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『地球ショッピング』で異世界を快適に!~医学生、善行ポイントで現代物資を取り寄せ、兎の村を最強要塞に変える~  作者: 月神世一


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47/70

EP 47

爆炎の後と甘い褒美

ズズズン……と、地鳴りのような余韻を残して、爆風が収まった。

勇太が恐る恐る顔を上げると、そこには直径50メートル近いクレーターだけが残されていた。

ヒュドラの巨体も、再生する肉片も、全てが原子レベルで消滅していた。

(やった……のか?)

静寂の中、半透明のボードが勇太の視界に浮かぶ。

【強敵:三つ首の毒蛇トライ・ヒュドラを撃破! 10,000 P】

【『霧降りの谷』完全攻略! 5,000 P】

【仲間との連携ボーナス! 2,000 P】

【合計 17,000 P 加算。現在 32,455 P です】

【ランクアップ! 『建築・拠点作成』カテゴリが解放されました】

「さんまん……にせん……」

震えるほどのポイントだ。これなら、この異世界に「家」を建てることすらできる。

「やったー! ユウタさん、勝ちましたよ!」

キャルルがすすだらけの顔で飛びついてくる。

イグニスも大の字に寝転がりながら、ガッツポーズをした。

「へっ……ざまあみろトカゲ野郎。俺たちの勝ちだ」

だが、リーシャだけはぐったりとして動かない。

勇太はすぐさま彼女を抱き上げ、停車していたノマド号へと運んだ。

「みんな、車に入って! ここじゃ空気が悪い!」

重厚なドアを閉めると、そこは別世界だった。

静寂。適温に保たれた空気。ふかふかのソファ。

勇太はリーシャをソファベッドに寝かせ、濡れタオルで彼女の顔の汚れを優しく拭った。

「……ん……」

リーシャの長い睫毛が震え、碧色の瞳がゆっくりと開く。

「……ユウタ? ……ここは?」

「ノマド号の中だよ。……勝ったよ、リーシャ。君のおかげだ」

勇太が微笑むと、リーシャは安堵のため息をつき、とろんとした目で勇太を見上げた。

「そう……良かった。……ねえ、ユウタ」

「ん?」

「私、魔力を使い果たして……指一本動かせないの。……私の寝顔を見て、何か『悪さ』しなかった?」

「えっ!?」

勇太が狼狽えると、リーシャは悪戯っぽく口元を緩めた。

「ふふ、冗談よ。……でも、私の『勇者様』になら、少しなら……されても良かったかもね」

「り、リーシャさん……!?」

勇太の顔が爆発しそうになった、その時。

「むーーーっ!! ズルいですリーシャさん! 抜け駆け禁止ですよっ!」

シャワールームから出てきたキャルル(さっぱりした姿)が、頬を膨らませて飛び込んできた。

「ユウタさんはみんなのモノです! 私だって看病したいです!」

「あらキャルル。私は重傷人よ? 優しくして貰う権利があるわ」

「むむむ……! じゃあ私は反対側からくっつきます!」

右にエルフ、左に兎人。

高級ソファの上で繰り広げられるハーレム展開に、勇太は嬉しい悲鳴を上げた。

「……ケッ、やってらんねえな」

そんな甘い空気を、シャワー上がりのイグニスがぶち壊した。彼は冷蔵庫からコーラを取り出し、プシュッと開ける。

「それより腹減ったぞユウタ! ヒュドラの肉も吹き飛んじまったし、今日の晩飯はなんだ? あの肉がゴロゴロ入った赤いスープ……『ボルシチ』だっけか? あれ頼むぜ!」

「あはは……。色気より食い気だね、イグニスは」

勇太は苦笑しながらキッチンに立った。

外は荒野だが、ここには最高の食材と設備がある。

圧力鍋で牛肉と野菜を煮込み、特製のボルシチと、炊きたての白米。

湯気が立ち上る食卓を、四人で囲む。

「「「いただきます!」」」

「うめぇぇぇ! 体に染みるぜぇ!」

「美味しいですぅ……!」

笑顔が溢れる。

食事を終える頃には、ノマド号は霧の谷を抜け、峠の頂上に差し掛かっていた。

「みんな、見て」

勇太がカーテンを開ける。

そこには、息を呑むような絶景が広がっていた。

晴れ渡った空。

眼下に広がる、宝石のように輝く**「青い海」**。

そして、海岸線に沿って広がる白亜の街並み――交易都市「アルトリア」。

「海だ……! おっきい!」

キャルルが窓に張り付く。

「ついに着いたな。あそこなら、もっと美味いモンがあるはずだ」

イグニスが舌なめずりをする。

「行きましょう。新しい冒険が、私たちを待っているわ」

リーシャが勇太の手を握る。

「ああ、行こう!」

勇太はアクセルを踏み込んだ。

ノマド号は軽快なエンジン音と共に、坂道を駆け下りていく。

ポイントは3万越え。仲間との絆は最高潮。

ルナキャロット村を出た彼らの物語は、舞台を海辺の都市へと移し、さらに加速していくのだった。

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