表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

徒労

作者: 百鬼

 適当適当なんて言うけど、適当とは案外難しいものだ。それが最適だから適当なんだろう、少なくともその人にとっては。行う人によって程度ややり方など細かく見ていくと千差万別。あの人にはあの人のやり方があるし、その人にはその人のやり方がある。一人一人を尊重するのは大事だけど、組織としてまとまりを持たせるには方法を一元化した方が良い、効率的になる。でも効率ばかり重要視して個性を蔑ろにすればそれはそれで構成員間の組織に対する不忠とかなんやかんやと問題が発生することになりかねない。まあ構成員は組織の奴隷であるわけではないから忠誠なんて要らないのかもしれないけど。これからの時代は、なんて声高く宣言する人たちは、人間の不変性を知らない。実は人間は、原始の時代からおおもとの仕組みは変わっていない。狩猟が労働に変わっただけで、持ち物が変わっただけでそれを操る人間は変わっていない。少なくとも、人間は表向き服を着ているだけで、家の中では違ったりする。誰も見ていないところでは、悪戯をしようとする人もいる。小人閑居して不善を為す、なんて、昔の人は言ってるけど、今でもその言葉、格言は残ってるけど、言い得て妙だ。人口がとても多いし、知らないだけで心に闇を抱えその闇を伝染させようとしている人もいる。生まれた時はまっさらなのに。今ここで性善説を説く気は無いが、生まれた時は、人はまっさらだったのだ、あの人もこの人も。それが生きていくにつれて、だんだんと澱んでいってしまい、とんでもない悪事を働くようになる人もいる。人それぞれ、と言えばそれまでだが、そうやすやすと一言では済まさないように社会がなって欲しいなあ。色々な事情があってそうなってしまったのだから、その事情を詳らかにして、もう起こらないように共有したらいいのに。そうだな、事情が多過ぎて一つ一つを見ている時間も余裕も無いのかもしれないね。高潔に生きるには、精神をすり減らさなければならないが、人間の生き方に高潔も何もあるのかい? いわゆる高潔な生き方をしていると言われる人も、一皮剥けばそう大して高潔でなかったりもするに違いない。人間は多面性の生き物だ。色んな顔を持っている。ある人は、一番怖いのは人間なんだと言っていた。そうかもしれない。本音と建前。上手く使い分けた者が生き残る。生き残りたいが、世渡り上手なわけでもない。砂を噛みつつ、できることに邁進する、以外に無いのか。未熟さに胸が詰まる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ