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最悪の邪神がログインしました。  作者: 歯車ぐるり
見上げるがいい、唾棄すべきあのアルデバランを:上
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vs機織り

エナドリ飲むと戦闘描写の執筆が捗ります。何かを降ろしている気がしてます。

 蜘蛛二匹の見た目は異なっていた。片方は顎や足が鋭く尖っていてその体はずんぐりとしていた。体の大きさはそこまでではなく、アンドレよりも少し小さいくらいだった。カサカサと素早く動き回り、その動きは捉えにくかった。もう片方は対照的に足が異様に長かった。同じ場所に立っているのにアザトース達を見下ろすほどの高さにその目があった。また前足の二本が他の足とは異なる構造で関節の形が人の腕に近く、足の先端が人の指のようにいくつかに分かれていた。しかし親指の部分が存在しないため物を掴むのには適しておらず、どちらかといえばフォークのようだった。また体が小さいのが一層足の長さとのアンバランスさを強めていた。


「普段はここには落とし子共はでてこねぇんだがな...嬢ちゃん!機織りの方を頼む!俺は狩人の方をやる!」


「...どっち?」


「足の長いクソ美人の方だ!!」


「......りょ」


 ハンマーを振り回しながら蜘蛛相手に立ち回るアンドレを横目に見ながらアザトースはヒトとはあの蜘蛛を美人と形容するものなのかと考えたが、その考えを振り払い機織りの方に向き直る。機織りはアザトースから距離を置きながら頭上高くに掲げた前足で尻から出した糸を捏ねている。いや、編んでいる。機織りとはそういう意味かとアザトースが理解した直後、機織りによって編み上げられた糸は奇妙な、しかしアザトースにとっては少し馴染み深い形をしていた。


「......あぶなっ」


 機織りが作った糸の魔法陣が光り輝くと、幾つもの糸の塊が射出される。幸いアザトースに当たることはなかったが、糸の塊が地面に張り付いて広がり、トリモチのようになっている。踏んでしまったらそこから動けなくなることは確実だろう。どうにかして機織りの糸使用を防がないとそのうち足を取られて動けなくなってしまう。かといってせっかく手に入れた武器を使わずに魔術で捻り潰すのも味気ない。そんなことを考えているうちに機織りが糸を編み終わっている。糸の魔法陣が再度光り輝き、アザトースに粘り気のある糸の砲弾が迫る。


「......ここ。『ねじれた空間(フーデルキア)』」


 アザトースに糸の塊が着弾する寸前でアザトースは魔術を発動する。糸の砲弾はアザトースの周りをぐるりと回るような軌道を描いて、そのまま機織りの方へ元々の勢いのまま飛んでいく。予想外の出来事に機織りは対応できなかったのか糸の塊は機織りの足に衝突して、その動きを止める。機織りの動きが止まったその隙にアザトースは接近して釘バットもといオスカーの強化棍でその足を殴りつける。強化棍から溢れ出す炎と釘による抉るような一撃はアザトースのゴミのようなステータスでも十分に機織りに対して効果的だった。傷口から緑色の体液が溢れ、苦悶に機織りがキチチチと鳴きながら発達した前足を振りわます。しかしアザトースが足元に潜り込んでいるせいで当たらない。振り回しても当たらないと気づいた機織りは最初と同じように糸を編み始める。


「...もーおそい」


何度も何度もアザトースが足を殴り続けたためついに足がへし折れ、機織りの体勢が大きく崩れる。地面に這いつくばるような姿勢になってもまだ糸を編むのをやめない機織りに対してアザトースはさらなる攻撃を仕掛ける。正面に回り込んで機織りの頭部を思い切り殴りつける。八つの眼球が潰れ、機織りは一層痛々しい鳴き声をあげる。アザトースが無視して幾度も幾度も殴りつけるとやがてその鳴き声は小さくなり、ついには聞こえなくなった。

追記 20000PVをついに突破しました!!これも読んでくださる皆様のおかげです。

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