流星雨
お待たせしました
ジャキンッ!!
「⬛︎」
(ッ!)
「これでくたばり■がれ!」
瞬間、この世界に来訪した者はそう叫ぶのと同時に自身の腕を突き出し、銃口を向けると、
ドギギギギギギギギッッ!!
「⬛︎⬛︎」
(この弾はっ)
再び幾つもの弾丸を放ち、⬛︎⬛︎⬛︎の体に撃ち込んだ。⬛︎⬛︎⬛︎様は迫り来るその銃弾を自身の腕で受けようと持ち上げ、盾とする。例え自身の体に弾を撃ち込まれようとも負傷しないのならば何も恐れることはない。全てを受け止め、全てを無力化する。
自身の過去を知っているこの者から、弾ごとそのことを全て出し尽くさせるために。
能力で追放することは簡単なことだ。しかしそれでは自身の知らない過去を知る機会を失ってしまう。
だからこそ今は耐えることに徹しようと⬛︎⬛︎⬛︎様は自身の体に力を込め、攻撃を受ける。
グニャンッ
「⬛︎⬛︎」
(むっ)
しかし弾丸の軌道は⬛︎⬛︎⬛︎の腕に当たる寸前で軌道が変わり、
ズバババッ!!
体にある眼球に炸裂した。それによって目が潰されることはなかったが、当たった弾丸は同時に変形して眼球全体に広がり、纏わり付く。他の弾丸も同じように全弾眼球に命中し、纏わり付いて視界を覆う。
「⬛︎」
(目がっ)
弾丸によって自身の目の幾つかが見えなくなったからと言って視界に大きく影響することはなかったが、しかしよりにもよってそれが我が子のことを見守っていた目であること、初めてその一部が見えなくなると言うことに⬛︎⬛︎⬛︎様は一瞬動揺してしまった。
「ふんっ、なんだぁ? 以■はどんな攻撃を受けてもケロッとしてやがったくせに、この程度で怯■でしまうのかッ。よく分からんが、それなら好都合だッ」
そんな⬛︎⬛︎⬛︎様のことを見てその者は好機と判断すると、すぐさま⬛︎⬛︎⬛︎の体に登り、腕の上を駆ける。
そして瞬く間に⬛︎⬛︎⬛︎様の頭の側に近づくと、顔目掛けて銃口を向け、
「くたばれっ!」
「⬛︎⬛︎」
ドバァンッッッ!!!
今までのものとは違い、巨大な弾を放った。とても弾丸とは言えない程の大きさ、その者が抱いている殺意や憎悪がそのまま形となって現れた弾は⬛︎⬛︎⬛︎様の顔面部分に炸裂し、
ドゴォンッッッ!!!
巨大な爆発を巻き起こす。敵の顔が全て爆炎で包まれている光景にその者はついにやったと笑いながらも、完全なるトドメを刺すべく追い討ちの準備に掛かる。
そして煙が晴れ、⬛︎⬛︎⬛︎の頭の影が見えた瞬間、その者はパッと体から飛び降りながら手を伸ばして照準を合わせ、
「これで終■■だ!」
ドドドドドドドドドドドッッッ!!!
口目掛けて先程と同じ弾を何発も放った。弾は軽く開かれた⬛︎⬛︎⬛︎の口の中へと一直線に飛び、
「内側からぶっ■す!」
ボゴォンッッッ!!!
そのまま体内で連鎖的に大爆発を起こす。傷1つとて付かない強固な体であれど、内側からならば壊すことが出来るかもしれないと。
「⬛︎⬛︎」
(……)
すると体内で大爆発を起こされた⬛︎⬛︎⬛︎様はゆっくりと項垂れてしまい、穴が空いてしまった腹からはボタボタと血のような液体が流れ出ていた。
「これで終■■か。呆気なかったな」
ついに自身の敵を討った、これで倒すべき者は倒したとその者は勝利を確信し、余韻に浸りながら笑みを浮かべる。恨みを募らせ、⬛︎⬛︎⬛︎を討つことだけを考え、殺すために幾つもの策を練り続けた。そしてその策がついに実現する、自身の望みがついに叶うとその者は確信する。
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
「……?」
が、そんな者のすぐ側で⬛︎⬛︎⬛︎の体から滴り落ちる血のようなものは地面に広がり、大きな池となりながらゴボゴボと沸き立ち始めた。来訪者は沸騰するその池に一体何なんだと不思議そうに目を向けてしまうと、
⬛︎⬛︎⬛︎
「ッ!」
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
次の瞬間、その池からはボンッと音がしたかと思えば、来訪者の顔面に硬い塊が高速で飛び、ぶち当たる。突然にして速過ぎる攻撃にその者は対応出来ず、その塊をモロに喰らってしまう。
が、
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
「……っ!?」
一撃だけではない、1発だけではない。
池はボコボコと更に勢いよく沸き上がり、噴き出した泡が破裂するのと同時に塊がその者目掛けて飛んだ。
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
「うぐ■!」
しかも池から放たれる塊の軌道は真っ直ぐではなく、その者のことをありとあらゆる方向から囲い込むようにして飛んで来て、全身にぶち当たって行く。
まさに流星雨、軌道も攻撃の方向も滅茶苦茶に池からは塊が放たれる。いや、その者目掛けて落下するように塊が飛んでいるのを見るに、ある意味軌道も方向も滅茶苦茶ではないのかもしれない。
その攻撃に来訪者は完全に防戦一方に追い込まれてしまい、体を丸めて防御に徹さざるを得なくなる。
そして、
「⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎」
(…驚いた。体に穴が空いたのにまるで痛くないとはな。それにこの技は…俺がそうしているのか。やはりまだまだ全然知らないな)
⬛︎⬛︎⬛︎様は体内を爆発され、自身の体に穴を空けられようと全く動じておらず、自身が今振るっている技を見て、こんなことも出来たのかと冷静に思考を巡らせていた。
先程もこの者が言っていた通り、やはり自分は理不尽にして不条理の塊と言うことなのか。穴を空けられた程度では、体内から爆破されたぐらいではまるで応えないと言うわけなのか。⬛︎⬛︎⬛︎様はそんな自分の体の謎に興味を持ちつつ、ムシャムシャと目にへばり付いた肉の弾を貪り、喰らって行く。
が、その時、
ぺきっ
「⬛︎」
(っ?)
さわさわ…
「……ママ?」
眠っていた筈の我が子が、
「⬛︎⬛︎⬛︎」
(欄照華)
親である⬛︎⬛︎⬛︎様のところへと歩いて来てしまう。眠い目をこしこしと擦り、うとうとと頭を前後左右に振りつつ、欄照華はお母さんの側へとやって来た。
その声に⬛︎⬛︎⬛︎様はハッと振り向き、流星雨の巻き添えを喰らわぬよう自身の手に乗せ、2本使って優しく覆う。
「⬛︎⬛︎⬛︎」
(欄照華、此処は危ない。ママが守っているから俺の手の中にいなさい)
「……ママ…」
「⬛︎⬛︎⬛︎」
(大丈夫)
しかし、
バッ!
「⬛︎」
一瞬でも意識を来訪者から我が子に向けてしまったことで、降り注いでいた流星雨に僅かに隙が生じ、脱出する暇を与えてしまう。
そして、
「ママ…? ママ……■と? 貴様が…か? ふっ…■■■ははは! こいつ■ケッサクだ! まさか貴様に■■がいたとはな!」
ボロボロになった体ながらも⬛︎⬛︎⬛︎様に子がいることを笑い、
「■から何もかもを奪■ておきなが■、貴様は■作りをしていた■■! なら…今度■、■が貴様■■全てを奪■■やるっ!」
ドッ!!!
自分から全てを奪った存在から、今度は自分が全てを奪ってやると憎しみを露わにしながら向かって来た。何が⬛︎⬛︎⬛︎様の苦しみとなるか、攻撃は通じなかった存在に何が通じると言うのか、それを悟った来訪者はゲタゲタと笑いながら⬛︎⬛︎⬛︎様に、いやその手の中にいる者に向かって走って行く。
瞬間、
「くたばれッ」
ジャキッ
大きく飛んで一気に距離を詰めると、銃口を⬛︎⬛︎⬛︎の手の中にいる欄照華に向けた。
「■っ」
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
が、
「⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎」
(消えろ、この世界から)
それよりも早く⬛︎⬛︎⬛︎様は8本ある内の1本の手を振るってその者のことをバンッ! と叩き潰し、
「⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎」
(聞きたいことは山程あったが、我が子に手を上げるのならば話は別だ)
完全にこの世界から存在を消してしまう。二度とこの世界に来ることがないよう念じるようにして、グシグシッとその者が存在していた場所を手のひらで擦りながら。ただでさえ禍々しく恐ろしい姿であるのに、その表情を怒りと嫌悪で染めながら。
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎パキ…
「……⬛︎⬛︎、ふぅう…」
けれども我が子の手前、何時までも怒っているわけにはいかない。幾ら欄照華がそこまで怖がらないとは言え、この恐ろしい姿を見せ続けるわけには行かないと⬛︎⬛︎⬛︎様は我が子を抱えたまますぐさま変身し、魔快黎様の姿となる。
「ごめんね、起こしちゃったね」
と、その変身を終えるや、欄照華がこうして起きて来てしまったのは自分が爆発を抑え切れなかったからだと思い、魔快黎様は寝ていたところを起こしてすまないと謝った。しかし欄照華は抱かれたままふるふると首を横に振ると、ぎゅうと手を伸ばして抱き付き、
「まも…ってくれて…ありがとう…。か…かっこよかったよ…」
守ってくれてありがとうと安堵しながら言った。そして抱かれたまますやすやと寝息を立ててしまう。
「そうか」
そんな欄照華のことを抱き抱えながら魔快黎様は他の子達の元へと瞬間移動する。
次回の投稿もお楽しみに
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