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08

「そもそも場所がありませんから」

「そんなのその辺に、勝手に」

 あいている所はたくさんある。所狭しと家や建物が建っているわけではない。私の言葉にマークは諭すように言う。

「よく考えてください、ここにはすでに国があります、そこに国を作ったなんて言い出しても、最初は相手にされないかもしれませんが、大きくなれば国も無視できなくなります、実力行使で排除されるでしょう、そしてそれに文句を言えません、その場合、国の方が正当なんですから」

「むむむ」

 よく考えればそうだった。家の敷地で何してんだって言われて、無理やり排除される。当たり前だ。勝手な事してるのはこっちで、文句言うのはお門違い。

「じゃあ、そもそも国を作るのって、無理じゃない?」

「無理ですね、人を集めるのは可能性があっても、土地が、それこそどこの国も領地にしていない空白の地でもなけれ……ば……」

 突然、尻すぼみになって、マークが両手で自分の口を押さえる。何だろう。私は疑問に思い。マークの顔を覗き込む。

「まぁ、どこかで二人でひっそり、のんびり暮らしましょう、ね!」

 無駄に明るく振舞うマークに私はさらに疑惑を深める。何か聞き逃したことは無いか。私はマークの言葉を思い出す。人を集めるのは可能性がある。どこの国も領地としていない……。

「あっ! あるじゃない! 空白の地! 誰の土地でもない場所!」

「あそこはダメです!」

 マークがすぐさま否定の言葉を飛ばす。あそこは危険な場所と言われている。危険だからこそ捨てられた土地。マークはそこを思いつて、ごまかそうとした。私がその場所に気付いたら、そこを自分たちの国にすると言い出すに決まっているから。そう決まっているのだ。

「あそこを私たちの国にしましょう、誰の土地でもないから好きにしていいわよね!」

「考え直してください! あそこはダメです、危険すぎます」

 マークは私の方に体を向けて、私の両肩を掴んで懇願する様に言った。

「分かっているでしょう、危険だから、どの国からも、あの土地は見捨てられ、放棄されているのですよ」

「勝算はあるわよ、ちゃんと」

 私は不敵に笑う。それを見たマークがそれでも諦めないといった様子で、説得を試みてくる。

「誰の土地でもないといましたね? でもあそこは……あそこの土地の主は」

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