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『地球ショッピング』で異世界を快適に!~医学生、善行ポイントで現代物資を取り寄せ、兎の村を最強要塞に変える~  作者: 月神世一


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EP 40

親父たちの願いと育毛への道

女性陣が「手作りコスメ」で美しくなり、村中に華やかな笑顔が溢れる中。

その輝きの影で、深刻な顔をして集まる男たちがいた。

「……ユウタ殿。折り入って、相談がある」

集会所の裏手に呼び出された勇太は、ラトルをはじめとする村の成人男性たちに囲まれていた。

彼らの表情は、リザードマン襲撃の時よりも切迫している。

「ど、どうしたんですか? また魔物が?」

「いや、違う。……魔物なら斬ればいい。だが、こいつばかりは剣も魔法も通じないのだ」

ラトルが悲痛な面持ちで兜を脱いだ。

そこには、歴戦の勇士の証である傷と共に、**明らかに後退しつつある前線(生え際)**と、寂しくなり始めた頭頂部があった。

「我々は……ユウタ殿のその『豊かで、艶のある黒髪』が、羨ましくて仕方がないのだ!!」

「「教えてくれ! そのフサフサの秘訣を!!」」

男たちが詰め寄る。

過酷な紫外線、兜による蒸れ、不衛生な環境。この世界の戦士にとって、薄毛は職業病であり、逃れられぬ宿命だった。

「ええと……つまり、薄毛対策ですか?」

「うむ! 妻や娘ばかり綺麗になって、我々だけ枯れていくのは忍びない! 頼む、ユウタ先生!」

土下座せんばかりの勢いに、勇太は「任せてください」と頷かざるを得なかった。

彼はボードを展開する。これは医療行為に近い。

【購入完了:育毛の科学(書籍)、頭皮ケアブラシ、ガラス製スプレーボトル】

【購入完了:無水エタノール、精製水】

「まずは意識改革です。髪が抜けるのは、頭皮が汚れて血行が悪いからです」

勇太はリーシャに協力を仰ぎ、村の薬草庫を漁った。

『ファイア・グラス(トウガラシ成分)』:カプサイシンで血行促進。

『清めの樹皮(サリチル酸)』:角質を溶かし、殺菌する。

『氷結ミント(メントール)』:強烈な清涼感と鎮静作用。

これらをエタノールに漬け込み、成分を抽出。黄金色の液体を生成する。

名付けて、『ルナキャロット特製・スカルプDドラゴントニック』。

「さあ、まずはこれで頭皮の脂を洗い流してください」

勇太は川で、男たちに「正しいシャンプー法(指の腹で洗う)」を指導し、その後に完成したトニックを配布した。

「これを頭皮に直接振りかけ、揉み込むんです!」

ラトルがおっかなびっくり、琥珀色の液体を頭に振りかけ、勇太に教わった通りにマッサージを始めた。

その瞬間。

「――――ッ!!?」

ラトルの目がカッと見開かれた。

「な、なんだこれはぁぁぁッ!! 頭が……頭が燃えるように熱い! いや、氷のように冷たい!? スースーするぞ!?」

「毛穴が開いて、薬効成分が染み渡っている証拠です!」

「おおおっ! 感じる! 死にかけていた俺の毛根が、呼吸を始めたのを感じるぞ!!」

「くぅぅぅっ! 効くぅぅぅ!!」

川辺に並んだ男たちが、一斉に頭を鷲掴みにして「効くぅ~!」と悶絶する。

強烈なメントールの爽快感と、カプサイシンの刺激。

未体験の**「頭皮覚醒」**に、おっさん達は虜になった。

「ユウタ先生! これはすごいぞ! 頭が軽い!」

「なんだか、産毛が立ち上がってきた気がする!」(※プラシーボ効果です)

風呂上がりのような紅潮した顔で、スッキリした頭皮を撫でる男たち。

その表情は、どんな勝利の時よりも晴れやかで、希望に満ちていた。

遠くで見ていたイグニスが、自分の立派な角とたてがみを触りながら呟いた。

「……俺様も、将来のためにやっとくか?」

【ピンポンパンポーン♪】

【ルナキャロット村の男性陣に『希望』を与えました】

【QOL(生活の質)向上ボーナス: 100 P 加算】

【現在所持ポイント: 16005 P】

勇太は、夕日に照らされて光るお父さん達の頭を見ながら、満足げに頷いた。

髪が生えるかは「神のみぞ知る」だが、彼らの心に活力が戻ったのは確かだ。

村の男女ともに美しく、健康的になった。

これでもう、思い残すことはない。

「……さて」

勇太は、16,000ポイントという莫大な数字を見つめた。

お読みいただきありがとうございます!


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