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120話 ラスエリ工房


※18/05/21 後書き追加しました

※18/05/22 誤字脱字修正しました

※20/02/11 一部設定を変更しました

 傾国の騎士の相手を皇帝から皇帝の子(第一皇子)に変更しました


「トム店長、今日の修復分は終了しました~」

「ん、時間は……まだ16時か。どうせこの後、客なんざ誰も来ねぇから勉強の為に他の店とか見てこい!」


「はいっ! ついでに夕食のおかずに出せそうな材料もあったら見てきます!」


 ・

 ・

 ・ 


『と言ってもドコ行こうかな……』

 ついトム店長に言われて、何も考えず出かけてみたものの……どうしよう?


「他のお店を見に行けって言われたけど、どこが良いのかな?」

 そういえばハルの話でいくつか教えてもらった中に、女性に人気な工房があったっけ。


『【ラスエリ工房】だったよね、確か場所は前に使っていた宿屋からそれほど遠くなかったはずだから……うん、そこに行ってみよう!』


 実際、『女性に人気』ってどういった所から人気になるのかな? カラーリングとか造形的なもの? それともお財布にやさしいとか……



「えーっとこの辺りに……あった! って、すっごい人だかり!」


 前に使っていた宿屋から歩くこと十分ぐらいで【ラスエリ工房】へ。お店の外見は特別普通だったことから、お店の外にいた大勢の人達がいなければわからなかったかも?


『それにしてもら見事なぐらいに女性の冒険者ばっかり。それもかなり綺麗な服装と言うか、立派な装備をした人が殆ど……そんなに惹きつける何かがここにはあるのかな?』

 うーん、お店からそのまま作業着(ツナギ)で来たものだから、わたしだけが凄く浮いた感じを受けるのは気のせいではないはず……



 とりあえず待つこと一時間。どうやら店内は総入れ替え制らしく、二回入れ替えが終わったタイミングでわたしも中に入ることができた。


 店自体の大きさはトム店長の所と同じぐらいかな。ただ、中に入ると見渡しの良いフロア構成にと、各パーツなどの横には実際につけた状態が想像しやすいように、そのパーツを装備したミニチュアのPAが飾ってあったり、そのパーツを選んだ際に関連して装備することが勧めたポップなどがあったりと、かなり親切な演出物が備え付けられていた。



『うーん、ここまで親切に書いてあると、わたしのような機械に弱い人なんかは助かるけど、とてもそれだけでこんなに人が来ないような……』


 そんなことを考えていると、近くにいた冒険者の話し声が聞こえてきた。


「ねぇねぇ、やっぱり今日は来るかな?」

「昨日は来ていなかったって話よ? だから今日は来るはず!」


 来る? はて?



「あの、どなたか有名な方がいらっしゃるのでしょうか?」

 うん、わからなかったから聞いてみるべし!


「あらっ、あなた知らないの?」

「ええ、ここには初めて来たもので……」

 そんなことを話すわたしを二人はジロジロと見たあと『そんな格好してるしね』と溜息混じりに話をしている。


 悪かったですね、作業着(そんな格好)で!



「ラスエリのメインデザイナー、ザラ・コリッシュってわかる?」

「いえ……」

 きっと有名な人なんだうけど、残念ながらわたしは知らない。

 ……うわっ、また溜息つかれた。


「ま、とにかく【ラスエリと言えばザラ】っていうほど有名で、いまこの店内に並ぶ約半数は彼の作品なワケ。PAと装備の機能を殺さずにPA自体と調和の取れたデザインは女性のみならず、男性の冒険者にも人気になりつつあるのよ?」

「共和国の豪商も仕入れに来るぐらい人気で、噂では帝国からもスカウトが来てるとか。しかも」


 しかも?


「「ザラ自身がとびっきり格好良い!」」

「あっ、はい……」


『すっごい力説』

 なんだか、そっちがメインな気がするのは気のせいかな?


「ザラが店に出てくるのは数日に一回だから、今日がその日じゃないかって言われているの」

「昨日、一昨日と来ていないからね。でも今日だとしても何時かわからないから、これハズレたらもう一回並び直ししないとね!」


「な、なんだか凄いですね」

「非公認のファンクラブだって既に五千人は軽く超えてるって話よ?」

 非公認のファンクラブっていったい……というか五千人とかマジですか!?



「あー、もうザラ様が私と私のPAを好きにしてくれないかしら!?」

「そうよね、本当に抱いてくれないかしら! いっそ滅茶苦茶にしても良いのに!!」

「は、はぁ……」

 うん、なんか世界が違うというかなんと言うか……


「あ、今あなた私が『抱いて』っていった事バカにしてるでしょ」

「いえ、別にバカにしはしていませんが(ゲームの中でそういう関係なんて出来ないハズだし)」


「ふふ、まだお子ちゃまなあなたには早かったかな? 実はこの世界でもそういう関係になれるらしいのよ」

 えーっと、そういう関係って……その、アレだよね?


「いやいや、さすがにそれは……無いですよね? というかハラスメント行為とかに」

「ならないルールがあるの、知らないでしょ?」

「ええ、はい……」


「ま、確かに噂レベルな話だし、証明できた人がいるかどうかはわかってないけど」

「でも絶対に出来るはずよ! そうじゃなければ帝国に出た【傾国の女騎士】って話も伝わってこないし!」

 傾国の女騎士?


「そ、帝国にいるプレイヤーが現皇帝の第一皇子に見初められて、帝国屈指の騎士でありながら寵姫としても可愛がられた結果、一軍を任されているって話よ?

 しかも皇子の子を身籠ったって話だし」

「でも実際簡単なことじゃないわよね、プレイヤーがこの世界にとって必要不可欠なパーツとなることが、NPCとそういう仲になるのに必須な条件だって言われているから」

「必要不可欠なパーツですか……」

「そ、だから私やこの子がザラにとって必要不可欠なパーツだと認められれば、そういう関係になれるはずなのよ!」


 うーん、実際にそういう人とか知らないから本当かウソかわからないけど、怖さ大半とほんのちょっとだけ気になると言うかなんと言うか……



「いま、奥のカーテンが少しが動いたわ!」

「く、来るんじゃない? 早く移動しましょ!」


 店の奥に設置されていたカーテンが動いたことに気が付いた数人が移動を始めると、店内にいた大半の冒険者がそちらへと移動していく。残ったのは本当にこの店にPAの装備品を見に来た人達だけのようで。


「でも、実際に目立つ所に飾ってある装備品やミニチュアの横にある説明欄の下の方に【制作:ザラ・コリッシュ】って書いてるものばっかりだから、やっぱり人気なんだろうなぁ」

 どういう人か気にならないと言ったらウソになるけど、別段さっきの人達のような熱量は全然ないし、正直なところ『がんばってください』としか言いようがない。



 そんな事を考えながら暫く商品を見ていると、交代するまで閉まっているはずのドアが開く。



『あれっ、滞在時間的にはまだまだあったはずなのに……いったい?』




いつも読んでいただきありがとうございます(/・ω・)/


はい、今週も予定通り月曜日アップができました。

これもひとえに読んでいただいている皆様のおかげでございます。

ブックマークも以前より更新頻度が落ちたにも関わらず増えていたり、アップしていない日でもアップ日と同様のアクセスがあったりすると、こちらとしても頑張って書いていきたいとおもうばかりです。



さて。

タイトルにもあるように格闘や戦闘場面というのは頭の中には構図とかができているのですが、いざそれを文字起こしして文章にすると、どうにもズレのようなものが出てきたりします。


書いては消し、修正、書き直しをしてから読み直ししては修正へ……


自分で読み直ししておかしなところはそのタイミングで直していくのですが、文字を映像化した際に自分の頭の中で出来上がってしまっている構図にトレースしてしまい、きちんと直せていないこともままあり。


こういったところは日を置いて見直すことで何とかしているつもりではありますが、まだまだ甘い部分があちこちに見えたりしています。


うーん、校正用に特化した目が欲しいかも……(´・ω・`)


とりあえずしばらくはそういったシーンも出てくるので、自分で上に書いたことを出来るように頑張っていきたいと考えますので、よろしければ引き続きこちらの物語を読んでいただければ……



次回は木曜(5/24)更新目指して頑張ります!




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