表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/10

存在の歪み

みなさん。こんばんはそしておはようございます。

作者の代弁者の紫乃宮綺羅々でぇ~す!

おっと、わかってると思うけどここは前書きだからね

本編を読みたい場合はサクっと飛ばしてね。


いや~暑くて熱い! 風も熱風だね!

暑くて外出たくないったらないね!

さて、今回で連続投稿で今回のお話である

「世界の終わりに誕生を」が完結でっす!


では、二話連続でお楽しみください。それではっ!

 その考えに至った。死の体験をして『死に進み』が起こるなら死の体験を『死に戻り』にすればいい。ならどうすればいい? どうすれば戻れる。だけど戻っただけじゃダメだ。戻って世界変換プログラムを起動させない方法も考えなければならない。あの世界変換プログラムのことを思い出す。鮮明に最初から。そしてひとつの仮説が生まれた。


『神の存在を確認中』


 あの長いアクセス時間。もし本当に神を確認していたら? もし仮にあの時に『神がいたら』どうなっていた? 神がいたらあのプログラムは起動しないかも知れない。そしてもうひとつの裏付けがあった。世界変換プログラムが起動したという事は……俺の世界の不老不死である創造主がなんらかの方法で死んだと言うことだ。だから俺の世界には創造神はいなかった。だから起動した。じゃあ、もしあの時に『創造神がいたら?』


 選定された時点で、すでに俺はすでに神になっているなら……あの時、あの分岐点でもし『もうひとり』の創造神が存在したら?


 藁を持つかむような空論。そして俺は最悪な事を考えてしまう。


 俺が『死の体験』時に発動する強制的に時を進めるための強大なエネルギーこれを利用する。でも足りない。時を戻すためにはまだ足りない。


 そして俺は悪魔のような事を思いつく。それは……


 この世界のすべてを殺して永遠に終わらせる。『消滅』させる。そしてそれによる膨大な『生命と消滅』のエネルギー。


 全ての生命の消滅するエネルギー。そして世界を殺すことによる消滅のエネルギー……これらのふたつの強大なエネルギーで時空間に矛盾を生みだし、歪みを発生させる。今の世界に命があるから死に進む。なら進化せる先が……命がなければ進化なんてできないはず。


 そして、ランダムの選択先を絞り込むため。


 イカれた考えが正解なら……『命が存在した世界』までの歪みができるはずだ。そこに勇者を放り込めばいい……あの時、あの分岐点まで戻る歪みの中へ……神になった勇者ならたどり着けるはずだ。


「どうしたんだ? 俺を殺さないと世界は救済できないぞ? この世界が嫌いなんだろ? 正したいんだろ? いつでもいいよ。その剣には俺を殺す効果がある唯一無二の剣。ここをひと刺しで済む」


 左手の親指を左胸に突き立てノックする。本当は神殺しの深淵もあるけどな。


「ううっ……ううっ……ぐすっ」


 目頭からたまった涙が何本もの滝になって流れる。顔もぐしゃぐしゃだ。鼻水まで垂らしている。だけど不思議とカワイイと思ってしまう自分がいるんだよなぁ……


「さあ、やれ!」

「ううっ……ううっ……ご、ごめんなさい!」


 剣先を向け一目散に走ってくる。謝らなくていいそうだ。それでいい。


「ぐっ……」

「ううっ……」


 鈍い音が吹き込んでくる。その瞬間、腹から痛みと暖かい赤い……大量の液体が蛇口の水のように流れ落ちる、腹部への一刺し。苦痛で顔が歪んでいるのがわかる。まったく……心臓だって示したろ……でも


「これで……『発動する』」

 そうだ。この日のために……この時、この瞬間のために準備をしてきたんだ……この日を願っていたんだ。


「ううっ……」

「すまないね……俺はウソを突いていた」

「えっ……」

「今のその剣では俺は死なない。死ぬのは……この世界すべて……世界そのものだ……」

「そ、そんな……」

「その剣には……ぐっ……細工をしてある……俺が死の体験をすると発動する世界が滅ぶ呪いだ」


 世界の滅亡なんてものじゃない。世界そのものを殺す……命の冒涜の魔具。世界の滅亡(リセット)すら起動させない狂った呪いだ……イカれた魔術具だ。


 それは世界の破棄(アンインストール)。この世界と命を一瞬で根絶やしにする俺が造った最低最悪の魔術具……神である俺でしか奏でることの出来ない死の旋律(のろい)


「あ……あ……」


 ショックでへたりと力なく座り込む勇者。ぼうっと……している勇者に続けないといけない。


「聞け……」

 もうこの空間以外の命はない。すべて消去される……


「……」

「聞けよ……聞け! 勇者ソニア!」

「あう……!」


 ソニアは顔を上げ俺を見る。


「君はこれから俺に代わり神になる。世界を創造できる力を持った神にだ。だけど……」


「ううっ……」

「だけど……俺にこんな世界を作らせないでくれ……」


 世界が色が無くなっていく……白化していく……消滅するんだ。


「くっ……ソニア、君は過去に行くんだ……過去に行って……俺を探せ……俺に会って言って……くれ」

「あ、ううっ……」

「今度こそ……誰もが幸せになる世界をお前が作れって……君と一緒に……と。行け」


「あう……ううっ……」


「もうこの世界にいるのは俺と君だけだ……もうすぐ俺は神ではなくなる。この世界と一緒に死ぬからな……」


 これで最後になるであろう創造の力を振るう。


 道具名:神を拒む者。効果:創造神の全てを否定し無効化する。


 最後の創造をして俺は『それ』をソニアに託す。


 選択のランダム先はすでにひとりだけ。目の前の勇者にしか選択権はない……だからこそできる芸当。だからことできる創造。


「それは創造神の全てを否定する腕輪(リング)……だ」

「そう……ぞうしん……?」

 放心状態のソニアは無意識で差し出された『道具』をなんの疑問も持たずに受け取った。


「ああ……うっ……!」


 俺の死が先か……世界が死ぬのが先か……もう、どっちにしても時間がない……


「よく聞いて……腕輪(それ)を手首にはめれば君は『人間』として生きることができる……ただしはめられるのは二年後で一度きりだ……一度でもはめたら君はもう神ではなく人間として生きる事となる」

「な……にを……言って……」

「言ったろ。君はもうすぐ『神』になるって」


 これが俺に出来る……旅立つ君に贈れる『救済』だ……


「ううっ……ううっ……」

「すまないね……やっかいごとを押しつけて……二年だけ……神さまでいてくれ」


 傷の急速回復が切れた……か……俺はもう……


「さあ、行ってくれ……君はもう『神』のはずだから……」

「えっ……」


 震える手で腰に携えた『布の袋』からカードを取り出す。


 そして、そのカードを白化していく何もない空間へと落とす。


「次元の狭間の扉……よ」

 俺の呼びかけに応えて、カードの中心から光が上下垂直に伸び、そこから扉のように空間が開く。ああ、いいぞ……想像とおりだ……


「さあ、行け。後はカードが導いてくれる」

 過去の座標はわかっている。あのカードに座標を追跡する機能を前もって創造している。


 優しく勇者の肩を押して空間へと落とす。ソニアはゆっくりと次元の狭間へと落ちていった。


「ぐっ……はぅう!」


 ソニアが旅立ったのを見届け腹部の剣を引き抜く。


「ああ、こんなに血が流れるなんて……」

 今……俺は生への喜びを噛みしめている。そして死への願望へと向かうことを恐れているのかも知れない。


咎神を滅する剣(アニマ)すまないね……つき合わせて」

(気にするな)

「じゃあ、一緒に死んでくれ」

(ああ)


 俺の言葉に反応したのか、咎神を滅する剣(アニマ)にアンインストール中57%と表示された空中に漂うウィンドウが現れる。


「あの時みたいだな……」

 でも違うのはインストール中ではなく、『アンインストール中』だって事だ。


 終わる。この世界は終わる。アンインストールが100%になったら確実に終わる。


続く

こんばんは、間宮冬弥です。

まずは、この稚拙な作品を最後まで読んで頂きましてありがとうございます。


次の第10話で完結となります。

引き続きお楽しみいただければと思います。


それでは、最終話をお楽しみください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=997196868&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ