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消える世界

こんばんは、間宮冬弥です。

まずは、この稚拙な作品を見つけて頂きまして本当にありがとうございます。


いつも前書きを任せている僕の代弁者はあとがきを任せました。

なんでかっていうと…まあ、あとがきをお読みください。


今回のお話で完結です。

最後まで付き合いしていただきましてありがとうございました。


次回作ですが、何を書くかはまだ未定となっています。

新作が投稿されましたらまた、読んで頂きたいです。


それでは、最終話をどうぞ!

 ああ、長かった。永かったな……もう何万年だ……わからないくらい俺は生きた……飽きるほどに終わりゆく世界を見てきた。繰り返される滅亡と再生を幾度と無く。何度でも。そして何度も死んだ。


 気づけば俺の周りはアンインストールウインドウだらけだ。上にも下にも、左も右も。どこもかしこもアンインストール中だ。ゆっくりとアンインストールのステータスバーは進み、進行度も表すパーセンテージも比例して増えていく。


「86%……」

 もうすぐか……


「これも見るのも久しぶりだな。何万年ぶりだ……」

 100%に近づくにつれて、溢れ出てくる0と1の光る数字。0と1はまるで砂時計のように下方に流れていく。あの時みたいに飛び立ったりはしない。ああ、これはこれで綺麗だなって思うってしまう。どこか他人事だ。死ぬというのに……


「……」

 俺の指先が形成を保てなくなりとうとう0と1が崩れ落ち始める。


「なぁ咎神を滅する剣(アニマ)俺は間違っていたのかな?」

(何がだ?)

「俺が作ったこの世界を殺して……俺が作った世界の生命を全て殺して……お前を殺して……この世界を無かったことにする……世界と生命を犠牲にしてすべてを勇者に託す……歪んだ考えだったかな?」

(私にはわからなんが……お前が作ったんだろこの世界は? 神なんだろお前は? ならどうしようとお前の自由じゃないのか?)

「そうなのかな……だけど思ってしまうんだ、どうしても。もっとほかにいい方法があったんじゃないのかって。ソニアにつらい思いをさせない方法があったんじゃないかって」

(何万年も答えを求めて彷徨ったのだろう? これがその答えなんだろ? そうなら自分の考えを受け入れろ)

「厳しいね……お前を殺して過去を変える……口にしたらなんてお粗末な言葉だ」

(心残りでもあるのか?)

「心残りか……そうだな」

 心残りがあるとするなら……


「ソニアの笑顔を見られないことかな……」

 一度も見たこともないソニアの笑顔。いつも俺のところに来るときは泣き出しそうで……それでいて……決意がある顔だった。泣き出しそうな顔と……泣いている顔しか俺は知らない。


 今になってどんな笑顔か思い描く。


 きっと、かわいいんだろうな。

 きっと、まぶしくていつまでも見ていられる笑顔なんだろうな。

 きっと、昔の……俺だったらドキドキしてしまうくらい魅力的で超カワイイ笑顔なんだろうな……


 ソニアが普通に過ごしていたら……きっと、幸せな人生だろうな……


咎神を滅する剣(アニマ)?」

 静かにしている咎神を滅する剣(アニマ)に声をかける


「……ひでぇな、先に行くなよ……」

 すでに100%を迎えたのか咎神を滅する剣(アニマ)は無くなっていた。


「俺は無力だ……」

命を(コワ)すことは出来ても、命を創造(つく)ることはできない…… 命を創造する武器も、道具も、種族も創造(つく)れなかった


 この白だけの世界はいまや俺ひとり。誰にも見送られることなく俺は消える。未練はないけど……


「悔しいな……」

 自分で世界を正せなかったことが悔しい。こんな形になってしまった事が悔しい。そして過去に自分に託すことが悔しい。俺は何も出来なかった。俺は無力で弱者で脆弱な神だった。


「世界を……幸福にしてくれ……未来を頼んだぞ、過去(おれ)。そして……勇者」


 白い空間が黒に染まる。


 ああ、もう何もない空白の……虚無の空間。ただそこに存在し意味のないブランクデータだけの何もない空。からっぽの境界すらない境界。


 消えゆく世界にこの言葉を残そう。きっと誰も見つけることも聞くこともないけど。思いだけを……祈りだけは残そう。



「世界の終わりに誕生を……」


 世界が終わり、そしていつの日か誕生を願って。


 そして、全ての0と1が無くなった。



 世界の終わりに誕生を 完


 



 ◆おまけ『君とはじめる物語』




 眠気が襲う登校途中。昨日はあまり眠れなかった。


「なんだったんだあれ?」

 ネットサーフィン途中で見つけた変なサイト。『世界変換プログラム』そのネットのツクレール系のゲームだろうが起動途中にやたらと長いPCアクセスが始まり、終わったと思ったら『神の存在を確認しました。プログラムを強制停止します』って表示されてそれ以降、世界変換プログラムは起動しなくなってしまった。いくらやってもエラーが出て起動できない。


 だからもうやめた。


「結局なんだったんだ?」

 気晴らしにならなかったので、一度終了させたゲームを起動してしまった。そのためにすこぶる寝不足だ。


 それとわからない事ももうひとつ。変なメールが一通。文字化けでまったく読めないメール。宛先は『Yggdrasil』英語はまったく読めないが調べたら『ユグドラシル』と読むらしい。だけどそんなアドレスは俺は知らないし、そんなメアドの知り合いもいない。


「ん?」


 通学路の広い車道。住宅街のこの辺は平日の午前八時は速度規制がかかり車の走行速度は制限のかかるこの広い車道で、スマホをポケットにしまいなにげに前を見ると、制服を着たいかにも警察官って人が電柱にいた。その近くにはパトカーもある。


 もうひとりはパトカーの中でトランシーバーを持ち無線でのやりとりをしている。


 電柱に隠れて見えないけどどうやら誰かを職務質問をしているらしい。


「……えっ?! はぁ!? 平日にコスプレか?」

 驚愕した。職務質問をされている女の子に格好に俺は、ただ、ただ目を奪われていた。


 まるでRPGゲームのような鎧を着ている格好の女の子長い翠色の髪が太陽に光で綺麗に光っている。でも、正直コスプレのような安っぽい感じはしない。何というか……本格的なちゃんとした鎧って感じだ。装飾もかなりしっかりと彫り込んであるしなにより……なんか神々しい感じがすごい。


 通り過ぎようとするとそのコスプレ少女と目が合う。


「へっ!?」

 そのコスプレ娘は一目散にこっちに……正確には俺に向かい一目散に駆けてくる。


「ちょっ、えっ、えっ!? 待っ! ごふっ!」

 まるでイノシシのように直進し、そのまま俺に思いっきり抱きついてきた。


 肩当てが俺の腹部を直撃し、朝飯が逆流してきそうになるのをなんとか堪えて、膝から崩れ落ちる。


「痛たた……なんだよ、急に……」

「+\%*……+\%*……」

 その女の子は……涙を浮かべて涙を流しながら一心に俺を見つめている。


「えっと……」

「@\:#$&\:*{$%&|]?」

「へっ?」


 何語これ? 何言ってるかさっぱりなんだけど……?


「@\:#$&\:*{$%&|]?」

「……えっと」

「@\:#$&\:*{$%&|]?」

「う、う~ん……」


 何度聞いてもさっぱわからん。その前にこの言葉は何語だ? 英語でもないし、韓国語でも中国語でもない。フランス語やイタリア語とも違うような気がするし……インドとかタイ方面? でも見た目はフランスの女の子って感じがするし……


「@\:#$&\:*{$%&|]?」

「お、おう……」

 わからん! お手上げ状態に陥るほどに言葉がさっぱりだ!


「君、その子の知り合い?」

 電柱にいた警察官が小走りに駆け、俺に話しかけてくる。


「えっと……知り合い……」

 コスプレの子をみる。その子は今にでも泣き出しそうで、それから、助けて下さいと、顔を横に何度も振って……顔に書いてあるように俺に助けを求めているように感じた。


 なんだろう……俺はこの子の悲しそうな顔を……知っているような気がする。


「知り合いです……父の同僚の娘さんでハーフなんですよ。なので日本語がまだおぼつかなくて。今日午後に来る予定だったんですけど……もう来てたんだね。早く着いたのかな?……あはは」

 言ってしまった……なんだかわからないけど……この子をかばってしまった……放っておけなかった。


「……その格好で?」

「えっと……この子は、その……日本のアニメやゲームがとても好きで……その、コスプレのイベント用に試し着ってやつですかね?……イベントは週末なんですよね。我慢できなかったのかな?……あはは、気が早いぞこの」

 警察官の疑いの目を逸らすために、女の子の頭を軽くペチペチをはたく。


「……」

 それでも疑いの目を向けてくる警察官。ううっ視線が痛い。どうしよう任意同行とかされたら……


「その子の名前は?」

「な、名前ですかぁ!?」

「今日来る予定だったんでしょ? なら名前くらいは聞いてるよね?」

「あはは。名前はぁ……えっとぉ確かぁ……」

 女の子の顔を見る。口を真一文字に結んでじっと俺をみている。この状況で『名前なんだっけ?』と聞いたら警察官がますます疑いを深める。何もしてないけど警察署に連れて行かれるかも知れない。


 だけど、仮に聞いても言葉がわからないんじゃ……どうしようもない……どうする! どうしょう! どうすればいい!?


「確かスマホに忘れないように名前を送ってもらったんですよね……ちょっと待って下さいね……」


 スマホをポケットから取り出し、コネクトを起動させる。もちろん名前なんて打っていない。これは時間稼ぎだ。でも、稼いだところで解決策なんてそうそう思いつくものじゃないけど。


「えっと……」

 だめだ! 何も思いつかない……


「えっ……」

 もう正直に話そうと思ったとき。コネクトにメッセージが届いた。


 『ソニアです』とメッセージ。誰が送ったのかわからない。いや、むしろソニアなんて人は友達登録なんてしていない。


「ソ、ソニアです」

 目の前の警官に俺はその名前を口にしてしまう。


「ソニア? その子の名前ソニアって言うの?」

「そ、そうだよね? ソニアちゃん」

 未だに抱きついている女の子に俺は名前であろう単語を発した。


 それに感づいたのか首を縦に何度も振った。ホントにわかっているのかはなはだ疑問だけど頷いてくれたのは好都合だった。


「ほら、見て下さい」

 信じてもらえるようスマホ画面を警察官に見せる。

「なるほど。OK、わかった。じゃあ、しっかりと家まで送っていってね」

 スマホの画面に『ソニア』と打ってあるのを確認すると、警察官はやっと納得してくれた。


「あ、はい」

 そういうと警察官はパトカーに乗り込みサイレンも鳴らさずにゆっくりと走り出していった。


「ふっ……なんとかなったか……えっと……ソニアちゃん?」

 俺がそういうとソニアという女の子は俺のスマホを指さす。


 指を刺されたスマホをみると、今度は俺がメッセージを送っていた。


「はぁ!?」

 驚きスマホ画面を凝視する。なんだこの文字……見たこと無いけど……こんな文字でメッセージを送った覚えなんてない。何が起こったかわからずに画面をじっと見ていたら、背後からひょこっと女の子が俺の胸の前で顔を着きだしてスマホ画面を見る。


 画面をしばらく見て、まるで、サイズを調べているのか自分の人差し指と親指を俺のスマホに当てている。


「な、なにしてんの?」

 俺が問いかけてもサイズを測っているのか、指を押いたまま動かない。


 そして、ひとつ頷くと何かを呟くとその女の子の手のひらに小さく光る透明なパネルが出てきていた。……大きさはちょうど俺が持っているスマホぐらいの大きさの光る厚板。


 今度はじっと見つめて、ひとつ呟くと今度は俺のスマホ画面に『そうです。わたしソニアです』とメッセージが届いていた。


「なにがどうなって……」

 この言葉もメッセージが作成されて、自動でメッセージが送信されていく。



 そして女の子はじっと光るパネルを見て何か言うと『その小さい光る石版の中にわたしが創造(つく)った自動翻訳書を入れました』と新着メッセージが届く。


「自動翻訳書?」

 スマホ画面には見たこともない文字が勝手に打たれて送信されて『そうです』と新着メッセージが返ってくる。


「……」

 つまり、このメッセージは俺の言葉をこの女の子が読める字に変換して送信。そして送られたメッセージは目の前の女の子に届き、それを読んで俺が読める文字に変換して返信してるってことか? しかも音声認識で。


「なんじゃそりゃ!」

 そう叫ぶと『なんじゃそりゃ?』と返信メッセージが届く。


「えっと……」

 原理はわからないけど……どうやらこの翻訳機能は目の前の女の子が作ったらしい……いやいやこんな短時間で!? どうやって!?


「この翻訳機は君が作ったの?」

 声にして切り出した。やっぱりコネクトの画面には読めない文字が打たれて勝手に送信していた。


 新着メッセージで『そうです』と返ってきた。


「……」

 どうやら本人曰く……作ったらしい。


 どうやって? と返そうとしたが間髪入れずに新着メッセージが届く。そのメッセージには……到底信じられない文面が打たれていた。正直、かなりやっかいな子だと思わざる得ないほどやっかいで……意味不明な文面だ。


 その文面は……『あなたは……神様ですか? それとも私が神様ですか?』だった。


 今まで思っていた疑問がすべて吹き飛び、代わりに頭が痛くなる……神? 俺が……意味がかわらない…… もしかしたら新手の宗教の勧誘かとも思った。




 どうしよう……逃げ出したい。これが今の俺の率直な感想だった。




 その後、俺とこの子は怒濤の三ヶ月を過ごして……そして二年後にソニアは『人間』となった。だけどそれは別の話だ。


 今は……この状況をどうするかだ……ううっ、逃げたい。



 おまけ 君とはじめる物語 完

みなさん。こんばんは、そしておはようございます。

作者の代弁者の紫乃宮綺羅々でぇ~す!


あとがきでの登場でびっくりした? びっくりした??


さて、私がこのあとがきに出てきたのはもちろん理由があります。


それは、物語前半に出てきた「文字化けしたメール」の

全文を公開するためでっす!

間宮冬弥さくしゃが公開してって言ってきたので公開しまっす!


結局意味の分からなかった文字化けのメールはなんだったのかも

追及しちゃうぞっ!


メール全文///////////////////////////////////////////


これを読めるということは成功したと考えていいな。だから言おう。

お前が起動しようとしていた世界変換プログラムは、設定した世界がそのまま実在の

世界として今の世界に上書きされる最悪のプログラムだ。

 だが、すでにお前は『適合者』して選ばれている。神となってしまっている。

だからプログラムの起動を阻止するために

『神になった勇者』をその世界に存在させた。神さえいればそのプログラムは

起動しないはずだ。


 ……結局俺は誰もが平和になる世界を創造することは出来なかった。

だけど世界を変える前に戻す事はできた。

だから……今度はお前が誰もが幸せになる優しい世界を創造してくれ。

勇者ソニアと一緒に……それとソニアと頼む。


メール全文 終///////////////////////////////////////////



これがメール全文でっす!


で、なんで文字化けしていたのかを聞いたらね、

「それは、読めないところはユグドラシルの文字で書いてあるから」だって!

なんでそんなことしたのかって? それは「ソニアと一緒に読むため」だって!

なるほどね!


過去に戻る必要あったのとか? 戻った過去が創造神の知ってる過去じゃない可能性も

あるんじゃないの? とか聞いたら

「おふぅ…」とかいって冷や汗かいて困ってました。あはは!


まあ過去って考え方によって多世界解釈とかコペンハーゲン解釈とか色々あるからね

高卒の作者の頭じゃ難しいかな! あはは!


あ、あとついでに更新が止まっている「終焉の世界樹~」の続きは書いてるのって

聞いたら「ははは」って引きつった笑顔を浮かべていました。

これはまだまだ更新は無理そうだね!


では、次回作でお会いしましょう! それではっ!

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