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『地球ショッピング』で異世界を快適に!~医学生、善行ポイントで現代物資を取り寄せ、兎の村を最強要塞に変える~  作者: 月神世一


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EP 25

作戦会議と魔法の薬草

帝都郊外の屋敷――ホープ・クローバーズの新たな拠点で生活が始まり、数日が過ぎた。

四人での大掃除の成果もあり、屋敷は見違えるように輝きを取り戻している。さらに、最強の番竜であるアカメの威圧感(本人は人間の姿で書斎のソファに寝転がっているだけだが)のおかげで、敷地内に野盗や魔物が寄り付く気配は一切なかった。

その日の午後。

勇太たちは、埃一つなく磨き上げられた大広間のオークテーブルを囲み、作戦会議を開いていた。

「よし。家と工房、そして広大な庭(農地)は手に入った。……ここからが本番だな」

勇太が切り出すと、リーシャが満足そうに頷いた。

「ええ。これだけの設備があれば、魔法の研究も薬草の調合も捗りそうだわ。ルナキャロット村の時のように、ゴルド商会向けに新しい特産品を開発しないとね」

「わぁ! 何を作るんですか、ユウタさん! また美味しいお菓子ですか!?」

「おう! 肉か!? 焼肉のタレの量産か!?」

キャルルとイグニスが、身を乗り出して尻尾(と兎耳)を振る。

「いや、食べ物もいいけど、少し真面目な商品を考えているんだ」

勇太は苦笑して二人を制した。

「僕の『地球ショッピング』を使えば、便利な道具や現代の薬品はいくらでも出せる。でも、それをそのまま帝都で売り捌いたら、この世界の商人や職人たちの仕事を奪って、経済に混乱を招きかねない。……だから、『異世界の素材』をベースに、『地球のアイデア』を少しだけ足す、というギリギリの線を探りたいんだ」

その慎重な言葉に、少し離れたロッキングチェアでコーヒー(地球製)を飲んでいたアカメが、感心したように片目を細めた。

『ふん。短命種のくせに、世界のことわりを乱さぬよう配慮するとは。小賢しいが、嫌いではないぞ』

「ありがとう、アカメ。……で、何か良い案はないかな?」

勇太が尋ねると、リーシャがポンと手を打った。

「それなら、一つ提案があるわ。私が『特製の魔法回復薬ハイ・ポーション』を作ろうかしら」

「魔法回復薬? 冒険者ギルドで売ってる、あの緑色や青色の液体のこと?」

「ええ。でも、市販のものは効果が薄くて傷跡も残りやすいわ。私が考えているのは、『白月草はくげつそう』という特殊な薬草を使ったエルフ秘伝のレシピよ。これに勇太の『地球の精製技術(ろ過フィルター等)』を組み合わせれば、不純物ゼロで即効性の高い、最高級のポーションが作れるはずだわ」

リーシャは自信ありげに胸を張る。

「ただ、問題が一つあるの。白月草は極めてデリケートで、月の魔力がないと育たない。野生のものは乱獲されて、今では幻の薬草扱いなのよ」

「……あ! それなら、私が栽培します!」

キャルルが勢いよく立ち上がった。

「私、月兎族げっとぞくの血を引いているから、月の名前がつく植物とはすごく相性が良いんです! ルナキャロット村のニンジンも、私が魔力を込めると一晩で大きく甘くなりましたから!」

「本当!? それなら完璧じゃない!」

リーシャの顔がパッと明るくなる。

幻の薬草を、キャルルの種族特有の魔力で自家栽培し、リーシャのエルフの知識と、勇太の現代科学で精製する。

まさに、この三人にしか作れない「独占ビジネス」の誕生だ。

「へっ、最高級の回復薬ができりゃ、俺様も戦闘で遠慮なく暴れられるぜ!」

イグニスも、ガハハと笑って賛同した。

「よし、決まりだな! ……で、その『白月草』を育てるには、まずは種が必要だよね?」

「ええ。でも、帝都の普通の市場には出回っていないわ。頼れるのは……」

「大陸中の珍品を扱う、あの商会しかないな」

勇太とリーシャは顔を見合わせ、同時に頷いた。

こうして、ホープ・クローバーズの新たな事業計画――『白月草ポーション・プロジェクト』が始動した。

彼らは事業の第一歩として、因縁(?)の取引相手であるニャングルの元へ、再びゴルド商会本店を目指すのだった。

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