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『地球ショッピング』で異世界を快適に!~医学生、善行ポイントで現代物資を取り寄せ、兎の村を最強要塞に変える~  作者: 月神世一


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EP 24

四人の部屋とそれぞれの個性

蒼きスカイドラゴン、アカメとの奇妙な同居生活が始まった。

勇太たち「ホープ・クローバーズ」は、手に入れた広大な貴族の別荘を自分たちの「城」とすべく、冒険の合間を縫って少しずつ改装と模様替えを進めていた。

母屋にある五つの寝室のうち、四つがそれぞれの個室として割り当てられ、そこには見事なまでに四者四様の個性と生き様が反映されていた。

■ 勇太の部屋:静謐なる書斎と武人の魂

勇太の部屋は、一言でいえば「極めて機能的」だ。

華美な装飾はいっさい無く、全てが最短の動線で整然と配置されている。部屋の扉を開けると、微かな消毒用エタノールと、乾燥させた薬草の香りが鼻をくすぐる。

主役は、大きな窓際に置かれた重厚なオーク材の机だ。ここは彼の戦略室であり、医学探求の場でもある。

本棚には、「地球ショッピング」で取り寄せた分厚い現代の医学書や薬学書が、リーシャから借りた『ゼセルティア大陸植物図鑑』と並んで収まっている。夜になれば、ポイントで購入した**『ソーラー充電式LEDデスクライト』**の青白い光が、中世の石造りの部屋にサイバーパンクのような異質な知の領域を浮かび上がらせる。

そして机の対面には、ウルジ爺さんが鍛え上げた鋼の『薙刀』が、専用の掛け台に鎮座していた。

それは単なる武器ではなく、彼の精神を支える武の魂の象徴だ。医学生の顔と、武人の顔。静かでストイックなこの空間は、勇太という人間のアンバランスな魅力をそのまま形にしたようだった。

■ キャルルの部屋:元気とカワイイが詰まった秘密基地

「カワイイ」と「暴力」が見事に融合した空間。それがキャルルの部屋だ。

壁紙からカーテンに至るまで、全てが様々な**ニンジン柄(オレンジ色)**でポップに彩られている。ふかふかの巨大なベッドの中央には、彼女の安眠に欠かせない『特大ニンジン型抱き枕』がどっしりと横たわっていた。

しかし、そのメルヘンな空間のど真ん中、太い天井の梁からは重さ50キロの革製サンドバッグがぶら下がり、床には本格的な格闘用ジョイントマットが敷き詰められている。壁には愛用のトンファーが数種類、武器屋のようにディスプレイされていた。

窓際の小さなドレッサーには、ルナキャロット村で開発した手作りコスメや、帝都で買った最新のリップが可愛らしく並ぶ。

オシャレにも、強くなることにも一切妥協しない。元気いっぱいで全力投球な彼女の秘密基地だ。

■ リーシャの部屋:神秘と気品に満ちた聖域

リーシャの部屋は、一歩足を踏み入れるだけで空気が変わる。

静寂に包まれた室内には、最高級のお香と乾燥ハーブが焚き染められ、深く息を吸い込みたくなるような神秘的な香りが漂っていた。

部屋の中心には、帝都のアンティークショップで見つけたという天蓋付きの豪華なベッド。滑らかなシルクのシーツと、深い碧色のベルベットのクッションが、彼女の高貴な生まれを匂わせる。

窓際に置かれた黒檀のテーブルには、占術用の大きな水晶球が置かれ、月光を吸い込んで淡い魔力光を放っている。その周囲には、古代エルフ文字で記された魔導書や、複雑な星の運行を示す羊皮紙の海図が広げられていた。

ドレッサーには、勇太が作った「高保湿クリーム」が、他の高級化粧品と共に芸術品のように並べられている。知的でミステリアス、そして美を愛するエルフの聖域だ。

■ イグニスの部屋:漢のロマンが詰まった宝物庫

イグニスの部屋は、良くも悪くも「THE・男部屋」である。

ドアを開けた瞬間、革の匂い、武器の手入れ用オイル、そして微かに獣の体臭がツンと鼻を突く。

壁には、歴戦の痕跡が刻まれた巨大な戦斧、大盾、重甲冑が、特注の頑丈なラックに掛けられ、さながら無骨な武器庫だ。彼を支える特大サイズのダブルベッドの上には、無造作に魔物の毛皮が放り投げられている。

だが、この部屋の真の主役は、ベッドの足元に鎮座する巨大な鉄張りの木箱――彼が言うところの**『宝箱』**だ。

中を覗けば、ロックサウルスの牙、グリフィンの爪の欠片、道で拾った綺麗な石、どこの国のものか分からない古銭、食べかけの巨大な干し肉、そして子供の落書きのような自作の「宝の地図」が、混沌としながらも誇らしげに詰め込まれている。

それは彼の冒険の歴史であり、少年のロマンがそのまま凝縮されたような愛すべきガラクタ箱だった。

それぞれの部屋は、四者四様の夢を映し出し、この古い屋敷は少しずつ「ホープ・クローバーズ」の温かい『我が家』へと姿を変えていく。

ちなみに、もう一人の住人(家主)であるアカメはといえば――洋館の部屋には入らず、広大な『竜舎ドラゴンポート』に自ら持ち込んだフカフカの藁と毛布の山に埋もれ、満腹の腹をさすりながら幸せそうに高いびきをかいていた。

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