表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/288

114話 わざとではないのです



※18/05/01 後書き追加しました


「午前のランニング終了~」


 アルブラに来てから十日目(現実の世界では四日目)、常時使うようにマチュアさんから言われていた体構発破(フルチャージボディ)の効果も体に染みついて来たと言うか、体に馴染み切ったというか……とにかく一日中体構発破(フルチャージボディ)を使っていてもキツイと思う事もなくなり、自分の想像以上に機敏に動けたりすることが楽しく思えてきた。


 アルブラの街を走り出した当初は、一回当たり一時間すら厳しかったランニングも今では五十分を切るほどになってきたし、何よりランニングしながらの特別メニュー(気を消す、気を探る)も僅かながらも出来るようになってきたのが本当にうれしい!


『現実でもこんなに速く走れたら楽しいだろうなぁ~』

 ま、少しは体育も頑張ってみようかと思います。


 そして早く走り終わることで、アルブラの街をブラブラとしています。とりあえず通常で着る服とか料理の素材も気になるし、ランニングしながら色々と目についたお店を見て回って……



「なぁ、爺さん頼むよ!」

「知らんな、ワシにはそんなへなちょこ機械をイジる暇なんかねぇ!


『ん? なんだか騒がしいけど……』

 商店街が多い西部地区と、役所など重要な施設が多い北部地区の中間辺りある工場街。そこにちょっとだけ古臭くもたくさんの人の臭いが染み付いたような、温かみを感じる大きな建物があり、その前で冒険者とお爺さんとが言い合いをしていた。


 お爺さんは見た目そのままの頑固そうな感じで、咥えたパイプからモクモクと煙を吹き出している。冒険者の方はちょっと豪華な装備をしており、その近くには故障なのか、煙を上げたPAPが。


『うーん、こういうのって構わない方がいいけど目についちゃったしなぁ……』

 そんなことを考えていると、言い合いをしていた冒険者の視界にわたしが入ったのか、こちらをチラっと見てか軽く舌打ちをし、壊れているPAPに近づくと『現在故障中』と張り紙をしてからその場から離れる。


「とっとと消えろ! PAPなんておもちゃで遊ぶクソガキが!」

「うるせぇ! この唐変木が!」


 ……なんだったの?



「で、お前さんはなんじゃ?」

 正直呆然と見ていたので思わずお爺さんを見続ける形になると、お爺さんとしてもこちらが気になったのか話しかけてきた。


「あ、いえちょっと街のあちこちを散策していまして……」

「はっ、お前さんも異邦人か」

 うっ、なんか最初からこっちを怪訝な表情で見ている。


『まぁ、今みたいなのがあればどうしても異邦人を見る目が良くはならないよねえ……』

 とりあえず、普通に普通に。


「ええ、といってもまだまだ半人前というか」

「じゃろうな」

 そ、即答されたし。


「見りゃわかるわ。腕っぷしはさっきの奴よりも強そうだけど、お前さんからはPAの匂いがほとんどしねぇ」

「匂い……ですか」



 スンスン



「かっ、揶揄じゃよ揶揄」

「ええっ……」


 すごくペースが掴みづらいというか、この前あったモモさんと同じぐらい喋りづらい。偏屈というか頑固な感じが更に加わり、なかなか思うようにしゃべることができない。

 なんだかお爺さんの後ろにある、ちょっと古ぼけた工場のような建物みたく固そうというか、こちらの言うことを聞いてくれなさそうというか……


「あの、ここは」

「古臭い頑固爺が好き勝手やってる店じゃよ」

 あ〜また心の声が駄々洩れだ……と、とりあえず気を取り直して。


「中を見させてもらっても……」

「好きにしな」

 お爺さんはそう言うとお店の中へと戻っていくので、わたしはその後をついて一緒に中へ。



「すご……」

 お店の中に入って最初に出た一言目はこれでした。なお、色々なものが詰まった状態です。


「なんじゃ、それほどか」

「いえ、そのなんというか……ぐちゃぐちゃですね」

「はっ! ほっとけ。ワシにはこれが一番わかりやすいんじゃ」


 お店の中は思ったよりも広く、たくさんの棚に何かパーツから壊れた武器や大きな骨董的なアイテムなど、とにかくPAに関連するであろうモノたちが所狭しと縦横無尽に存在していた。


「これ、全部売り物なんですか?」

「さぁな」

 えぇ……さぁなって無茶苦茶な。


「ワシにとってこれは大事な宝だから売り物でもあり、人から見たらガラクタでもあり、わからん奴には売らない非売品でもある」

『どっちやねん!』


「ま、貴様らから見たらゴミだとしても、ワシから見たらお宝よ」


「なるほど」

 確かにあるものに対し、それがゴミか宝かなんて他人が何て言おうが関係ないし。それこそ持ち主にしか真価を判断できないよね。


「そういうもんだから自由に見るのも触るのも構わんが、くれぐれも壊さんようにな!」

「はい」



『これはPAの座席に貼るシートで、こっちは銃にはめるパーツみたい。あっ、これは』


 なんだろう、気分はフリマで掘り出し物がないか見ている感じ。もっとも、自分にとってそれが使えるものかどうかなんてわからないから、冷やかしみたいになっているのが申し訳ない。


 そんなこんなでわたしが色々と見ている間、お爺さんは離れた作業台に置いた、重そうなPAの銃器のパーツを運ぼうとして、



「おおっ!?」


 持ち上げたパーツ(銃器の筒?)はかなり重かったようで、バランスを崩して倒れそうに!


「危ない!」



 ギュン …… ピシッ



『へっ?』


 お爺さんがパーツと一緒に倒れそうになったから『危ない』と思って動いたんだけど、そう思った瞬間にわたしはお爺さんの後ろまで移動しており、筒を横から支えていた。


「お、おぅ、すまんな」

「いえいえ」

 というか、今の高速移動って一体!?


「まぁ、助けてもらった身で悪いが……お前さん、力強すぎじゃよ。持った際の掴んだ力で筒にヒビが入っとる」

「……あ」



「すみません、すみません!」


 掴んだ箇所に入ったヒビを見たわたしは、その場で土下座することしか出来ませんでした……





いつも読んでいただき、ありがとうございます。


本日も無事アップができました。

まぁ、週に1回~2回のアップですから頑張らないとですね。


ただ、お昼にアップだと朝からお昼までのわずかな間ですがチェックする時間ができるので、ちょっとだけ心に余裕が。

ただ、チェックできる(誤字脱字が完全になくなる)ではないのが玉に瑕でございます(´・ω・`)


さて、話は少しずつ動いていきます。

登場人物も少しですがかわっていき、展開も今までとは変わっていく予定です。

変わっていく中でおかしなことが発生しないよう、わたしとしては気を付けるだけですけどね……


GW期間は外出することもありますが、なるべく大本原稿をイジって少しでも話を手早くアップできるよう頑張っていきたいと考えますので、引き続きよろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ