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岩本はスマホの動画を止め、電話をかけた。
「お疲れ様です。セキュリティーの岩本です。8番アラームが鳴ってるんで確認してもらえますか。はい。よろしくお願いします」
電話を切る。スマホの動画を再生。
こうゆう仕事を1日14時間やっている。そろそろお昼の仕事に移りたい。と岩本は考えていた。
カメラを眺めている。
「うわ、まただ」
カメラに映っているのは暗いロッカールーム。もやのような白い火の玉がゆらゆらと飛んでいる。
「こえー。幽霊だよなこれ」
モニターを見つめてからカメラを違う画面に切り替える。寝ている人の映像。
「さぼってんなこの人。まあいいけど」
画面が切り替わる。ソファに座る人、ズボンを下ろす。
画面を切り替える。いちゃつく男女の映像。
「この人達、仲いいな」
頬杖をついて、二人の男女がちちくりあっているのを眺める。
画面を切り替える。
岩本はうとうとしていた。パソコンからアラーム音。ビクッとする。
「やっべ」
電話をかける。
新作カップラーメンを食べることにした。電気ケトルのお湯をカップラーメンに注ぐ。
3分。
「これ、うめえじゃん」
ラーメンをすする。
モニターを見ている。喧嘩している職員二人。
「うわあ、なんか喧嘩してるけど大丈夫?」
缶コーヒーを飲む。岩本は渋い顔をした。
「そろそろ歯医者行かないとなあ」
歯が痛んできていたのだ。