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地球に携わってきた人々

地球に携わってきた人々 よん

作者: あむろぎ むと



地球ではいい経験をした。

皆が羨ましがる名声と富を得れたし、自分ではそれなりに友と呼べる者も多かった。


私は地球で王道とも言える人生を歩んできたと思うし、大成功を収めたと、地球の皆が言うように私もそう思っていた。




これが覆されたのはいつだったか



私は意気揚々と自分の元へと帰った。

すなわち地球で言う死を意味する。


帰るとそこには以前(といっても地球に入る前だが)の友やご先祖様、私をサポートしてくれた人々が迎えてくれた。


今日で言うドヤ顔を皆の前で披露して、さあ今までの実績を褒めてくれと言わんばかりにふんぞりかえる。


この態度をしたら地球にいた頃と同じように皆褒めてくれるだろうし、威厳があるといわれよう、という魂胆であった。



自分があれだけ成功を収めたのだから、成長してないはずがない。

以前なら霊格が高く全然敵わなかったやつも、今回は、権力と金という実力をもって、打ち負かす事ができるだろうと高を括る。



こう言う時こそ逆のことが起きるもので。



皆哀しそうな、呆れた表情も浮かべながら私を見た。


理解できなかった。


ご先祖様の1人が私に向かっていう。

君は酷い事をした。


人を切り捨てた。

人をいじめた。

金を搾取した。

欲望のまま散々ものを喰らい尽くして、

飽きたら容赦無くゴミ箱へといれた。




私は理解できなかった。ただ、侮辱されたのだということはわかった。こういう時、地球での私はどうしたか。

喧嘩を売るに限る。まず、啖呵を切り相手を怯ませるのだ。どんな言葉でもよい。そして、あとは拷問が得意なやつに任せる。私は直接手を下してないわけだ。それでも、自分が邪魔だと感じるものを一掃することは出来る。


これと同じことを、帰ってからもやったのだ。ご先祖様に向かって、である。以前なら敵わない。だが、今の自分はご先祖様より成長しているはずだから……




結果、私はボロボロにされた。

向こうは哀しそうな顔をしながら、容赦無く攻撃してきた。私は何もできなかった。こうして、あっけなく喧嘩は終わったのだ。ご先祖様の圧倒的パワーをこの身体で身をもって知った。


だが、理解が、できなかったのである。


私の何が酷いというのか。

そうしなければ自分が切り捨てられた。

そうしなければ自分がいじめられた。

そうしなければ自分が金を奪われる側だった。

そうしなければ……


なぜ、私がこんな目にあうのか。




私が泣いた時、皆は助けてくれなかった。

憐れみ、哀しそうな顔のままだ。


私をボコボコにしたご先祖様が言う。


お前はこれから地獄行きだ、と。









私は散々泣きじゃくった。地球で一つの人生を終えたにも関わらず、まるで自分の非を何一つ認めたがらない子供のように泣いた。

不条理さにあがいた。抵抗した。

いや、子供っぽくいうと駄々をこねた。


だがご先祖様は呆れたような顔で私を地獄へと送った。


もし、今世で邪魔者を排して富を手に入れた方がいたとしたら。地球から帰った時に、ご先祖様や、サポートしてくれた皆様に向かってスライディング土下座をかましましょう。


まだまだ人生長いですから、人助けしたり、募金したりすればなんとかなるか……お金を搾取した度合いにもよりますけど。

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