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第11話 開業に向けて

 ラースが開業をする準備は着々と進んでいた。


「ラースさん、病院の場所が決まりましたよ」


 辺境伯から提示された場所は領内の中央。

オーランドの街の一等地であった。


「こんなにいい場所に作っていただいていいんですか?」

「もちろんだ。ここかなら、この屋敷からも近いしちょうどいいのではないか?」

「そうですね。ありがとうございます」


 内装工事が始まって2週間が経過しようとしていた。


「ラースさん、病院が完成しましたよ」

「本当ですか!?」


 すごいスピード感で病院が完成してしまった。


「はい、すぐにでも開院できるそうだ」

「ありがとうございます」


 さすがは、一代でこのオーランドの街を大きくした立役者。

仕事が早いにも程がある。


「クレインさん、一緒に見に行ってくれませんか?」

「もちろんです。ご一緒しますよ」


 クレインと共に病院に向かう。


「すごい……」


 一階は待合室と診察室が二つ。

調剤室も兼ね備えていた。


 2階はスタッフの休憩スペースだ。

居住もできそうなほど、設備が整っている。


「医療器具もこんなにいいものを」


 そこには、ラースが欲しいと思っていた医療器具が全て揃っていた。

この世界で、医療器具は決して安い物では無い。

全て揃えようと思ったらある程度まとまったお金が必要になって来る。


「父上が張り切ってましたからね。ラースさんの病院に半端な物はおけんって」

「そうだったんですね。感謝です」

「そういえば、病院名はどうするんですか?」

「それ、決めてなかったですね」


 建物は立派なものができたが、肝心の病院名を決めていなかった。


「ラースクリニックとかにしましょうか」

「いいと思いますよ」


 ありきたりだが、それしか思いつかなかった。

獣医がメインだが、人間も診ることができる病院。


 万人に平等な医療を届けることができる病院。

それが、ラースが目指している医療である。


「いよいよ、開業なんですね」

「そうですよ。ラース院長」

「私が院長ってちょっと照れますね」


 自分の病院を持つことは夢だった。

しかし、その夢がこんな匂い早く叶うとは思っていなかった。


「さて、やることは山積みですよ」

「一度父上の所に戻りましょうか」

「そうですね」


 そう言って、ラースはオーランド家へと戻った。


「バーロン卿、素敵な病院をありがとうございます」

「見てきたか? 気に入ってくれたら嬉しいよ。これ、渡しておこう」


 辺境伯が一枚の紙を渡して来た。

そこには、ラースクリニックの開業を許可するという許可証だった。


「ありがとうございます。いただきます」


 この許可証を受付などの見える位置に飾らねばならないという決まりだ。


「それでバーロン卿、もう少々ご相談してもよろしいですか?」

「何だね? 言ってみなさい」


 ラースは開業に向けての一歩を踏み出そうとしていた。

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