四皇帝 ウォルキュレラ
「で?この後はどうすんだい?川上が消えちまってから、また怪しげな空に変わっちまったよ」スターシャは空を見上げて言った。
「この後はタイガーストリーム内に入る為の迷宮魔城に入る。その為の鍵が必要なんだ」リューショーの説明に、冷静なフィリップスが少し興奮して口を挟んだ。
「迷宮に入る為の鍵だって!フン、バカげてるね。迷宮自体がボク達の足止めをする工夫が凝らされてるんだろ?なのにそこに入る為の鍵ってどこにあるってんだい」フィリップスはクセで髪を掻き上げた。
「フィリップス、お前の言いてぇ事は分かる。オレ達はゲームユーザーの事を考えて、色んな工夫を凝らして、難易度を上げる事で面白さを追求してんだ。それがまさか自分の命を賭けてプレーする事になるなんて想定してねぇよ」元はゲームクリエーターであるヘイグが説明っぽく話した。
「そう言う事だ。その鍵も、この町の奥にある、迷いの森に入って一番奥の祠まで行って取りに行かなきゃいけない。しかもそこでも四皇帝の一人、ウォルキュレラとの戦いが待っている。しかも設定も先っきの有り様だ。ウォルキュレラとの戦い以外にも何が待ってるか分からない」リューショーの説明に、流石のフィリップスもスターシャも固唾を飲んで聞いていた。
「とりあえず先生のお陰で全員がHPもMPも満タン状態になった。ガイスト・メディシンもまだ25個残っている。出来れば鍵を手に入れ、迷宮魔城を抜けてタイガーストリームの入口まで行ってからブレイブ・エン・ズラックを使いたいと思ってる。皆んな、ついて来てくれるか?」リューショーの言葉を受け、三人はお互いの顔を見合わせて "コクッ" と頷いた。
こうして一行はロスト・フォレストに入って行った。もちろん森の中も一行の行く手を阻むべくグラディエーター・レベル8からその上の敵兵デューク、更にその上のターミネーター・レベル3までが現れた。リューショー達はガイスト・メディシンがある安心感もあり、全力で戦う事が出来た。そして安心感からか、ヘイグの攻撃によるクリティカルが連発した事により、思いの外スムーズに通り抜け、遂に祠の前まで辿り着いた。
「さぁ、森野、どう出て来やがるんでぃ」調子の良いヘイグが自信ありげに辺りを見回した。
「クックックッ、私は鍵の番人、四皇帝が一人、ウォルキュレラだ!鍵は渡しはしないよ」突如、現れたウォルキュレラにフィリップスとスターシャはただならぬ雰囲気を感じ取った。しかし、リューショーとヘイグはお互いに顔を見合わせて、ニヤリと笑った。
「二人とも、心配はいらない。この登場のしかた、この台詞、森野のデータの書き換えは間に合っていない。少なくとも、ここは書き換えられていない。全力を出さずとも、普通に戦っても充分に勝てる」リューショーの言葉にフィリップスもスターシャもやる気を出した。
「行くよ!アイス・トルネード」スターシャの氷系呪文が炸裂した。
「ぬぬ、小癪な、サンダー・ボルテージ」ウォルキュレラの雷系呪文がリューショー達を襲った。
「クッ、ウィンド・ストライク」"スババッ" 上手い具合にヘイグのクリティカルヒットが出た。
「ヨシ、最後はオレが決める!ダイヤモンド・スラッシュ」リューショーのダイヤモンドソードを使った剣技が炸裂し、倒れるかと思われたが、ウォルキュレラはなんとか立っていた。
「フッ、ボクの出番はないのかと思ったよ。とどめはボクさ。ダイヤモンドアロー」フィリップスの弓矢がウォルキュレラの心臓を貫いた。ウォルキュレラは力なく倒れ、消滅した。
「ウォッシャー!やはりオレ様のクリティカルヒットが決め手だぜぇ」ヘイグは吠えた。
「フッ、決めたのはボクだがね」フィリップスがクールに返した。
「何言ってんだい?敵より先に攻撃したのはアタシだけだよ」スターシャが二人を窘めるように言った。
「まぁまぁ、何はともあれ、取り越し苦労で良かったよ。さぁ、鍵を手に入れて一旦クラウドタウンに戻ろう」リューショー達一行は森を抜け、再びクラウドタウンに戻って行った。




