表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『地球ショッピング』で異世界を快適に!~医学生、善行ポイントで現代物資を取り寄せ、兎の村を最強要塞に変える~  作者: 月神世一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

66/72

EP 18

英雄たちの報酬と新たな階梯

イグニスの雷炎の戦斧がグリフィンの首を断ち切り、森に沈黙が訪れた。

そして数秒後、張り詰めていた空気を破るように、四人の歓喜の雄叫びが響き渡った。

「やった……! やったぞ、みんな!」

勇太がまだ熱を持つグロック20を下ろした瞬間、両サイドから柔らかい衝撃が飛び込んできた。

「ユウタさんっ! すごかったです! あの作戦!」

「本当に……! ヒヤヒヤしたけど、完璧な連携だったわ!」

キャルルとリーシャだ。

興奮と安堵から、二人は勇太の腕に勢いよく抱きついていた。

右からは兎人族の元気な温もりが、左からはエルフの神秘的な甘い香りが押し寄せ、勇太は一瞬で顔を真っ赤にしてフリーズした。

「お、おい、二人とも……! 密着しすぎだってば……!」

「へっへっへ! 俺様の『ボルテックス・ブレイク』も伊達じゃねえってことだ! ま、ユウタの囮とキャルルたちのファインプレーが無けりゃ、どうなってたか分からねえがな!」

イグニスは戦斧を肩に担ぎ、両手に花状態の勇太を見てニヤニヤと笑っている。

「さ、さてと! いつまでもこうしてはいられない! 素材を集めないと!」

勇太は照れ隠しに咳払いをし、慌てて二人から離れた。

グリフィンほどの高位魔獣だ。素材の価値は計り知れない。さらに、グリフィンの下敷きになって絶命したゴールドゴブリンの懐からは、あの「黄金の笛」と、大量の宝石類(盗品)が見つかった。

「すごい量ですね。……でも、これなら!」

キャルルが腰から**『マジック・ポーチ』**を取り出した。

グリフィンの巨大な風切羽、鋭い嘴、そして純度の高い「風の魔石」。それらをポーチの口に近づけると、シュポッ! と音を立てて次々に吸い込まれていく。

「こりゃあスゲェ……! 金貨7枚の元は、今日だけで完全に取れたな」

イグニスが呆れたように笑う。

「ええ。これだけの素材と盗品……ギルドがどんな顔をするか見ものね。さあ、街に帰りましょう」

リーシャが疲労混じりに微笑んだ。

数時間後。

帝都アウストラの冒険者ギルド「ラックギオン」は、再び爆発的な喧騒に包まれていた。

「お、おい……あれ、グリフィンの羽じゃないか!?」

「それに、あの金ピカの毛皮……手配書に載ってた『黄金の小鬼』か!?」

カウンターにドサリと積まれた戦利品の山を見て、受付嬢のフォミナは口をパクパクとさせている。

「ゴ、ゴールドゴブリンだけじゃなく、空の王者グリフィンまで!? し、少々お待ちください! すぐにギルドマスターを……!」

「呼ぶまでもない。見えているぞ」

ギルドの奥から、隻眼のギルドマスター・ガルフが頭を抱えながら現れた。

彼はカウンターの素材を一瞥し、そして勇太たちを見て深い溜息をついた。

「お前ら……。この前ロックサウルスを狩ってきたばかりだろうが。帝都の生態系をぶっ壊す気か?」

「いえ、向こうから襲ってきたので、正当防衛です」

勇太がしれっと答えると、ガルフは「へっ」と口角を上げた。

「……大した新人どもだ。査定結果を伝えるぞ、耳の穴かっぽじってよく聞け」

ガルフが顎でしゃくると、フォミナが上ずった声で羊皮紙を読み上げた。

「ホ、ホープ・クローバーズの皆様! ゴールドゴブリンの討伐、及び被害品の回収。さらに、Aランク魔獣グリフィンの討伐は、Dランクの範疇を遥かに超える特級の功績と認定されました!」

フォミナは大きく息を吸い込んだ。

「よって、パーティランクをDから特進で**『Cランク』**へ昇格! そして、特別報酬および素材の買取額の合計は……金貨100枚となります!!」

「「「ひゃ、ひゃくぅぅっ!?」」」

ギルド中の冒険者がひっくり返った。

金貨100枚。日本円にして約100万円。ルナキャロット村の年間予算を軽く吹き飛ばす大金だ。

「やったぜ! Cランクだ! 金貨100枚だぁっ!!」

「ユウタさん! これで、あれが買えますよ!」

キャルルがぴょんぴょんと跳ねる。

「ええ……! いよいよ現実のものになったわね。私たちの『城』が」

リーシャも、珍しく興奮を隠しきれない様子で拳を握った。

勇太は、ずっしりと重い金貨の袋(マジック・ポーチへ直行)を受け取り、仲間たちの笑顔を見つめた。

ポイントも40,605Pまで貯まっている。

資金も、ポイントも、名声も手に入れた。

「……よし。明日は不動産屋へ直行だ!」

その日の夜。

イージーブロンズ亭の一室では、夜更けまで最高級のエールと豪快な笑い声が響いていた。

帝都での「マイホーム購入」という途方もない夢が、今まさに、彼らの手のひらに収まろうとしていた。

【クエスト完了:黄金の小鬼と空の王者】

【現在所持ポイント: 40,605 P】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ