちに何かやらかしてたらどうしよう……



 ・

 ・

 ・



「あの、召還を受けて来ました。冒険者のコーデリア・フォレストニアと申します」


 領主の館が併設される役所の入り口。そこに案件毎に受け付ける窓口があり、それぞれに複数の担当者とそれを見張る強面な門番が立っていた。


「はい、コーデリアさんですね。少々お待ちください……確認が取れました。そこの五番の入り口から中に入り、突き当たりにある接見室へ入ってお待ちください。」

「はい、承知しました」

 というか接見室って刑事ドラマとかで警察が容疑者と事情聴取する部屋だったような? もしかして本当にヤバイかも!?


『とにかく行くしかないか』

 覚悟を決めて五番の入り口から説明を受けた接見室へ移動するとノックしてから中へ入る。



「失礼します」

 生憎と接見室の中には誰もおらず、ちょっとだけ拍子抜けな状態。あと接見室というわりには立派なソファとテーブルが置いてあり、応接室と言った方が正しいような気がする。



 コンコン



「あ、はいっ」

 なんとなくボーっとした感じで部屋の中を眺めていると、ほんの少し気を緩めたタイミングで部屋がノックされ、思わず驚きながらの返答にちょっとだけ恥ずかく感じたり。


「それほど緊張しなくて良いよ」

「ありがとうございます…って、ファナさん!?」

「ふふ、久しぶり」


 緊張のあまりすぐにはわからなかったものの、懐かしく感じた声に振り向くと、そこにはアルブラに入る際に別れて以来、久々の再会となるファナさんが。



「トラブルメーカーというか、トラブルへの巻き込まれ体質は相変わらずのようだな」

「あはは……」

「しかも」

 そう言いながらファナさんは手にした写真をわたしに見せる。


「わっわわわっ!?」

 そこには治療しているわたしの姿が写っているけど、その写真における焦点はどう見てもわたしの一部分にピントがあっているわけで……


『くっ、削除依頼してあるとはいえ、既に手元に渡ってしまったものは消されない訳!?』

 うぅ、記憶も記録も消してしまいたい……


「アルブラ内でも噂になるような姿を公衆の面前で晒したようで……こちらも相変わらずというか、やはりそっちの気が」

「ありません、大丈夫です、本当にありません!」

 もしかしてわたしの変な変なイメージが、ファナさんに染みつき始めていませんか!?



「ま、冗談はさておき」

「あ、冗談でしたか」

 てっきり本気で心配されているのかと心の中で、自分の生き方を見直すべきかと勘が始めていましたよ?


「久々にリアの話題に触れたということもあって私が担当させてもらい、こうして来てもらったのだが」

「あっ、そうでした。あの……わたし何かやらかしましたか? ラスエリ工房の件で呼ばれたという事はわかっているのですが……」

 すると、わたしの顔を不思議そうに見ていたファナさんが、やや笑いを堪えながら説明してくれた。


「やらかすも何も、リアがラスエリで起こった事故に対して救命活動をしてくれたお礼を言いたかったから来てもらったのだが? 実際に複数の冒険者や住民からお礼を伝えて欲しいと役所に話が来ていたからな。

 この街に住む住民の一人として、改めて私からもお礼を言わせてくれ……ありがとう、本当に感謝でしかない」


「そ、そんなに畏まって言われてしまうとコチラとしても恐縮してしまいますから!」

 わたしとしては別段特別なことをしたつもりはないし、その場に居合わせた偶然の産物だったから、改めて言われてしまうとかえって恥ずかしくなってしまう。


「ま、本来であればコチラから直接赴く必要があったのだが、何ぶん街の情勢や思惑・しがらみもあって、リアに会いに行くことも容易にいかなくてね」

 そう言うファナさんの表情は暗い。


「……やっぱり、街の勢力が三つに別れているコトが要因ですか?」

「ああ、正直根が深くなってきている」


「街の中を走っている限りではあまりそういったのは感じられませんが」

 ランニング中に住民から冷い目で見られたり、変なことを言われた記憶は無い。



『ああ、でもあそこの神官長さんはキツかったかな』

 メテオス神殿、そしてそこにいたグーデル神官長はロイズさんとは顔見知りであったが、我々に対する対応というのは冷ややかという状態を超えて、拒絶に近いものだった事を思い出すのだった。




いつも読んで頂きありがとう御座いますm(_ _)m

今週も無事にアップできました……昨日ですが。


いつもなら当日にアップさせて頂いた旨を活動報告として記載するのですが、生憎と昨日からコシを痛めてしまい、医者へ行きサポーターを巻いて安静に。

結局そのまま寝た(強制的睡眠とも言いますが)で何も書けずじまいでした。


次の話も一応形には出来ているので、次回アップ日までに添削しておきますのでので。



では、次回アップの六月二十八日(木)にまた活動報告出来るように頑張ります(`・ω・´)


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