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108話 自主トレ


「はは、さすが【もう一人のわたし】だ……」


 次の日にログイン後、統合インストールして確認した内容は予想を超えた内容でした。


『しっかり二時間以内にランニング終わらせてからマチュアさんから習った型とか復習し、それからまた課題として出された修練を書かれた内容以上にこなしてるし……』


 もう一人のわたしがそこまでやるなら、わたしとしても負けていられないと言うか、否が応でもヤル気が湧いてくる。


「負けてらんないよね!」


 ・

 ・

 ・


「ふっ、ふっ……」


 彼女(もう一人のわたし)がやれるなら、わたしはそれに負けていられない、負けちゃいけない。

 わたしは部屋着から作業着(ツナギ)へ着替えると、朝日が眩しいアルブラの街をひた走る。


 あ、神官服じゃなくて作業着(ツナギ)に着替えたのは昨日マチュアさんから貰った手紙に書いてあったこと。


『神官服って普通はこの世界の人しか着ていないから悪目立ちする可能性がある……か。そんなことまで考えないといけないなんて、なかなか不自由というか不便というか……

 でも面倒ごとを起こさないようにしたいのは間違いないから、ここは素直に着替えておこう』


 ま、実際にこれを着て運動することも多くなってきたけど、そんなに動きを阻害することもないから問題ないしね。……熱がこもるというか、通気性はイマイチだったりするけど。

 とりあえず、あるかどうかわからないダイエット効果を期待ということで!?



『あれも量産型PAなのかな?』

 ランニング中のわたしとすれ違った馬車は、馬の代わりに小型のPAが荷台を引いていた。


 こうやって街の中を走って見てみると、やっぱり初期村(シーレフ)とは全然違うというか、別の文化圏じゃないかと思うぐらい見たこともないような景色や物体が目に入る。

 とくに初期村(シーレフ)ではあまり見なかったPAに関連する施設などが多く、壊れたPAが運ばれている修理工場やPAパーツの販売店などでは、実際に他の冒険者のPAを見ることも。


 しかも場合によっては通常のPAではなく、今見たようなPAを模して作成された小型のPA、PAP(量産型PA)を色々なところで見つけることができた。



 PAPはPAと異なり神様から貰ったものではなく、こちらの世界の住人が自分達で作成したものらしく、その用途も荷物の運搬から警備など様々な面で活用されていた。

 こういう先進的なところは「さすがアルブラ!」と思ってみたり。


『確か通常のPAだと街の中で呼び出すには領主から許可か、その領地を運営する部署から許可が得られた敷地内でしかできないって聞いていたけど、PAPだと普通に使えちゃうんだ。

 まぁ、戦闘なんかは使えないだろうしそこまで規制は厳しくないのかな?』


 ……それでも冒険者が剣や拳でPAPと戦うというのは無謀な挑戦だと思うけど。 



「ふぅ、ちょっと休憩……」


 西部地区から始めたランニングも、北部地区をぐるっと回ってアルブラの中心地へ。距離にして五十キロは走ったと思うけど、なんとか目標の一時間以内で予定していた休憩地点へ戻ってこれた。


 ……というか【もう一人のわたし】が頑張りすぎだよ。どれだけハイペースで走っているのよ!? 途中ですれ違った人とか『いったい何事か』というような表情だったし。


 『でも、この体構発破(フルチャージボディ)って本当に凄いかも。

 確かに疲れはするけど、だいぶ体に馴染んできたこともあってか倦怠感もなくなってきて、手足だけじゃなく稼働する関節の一つ一つまでもが自分の想像以上に動く感覚って感動ものだよ』


 走って感動することなんてあるんだなぁ……ちょっとだけマラソンの見方をかえよう。



 その後、予定通り南部をぐるりと回ってからゴール地点の宿屋前に到着。休憩を少し入れたとはいえ、二時間ほぼ走りっぱなしなのはやっぱりキツイ。

 まぁ前みたいに吐くことがなくなっただけでも上々と思わないとね。


「お、いま戻ったところか?」

「うん、ハルは……狩りじゃないよね?」

「あ、ああ。まぁ一応この後リアにPAの操縦とか教えるわけだから色々と準備をな」

「ふーん、そっか。ありがとね」


 さすがに自動生活(オートモード)の中では教えてもらうことが出来なかったので、PAの操作(とくに操縦とできれば射撃)は、今日のお昼すぎにハルから教えてもらうことに。


『っていうか、お昼前じゃなくて良かった! さすがにランニングしたてのこんな汗臭いままで教えてもらうのも失礼だし、やっぱり恥ずかしいし……

 お昼ご飯をパパッと食べてからシャワーでも浴びておこ』


 ・

 ・

 ・


「というわけで先生、お願いします!」

「おぅ。まぁ、こちらこそ」


 予定通りお昼とシャワーを済ませてからハルの元へ行くと『場所を借りてある』ということで、ハルと一緒に目的地へ。


 そこはPAの整備やテストを行うことを目的としたグラウンドで、誰でも時間制で借りられるという場所。ハルの話によると有名総合アミューズメント施設よりも広く、野球のグラウンドであれば10面分は軽くあるとのこと。

 もちろん、わたし達以外にも整備やいろいろなテストをしている人がいて、それに合わせて様々なPAもあちらこちらで見かけている。


『やっぱり多いのは汎用型(タイプ)のアルタイルや支援型(タイプ)のスピカ、攻撃型(タイプ)のフォーマルハウトだよねぇ……ちょっと珍しいので中距離型(タイプ)のミザールで、ハルが使っているシリウスや、わたしのハマルなんてどこにもいないし』



 ま、変な動きをして笑われるのは覚悟の上。とにかく使って慣れないことにはね!







いつも読んで頂きありがとうございます!


12月末から掲載をさせていただきました『PAW〜P・A・W・オンライン〜』も先日100話掲載ができ、本日100日連続掲載もできました!


いやぁ、目標としていた二つともクリアできたのも、予想以上にたくさんの方々が読んで頂き、たくさんのツッコミを入れていただけた結果と考えています。



本当にありがとうございます m(_ _)m



で、ここからお詫びです。

いわゆる年度末進行の事前準備(二月)、年度末進行(三月)、年度末進行の余波と傷跡(四月)によって、ストックが尽きました……


流石にこれでは連続掲載どころか、週一すら厳しいので少しだけ時間を頂き、ストックを書きたいと思います。


とりあえず次回から、週一かニで暫くアップさせて頂き、溜まったタイミングで連続掲載を再開したいと考えます。



ブックマークも順調に増え、これからもう一段階と言うところで大変心苦しく、情けないところですが、ご理解頂けますよう、お願い致します ┏〇))




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