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小指と小指の誓い 上

作者: 桜巳

■ はじまりの詩


それは ある要のある世界にある

ある星の物語


星には 二人の守護者がいました

煌めく星粒の河を境に 星を見守る守護者

北と南に分かれ 二人の守護者が星を治めていました

違うところも 同じところももった二人は仲が良く

星を大切に 守り育てていました


ある時 星に 黒い尾を引く流星が落ちました

それは 地上の優れた種族を滅ぼしました

哀しみ 怒りを抱いた二人は 流星を壊そうとしました

ですが 流星は生きていたのです


二人の守護者たちと流星の戦いは とても熾烈なものでした

幾重にも重ねられた戦いは 両者の気力と力を奪いました

そして 二人の守護者は最後の力をあわせ 流星を砕いたのです

砕け散る流星は 煌めきながら地上に降り注ぎました

地上は また 息を吹き返しました

二人の守護者は 新しい地上の種族を守り育てることにしました


星は また 活き活きと躍動しました

そして 感謝の印に 二人の守護者の妃を産みました

百合のように美しく冷静な妃を 神である北の守護者に

菫のように愛らしく明るい妃を 魔王である南の守護者に

二人は星に感謝し 妃をとても愛しました


そして 同じ日の同じ時刻に 子どもを授かりました

神には男の子 魔王には女の子

子どもを愛し大切にする二人は 結婚させる約束をしました

それは 二人の守護者だけの約束でした



■ 小指と小指の約束


南の守護者の娘は おてんばなお姫様になりました

行ってはいけないと言われている 煌めく星粒の河を眺めるのが好きでした

煌めく星粒の河の砂は いくつもの形を模しました

それは お姫様の気持ちを明るくし 悩みを忘れさせました


菫のように愛らしく 明るく美しい魔王の妃

母のように可愛くないそばかすだらけの顔が お姫様の悩みでした

周囲の励ましも褒め言葉も 嘘だと決めつけていました

だから お姫様は誰の言葉も信じられませんでした

そんな お姫様だから 誰もいないこの場所が好きでした

けれど 煌めく星粒の河は とても危険なところです


突然 お姫様の体が浮き 悪い魔使いにつかまりました

彼らは 神を滅ぼしたいと考えている 怖い魔使いです

魔王と神を戦わせようと考える 根の暗い魔使いです

逃れようともがいたお姫様は 薬で意識を失いました


ほほの痛みに意識をとりもどしたお姫様

目に入ったのは 変わらない青空と 見たことのない少年でした

視線をはずすと 地面には先ほどの魔使いが 倒れていました

そう この見たことのない少年が助けてくれたのです

それが 少女と少年のはじめての出会いでした


二人とも 煌めく星粒の河が好きで 仲良くなりました

よくよくこの場所で会い 友達になりました

大切な 大切な 親友になりました

いつまでも一緒にいようと 小指と小指で約束をしました


ある日 二人は初めて 互いを知りました

二人の守護者が 自慢の子どもたちを引き合わせたのです

北のおすまし王子は とても強く冷静な少年

南のおてんば王女は 意志が強く情熱的な少女

驚きましたが 子どもたちはこの奇跡を とても喜びました

二人の守護者は喜んで 王子と王女に結婚の約束を話しました

王子と王女は いつまでも一緒にいる約束をしていました

だから これからも一緒にいる結婚の約束をしました



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