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『地球ショッピング』で異世界を快適に!~医学生、善行ポイントで現代物資を取り寄せ、兎の村を最強要塞に変える~  作者: 月神世一


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EP 2

決意の夕餉と旅立ちの朝

その日の夕食は、キャルルの実家(ミルルの家)で振る舞われた。

食卓には、ピッグシープのハーブ焼き、トライバードの卵炒め、そして勇太が出した炊きたての「白米」。

湯気が立ち上る温かい食事を囲みながら、勇太は昼間のイグニスの言葉を反芻していた。

「……帝都で、デカイ事をやる、か」

「ああ、そうだぜユウタ! 俺たちはヒュドラだって倒したんだ。こんな田舎で終わる器じゃねえだろ?」

イグニスが骨付き肉をかじりながら、熱く語る。

キャルルが心配そうに勇太を覗き込んだ。

「ユウタさんは、どうしたいですか?」

「……そうだね。僕も、もっとこの世界を知りたい。君たちとなら、どこへだって行ける気がするんだ」

勇太は茶碗を置き、仲間たちの顔を見渡した。

リーシャが静かに微笑み、キャルルが期待に目を輝かせ、イグニスがニカッと笑う。

「よし、決まりだ! 目指すは大陸最大の都市、マルシア帝都! ……その前に、まずは海沿いの『アルトリア』経由で行くぞ!」

「「「おーっ!!」」」

四人の声が重なり、新たな旅路が決定した。

翌朝。

村の広場には、早朝にもかかわらず多くの村人たちが集まっていた。

その中心に鎮座するのは、朝日を浴びて黒く輝く**大型装甲キャンピングトラック『ノマド号』**だ。

勇太たちは、ミルル母さんが持たせてくれた大量の保存食や、ウルジ爺さんが整備してくれた武器を、広々とした車内倉庫に積み込んでいた。

「すごい量だね。冷蔵庫がパンパンだ」

「ふふ、これなら帝都まで食いっぱぐれることはないわね」

準備が整い、いよいよ出発の時。

ラトルが進み出て、勇太の肩をバシッと叩いた。

「行くのか、勇太。……寂しくなるな」

「ラトルさん。村のことは任せましたよ。ニャングルさんとの取引も」

「おう、任せとけ! お前たちが救ってくれたこの村は、俺たちが守り抜く。……もっとデカくなって、また顔を見せに来いよ!」

「勇太君、キャルル……みんな、気をつけてね」

ミルル母さんが涙ぐみながら、キャルルを抱きしめる。

「ママ……行ってきます! 私、もっともっと強くなって、素敵なレディになって帰ってくるから!」

「うむ……達者でな。イグニス、その斧の切れ味、鈍らせるんじゃねえぞ」

「へっ、当たり前だろジジイ! 土産話、楽しみにしてな!」

村人一人一人と言葉を交わし、惜しまれながらも、四人はノマド号に乗り込んだ。

重厚なドアが閉まり、外の音が遮断される。

勇太は運転席に座り、キーを回した。

キュルル……ズドオオオオオオオンッ!!!

猛獣の如きディーゼルエンジンの咆哮が、朝の静寂を破る。

村人たちが驚き、そして歓声を上げて手を振る。

「みんな、行ってきます!!」

勇太は窓から手を振り、一度だけ長くクラクションを鳴らした。

パァァァァァァァーーーンッ!!!

それは別れの合図であり、新たな冒険へのファンファーレだった。

巨大なタイヤが砂利を噛み、車体が動き出す。

バックミラーの中で、小さくなっていくルナキャロット村。

キャルルとリーシャが、窓に張り付いていつまでも手を振っていた。

やがて車は峠を越え、視界が開けた。

フロントガラスの向こう、地平線の彼方に、キラキラと輝く**「碧き海」**が見えてくる。

「見えた……! 海だ!」

「でけぇぇぇ! 湖とはスケールが違うぜ!」

感傷はここまでだ。

勇太はアクセルを踏み込んだ。

ノマド号は砂煙を上げ、真っ直ぐな街道をひた走る。

目指すは交易都市アルトリア。

そしてその先にある、帝都マルシア。

「地球の勇者」と仲間たちの、本当の伝説がここから始まる。

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