16
殺人鬼は後ろをふり向く。
何台もののパトカーから何人もの警察官がおりてくる。
「なにやっとんじゃごらあああああ!」
盾と警棒を持った複数の警官が、殺人鬼を制圧した。
岩本と山口は手を繋ぎながら、その光景を眺めていた。
7
夕方。
出勤。エントランス受付の警備に岩本は挨拶をした。
事件から3ヶ月が経った。俺の平穏な毎日は取り戻されたのである。正直、この事件をきっかけに俺は違う仕事に転職することにした。この仕事も今週いっぱいだ。やっと念願の昼間の仕事につける。この目の下にあるくまともおさらばできると思うと嬉しく思う。
監視室についた。椅子に座ってパソコンを立ち上げる。紙袋からハンバーガーを取り出して食べ始めた。パソコン横のモニターに目を移す。
モニターに山口が映っている。
それからもう一つ。
「ただいまあ」
「おかえり」
彼女ができた。
新居には山口がいる。
山口はソファで本を読んでくつろいでいる。
岩本が部屋に入ってきた。素っ裸だった。
山口はそれを見てびっくりする。
「え、薫君どうしたの?」
「今日は友ちゃんを殺っちゃいまーす」
岩本は白塗りの顔で笑顔を見せた。
「きも」