第1話
今日は、学校は欠席して朝から大切な人のところ行く。
だから早く起きたつもりだった。
「ほらぁ、早く起きなさい。夢香。海子。」
「はーい。」
「夢香は起きたわね。海子。」
「おばさん私は起きてるよぉ。」
「おきてなぁい!」
歯磨きと洗顔をしてリビングでご飯を食べて、
必要なものをリュックに詰めて車に乗せにいった。
「二人も起きてたんだ。」
「おぉ、海子、夢香。」
「当たり前よ。」
この家の娘でもある花苗夢香である。
自分がお世話になっている家の子である。
先に車に荷物を積んでいたのは八神美空。
私と同じで夢香の家に育てられている女子である。
向こうにいる金髪の一見ヤンキーっぽいこいつは大地康太。
このグループのリーダみたいな見た目に寄らず優しくて頼れるやつである。
その横で寝ぼけ顔でこちらを見てるのは相野隆晴。
そっちの家の息子で、なんだかんだで頼りがいのあるような男である。
そして、私が広野海子。
今から向かうのは静岡県の御前崎市である。
そこで私たちの家族のお墓参りをするのが毎年の恒例行事である。
車を走らせて3時間。御前崎の灯台についた。
「お母さん、お父さん、海子です。今年もつれてきてもらいました。」
12年前、私たちの親は旅行に行ったきり戻ってこなかった。
「行ってくる」といって戻ってきたときには二人は口が開かなかった。
子供なのでまったく理解できていなかった。
理解できたのは一緒にいた夢香や隆晴の両親が泣いていたからだろう。
枯れかけてしまっている花を差し替えて手を合わせた。
そのあと、康太と美空と目を合わせて後ろに振り返った。
「おじさんたち、今年も親父たちにあわせてくれてありがとうございました。」
そう、言ったのは康太であった。
私も一緒にお辞儀をした。
「いいのよ、これは私たちの役目でもあるのだし。」
「そうだよ。私たちも今年もこれてよかったわよ。」
「そういっていただけて助かります。ありがとな。隆晴、夢香。」
「あぁ。」「うん。」
いつも一緒にバカ騒ぎをしているメンバーだったがこればかりは違う雰囲気だった。
「さて、そろそろ帰る準備でもするかな。」
「そうだな、じゃあ、親父、おふくろ帰るからな・・・。」
「じゃあね。また来るね。お父さん、お母さん。」
終わってからすぐに私は寝てしまった。
起きたころには家についていた。
帰った後に夢香たちと話していた。
「今日は会えてよかったね。」
「うん。わたしたちこそありがとうね。」
「いいんだよ。」
「そういってくれると嬉しい。」
「じゃあ、明日も学校だしねようか。」
「そうだね。じゃあ、お休み。」
「おやすみ~。」
明日からはいつものわたしだ。