プロローグ ver boy
誰かに対して恋愛感情を持つことは、何もおかしいことじゃなくて普通のことだと思う。だけど、恋をした人間がアイドルだというだけでそれはいけないことのように扱われてしまう。それもそうだろう。だって、僕達アイドルはみんなに夢を売る仕事なのだから。僕はこのアイドルという立場にいる限りそういうこととは縁も持たないと思っていたのに、あの日僕は君に……
「流星!早くしないと置いてくぞ?」
「青空、早すぎるよ?まだ集合時間まで1時間以上あるのに」
「そうだけどさ!流星っていつも真面目なのに朝だけは弱いもんなぁ」
「だって眠いものは仕方ないでしょ?よく寝てるほうだとは思うんだけど」
「それはそう、まあ俺も寝てるとはいえ流星はほんと寝るの好きだしな」
「そうだね、寝ると色んなことを忘れていられるから」
「そっか!」
「うん。あ、僕も準備できたから行こうか」
「おっけ!楽しみだなぁ、今日のファイナル」
「そうだね、アリーナツアーのファイナルだもんね。全力で楽しもう!」
「もちろんだぜ!」
僕、四条 流星は同じ学校に通う親友の二科 青空と一緒にさいたまスーパーアリーナへと向かっていました。
なんで僕達がそんな所へと向かっているかというと、僕達2人はアイドルグループ「スターズ」のメンバーとしてそこでツアーのファイナルを行うからです。なので、僕達は土曜日にも関わらず朝早い時間から外に出ていました。
そして、僕達は会場であるさいたまスーパーアリーナに着きました。
「やっぱりここは大きいな!流星」
「そうだね、青空。色々回ってきたけどここはその中でも大きいよね」
「だよな!!……俺さ?」
「なに?」
「ジュニアの頃はさ、もちろん目標にもしてたし頑張ってもいたけどこんな広い会場で自分がライブをできる日が来るとかさ、思ってもなかったんだ」
「……青空」
「ここに立てるのもさ、もちろん太陽だったり天のおかげでもあるけどさ。1番は流星のおかげだと思ってる」
「青空、僕だってここにこうしていられるのは青空がいてくれたからだと思ってるよ」
こうして僕達は会場に入ったのでした。そして僕はここで1つの出会いをすることになるのです。
この作品は、僕の推しが僕推しだった件の別主人公版ルート作品となります。時間軸は同じですが、スターズの中の流星と青空側にスポットを当てたバージョンになるので、推し×推しの時間軸の時のこの2人の日常ということでお楽しみいただければと思っております。
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