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129話 顔から炎


※18/06/18 予約日付間違えてました

       後書き追加しました。


『ふぅ、とりあえず治療は終わったかな』


 途中から他の冒険者の人達も手伝ってくれた事もあり、予定より早く怪我人への治療は終わった。

 ただ、事故のこともあってかラスエリ工房の前から人がいなくなることは無く、逆に事故のことを聞きつけた野次馬っぽい人達が増えてきている。


『というか、こっちをジロジロと見ている人もいるけど……そんなにNPCを優先して治療したのが珍しいというか、異端に見えたのかなぁ』

 わたしとしては当然の事をしていたつもりだけど、異邦人(プレイヤー)から見たら奇特な人に見えたりすのかも。



「リア、大丈夫かっ……」

「あ、ハル」

 そんな中、野次馬の波をかき分けながらやってきたハルに声をかけられる。


「PAPがお店と並んでいた人達にぶつかってね。わたしはたまたまだけど、このお店の裏側でちょっとした用事を済ませていたから駆けつけて来れたの。

 結果的に大問題は起こらなかったから良かったけどね」

「よし、それはわかった。

 そしてリア自身がいま問題を起こしかけているのを認識していないのもわかった」


「わたしが起こしかけている?」

 ん? 何の事?


「とにかく早く着替えることを勧めるぞ。事故を聞きつけてやって来た人達の注目が、事故ったPAPから徐々にリアへと移ってきているのがわかってないようだが」

「ふぇ?」

 わたしに……注目? そういえばさっきからわたしを見ている人が増えたような……


「何があったかは知らないが……今、自分がどういう姿なのかをわかっているか?」

 そう言いながらハルはこちらチラリと見てから、慌てて視線を外す。


『わたしの姿って……』

 そう言いながら自分の目線を下へ、ハルが見ていた場所に合わせると……パックリと開いた所から存在感をアピールしている胸の谷間と、捲れ上がったスリットへと向かい……



「あぁぁぁっ!」


 そうだった! 模擬戦の途中だったけど事故の話を聞いて急いでこっちにやって来たから、服装が例の戦闘着チャイナドレスまま!! 胸当てすら装備していない!

 しかも治療に集中してたから、スリットが捲れ上がってたのも気が付かなかったし、自分の姿なんてまったく気にしていなかったものだから、多分色々と見せてはいけないものを見せてしまっていたような気が……



「わっ、わわわっ!?」

 パックリ開いた胸元を右手で隠し、もう一方の手で短い丈を押さえつけると、慌てて店の中へと戻る!

 というか、


『ハル早く教えてよ!!』



―――◇―――◇―――



「もうやだ、初期村(シーレフ)へ帰る……」

「諦めろ、手遅れだ」

「……うぅ」


 模擬戦を始めるまでは恥ずかしかったけど、戦っている最中はそんなことを考える余裕なんてなかったし、PAPの事故で怪我をしていた人の治療することに専念していたから、完全に自分の服装の事なんて忘れていた。


「まぁスクショもリアルには出回らないし、内部の掲示板に出てたとしても、本人からの要望で削除依頼出せば消してもらえるから」

「うん……」


 とりあえず慌ててラスエリ工房に戻ると、従業員から元々着ていた作業着(ツナギ)を受け取り、速攻で着替えるとお店の裏口から出させてもらった。


 正直、今思い出すだけでも顔が熱くなります。ハル曰く、


『顔から火どころか炎が出てた』との事。


 で、今はというと



「いや、確かにコレは美味い」

「ホント、うちの料理長よりも美味しいんじゃないのかしら」

 フィーネさんとタウラスさんがわたしが作った料理を食べています。


「まぁ、俺達自慢の料理マスターだから」

「うんうん」

 久々にログインしたハルとロキシーも、二人に張り合いながら食べている。

 

「なんじゃコイツ等は……」

「すみません、本当に」

 いきなりの来客にトム店長も呆れ顔です。というかですね、



「ハルとロキシーはともかく、フィーネさん達はどういったご用事で」

「スカウトよ」

 ……スカウト?


「誰をですか?」

「あなたに決まってるじゃないの」

「はい?」

 えーっと……


「ええっ!」

 すみません、いきなりの話すぎて理解が追い付きません。


「あの、話が飲み込めないのですが……」

タウラス()と互角に張り合える女性が、いったい世の中にどれだけいると思うの?」

「でも、あれはあくまで弓師の攻撃が当たった状態でしたし」


「それはそれよ。第一、タウラスの攻撃に対して相打ち狙いで攻撃するバカなんて知らないわよ。

 開始時のバスタードソードならまだしも、タウラスが本気を出した星流偃月刀に拳をぶつけるなんて正気の沙汰じゃないわ。

 しかもその後に素手で【夜叉霞】を貫いてるし。あの鎧が貫かれるのなんて初めて見たわよ」


「な、なんだか工房の時とテンションに差がありすぎな気がするのですが……」

 あの上品だった物腰や口調が、かなり砕けて別人レベルな気がするほどですよ?


「フィーネ様は元々こんな感じの方なんだよ。ただ、名門商家の娘として生まれた以上、その名に恥じない振る舞いを見せなければならないのでね。

 そういう面でも今日初めて会った貴女という存在が、フィーネ様にとっては素で話すことができる非常に貴重な方だということでしょう」

「タ、タウラス!」


 あー、なんかこれは二人の仲の良さを見せつけられているような気がしますね~



「あ、あとは今日のような場所ならまだ良いのだけど女性しか入れないような場所、それこと女性特有の商品を買い付けに行く際などにも護衛をつけるようには言われているけど、そこへタウラスを連れて行くわけにはいかないでしょう?

 あと自分の下着を買うのに連れていくのも気が引けるし……」


「まぁ、確かにそうですね」

 そういった面での女性の護衛が必要としていることはわかるけど、今のわたしにとって彼女の護衛になるの(その選択肢)はどうなんだろう?


『彼女の護衛となれば、それそうなりに安定した生活を楽しむ事は出来ると思う。それはきっと望ましいことだとは思うけど……今のわたしにとってそれは望んだものなんだろうか』


 共和国は海に面しているって話だから、料理をする上での食材とかも豊富だろうし、何より交易が盛んな土地だから王国では見たことが無いような物もあるとは思うけど……



「ま、すぐに返事を頂戴とは言わないわ。それこそお試しで始めてもらうのもアリだと考えているし。それに最終的にその方向になったら国替えの必要も出てくるから慌てなくても良いわよ。

 あと賃金としては基本的に一日二Gぐらいだと思ってもらって結構よ? もし何か危険な状態に巻き込まれた場合には別途危険手当も出すから心配しないで」

「い、一日二Gですか!」

 今のわたしの所持金を十日で超える、かなりの高給なんですが!? でも……


「国替えって、今の王国所属から共和国へ変わるってことですか?」

「ええ、そうよ。さすがに自分の下で働いてもらう場合、王国所属のままでは他家に対して付け入るスキを与えることになりかねないもの」


 ……なるほど。確かに自分の部下が他国の人間だと面倒なことが起こりかねない可能性もあるのか。



『正直給金としても魅力的だし、他の国を見てみたいという気もあるのも事実だけど、ルナさんやニーナを始め沢山の知り合いがいる王国を離れるというのはちょっと想像がつかないかも』



 すぐに出せそうもない問題を出され、わたしの中でどのようにするのが最も良いのかをグルグルと何度も何度も考えるのだった。





予約日付間違えてました……タイトルのように火がでています……




いつも読んで頂きありがとう御座います。


冒頭の通り、ついうっかりと予約掲載の日付を間違えてました。

先週、調子にのって三回アップしたことで、そのあとな話の日付を詰め忘れるというミスです。お恥ずかしい限り(っω<。)



急いで予約時間と外してアップしましたが、大丈夫かな……



ということで、こんなミスをしても読んでいただける方へ、ささやかな償いとして今週も三回アップしたいと考えます……


『バッカで〜』と指さしながら読んで頂ければ幸いです。



さて、話は戦闘パートから移りましたが、少々きな臭い内容に。この辺りから、今の話における本題へと移れればと考えますが、あとは私次第なんだろうなぁ……


とにかく、なんとか頑張っていきたいと思いますので、よろしければ引き続きご愛顧のほど、お願い致しますm(_ _)m


……カレンダー注意していたのになぁ(′・ω・`)


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