↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最悪の邪神がログインしました。  作者: 歯車ぐるり
神は目覚め、種火は継がれた
16/168

『人でなし』のサダメ

 暗い大穴を落下していく二人だったが、その穴は思っていたよりは深くなかったため数秒も経たずに着地することになった。凄まじい轟音と共に着地したコウタとは対照的に、アザトースは自分の魔術でふわふわと降りてきた。コウタに魔術を使うのを忘れていたアザトースだったが、コウタがかっこいい姿勢で着地できたと喜んでいたためそのことは黙っておくことにした。大穴の中はほとんど前が見えないほどに暗く、不気味なほどに静かだった。コウタは大盾を背中に担ぎインベントリからランタンを取り出す。ランタンの灯りは暗い穴の中を照らしていく。


「道がありますね.....進みましょう。後ろをついてきてください」


「...うん」


 ランタンの光を頼りに、二人は大穴にある道を進んでいく。道は石を切り出されて作ったもので脇には鍾乳洞や石筍のようなものが生えている。モンスターがどこからか襲ってくるのではないかと周囲の警戒をしながら進んでいくと、やがて開けた場所に出た。薄ぼんやりとした照明で照らされた大広間で、中にはヒトが座るにはあまりにも大きすぎる空の玉座が4つ並んでいた。それら全ては奇妙な、地球上にある美術品とは全く異なる物理法則の中で作られたかのような、根源的かつ宇宙的な不安と恐怖を掻き立ててくる装飾がなされていた。コウタはその異質な空間に戦慄していたが、アザトースはなんとなく自宅を思い出していた。


「待ちわびたヨ。『人でなし』。オスカー程度を倒すのに随分とまぁ時間をかけたものだネ」


 ゲロゲロとカエルの鳴き声が聞こえたと同時に、どこからか不機嫌そうな、それでいて喜んでいるような複雑な感情が混ぜられた声が聞こえてくる。『人でなし』の二人が驚く暇もなく声の主は現われた。玉座の方からネットリと体にまとわりつくような気配がしたと思うと一番右の玉座の上に何者かが座っていた。玉座にふさわしく座っているものもまた異形だった。玉座からはみ出るほどの巨体はよく太っていて茶色の毛皮に覆われている。体から生えている二本の腕と二本の脚から伸びるかぎ爪はあり得ないような形にねじ曲がっていて見ただけで気分を悪くさせる。さらに特徴的なのはその顔で、ヒキガエルのような顔はアザトースとコウタが地上で散々殺してきた奴らに似ていたが、その細い亀裂のような赤い瞳と口から覗く不揃いな牙に宿る知性と残虐さは、地上のものどもとは全く格が違う存在だと伝えてきた。大いなる神の一柱を直接見てしまったコウタとアザトースの正気度が削られていく。しかしなぜか変身したオスカーの姿を見た時よりも減ってはいない。あちら側としてはアザトース達が発狂する事態は好ましくないのかもしれない。確かに殺意全開だったオスカーと比べて、ヒキガエル神は敵意や害意は薄いように思えた。さっきから漏れている嫌な気配も、格下の相手と接触する時に相手が正気を失わないよう自分の力を抑えている結果漏れているだけのように思えた。コウタは若干目の前の存在にビビっているようなので、とりあえずアザトースから話しかけた。


「...ここはどこ?あなたはだぁれ?」


「君は白痴かネ?多少なりとも頭が働くのならこの姿を見ればわかるとおもうのけどネ。まぁいいヨ、ボクはオグハ。大いなる神の一柱ダヨ。そしてここは祭祀場、大いなる同胞のアルデバラン、マルハウト、トゥルーの三柱を殺し、その魂を玉座に座らせるための場所サ」


 嫌味ったらしくアザトースの質問に全て答えると、オグハは玉座の上に寝転びながらニンマリと笑った。その直後、二人の脳内にレベルアップを知らせるものと同じ声が響き渡る。


『オスカーは倒れ、『人でなし』達は神殺しの使命を知ることとなった』


『シナリオ「ラストリゾート」が進行しました』

これにて一区切りがつきました。次回は幕間的なものになると思います。


追伸 7000PV突破しました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。