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ボク的セカイの歩き方  作者: 三毛猫
第五話「ボク的セカイの歩き方」
221/228

38、「名無しのあなた」

短めです。あとで加筆するかも?

「心臓に悪いんだけどっ!?」

 心臓がどっくんどっくんしてるしっ。

 前髪で完全に顔が隠れた、たぶん声からして女の子。しかもだいぶ小さい感じ。服もローブというか、擦り切れかけたワンピースみたいなのだし。

 ホラー映画から這い出してきました、えへへ!みたいなそんな恰好の女の子が、いきなりボクの服の裾を引っ張って来たのだ。悲鳴を上げてしまうのもしょうがないよねっ!?

 正直、なんでこんな存在感あるのに今の今まで気が付かなかったのか不思議なくらいだったんだけど。

 なぜか、ちょっと目をそらしただけで意識から抜け落ちるというか。……なんかステルス機能とかついてないこの子。

 よーく見ると、前髪で顔隠れてるけど普通に生きた人間だということはわかるんだけど。

 うーん。

「……なぜかみんな、ぼくのことなかなか気が付いてくれない」

「なんかその子、妙に影薄いのよね。一度ピントが合うというか、波長が合う?と、ちゃんと認識できるんだけどさぁ」

 美少女を見ると不埒な振る舞いをするイズミちゃんが大人しいところをみると、流石にホラー少女に手を出そうとするほど無節操ではなかったようだ。

「えっと。ボクはアユム。こっちはファナちゃん。で、向こうがシェラちゃんで、この妖精さんがイェーラちゃんね。君のお名前は?」

「わかんない」

「え?」

「えっとね。気が付いたら、ここに居た。誰に話しかけても、なんか同じことしか言わないか、無視されて。ネットで調べてみたら、えるあーるおー?っていうゲームみたいで。現役プレイヤーが案内してくれるって話だったのにって、スマホで掲示板に愚痴つぶやいたら、イズミちゃんが酒場においでって」

「あー」

 これもしかして。自称神様案件なんじゃ……?

 本来の意味での”魂の煉獄エリア”に来るべきして来た感じだったり?

 なんか微妙に言動が支離滅裂というか、記憶があいまいだったり、ゲームにログインしてきたわけじゃあなくって。その、ごにょごにょでいきなりここに来ちゃった感じ?

 シスタブじゃなくってスマホ持ってるって。これ冒険用のプレイアバターまだ作ってないみたいだし、プライベートルームも通らずにいきなりここに来たのかな。

「なに? この子がどーかしたの?」

 イズミちゃんが首かしげてるけど。

「んーん。何でもない」

 ……名前もわからないこの子の前で口にはできないしね。

 LROに参加する前に、命を失ってしまった人が。ちょっとだけLROに触れる機会を得るというのは。

 今はもう、”魂の煉獄”エリアのことは知らないし、関わってないとか言ってたけど。ここの元々の仕様って、あの自称神様が決めたんだったはず。

 何か連絡取る方法はないのかな。いつも突然、向こうの方から来るしなー。

 とりあえずシスタブを開いて、シス子ちゃんに自称神様と連絡が取れないか聞いて見る。

 すると。

『あ。アユムちゃん丁度良かった。いつもの掲示板にね、なんか自動で捕獲できないのがいるんだけど、今見れる? ちょっと大きめのだし、そっちで処理できたらして欲しいんだけどっ』

「あ、わかりましたけど。こっちの方の事情って把握してます?」

『仮にも神様だからねっ。アユムちゃんの想像通りって言っておくね』

「……そうですか」

 まあ、そっちはどうしようもないのかな。

 とりあえずシスタブで掲示板を確認してみる。

 二陣の書き込みがいっぱい増えていて、どうもシロウサギちゃんらしき書き込みもあるね。

 ふむふむ。この子がイズミちゃんに保護された経緯は、さっき聞いた通りみたい。

 あとは、キル子ちゃんっぽいのとか、ルイちゃんもカキコしてるね。

 あー。ルイちゃんは、セカイツクール関係で。まずはダンジョンだけの世界とか作ってみることにしたのかな? 魂の煉獄エリアの迷宮に一緒に行こうって誘われたけど。今すぐルイちゃん連れて来るのはちょっと無理だよね。まあ、それはまた今度ということで。

 ふむー。

 あ。変なカキコ発見、自称神様が言ってたのはこれかなー?

 よいしょー、とシスタブに手を突っ込んで、ぴちぴち暴れるヤツを引っ張り出す。なんか、かなり大きめ。片手だと引っ張り上げきれなくって、結局、両手をつっこむ羽目になった。

「シェラちゃん、これなんとかなる?」

 シェラちゃんにぴちぴち暴れる悪意ある何かを差し出すと。

「ピ」

 シェラちゃんがちっちゃなハンマーを取り出して、「光になれ―」とばかりにごっつんした。

 すると。

 悪意ある何かは、ポロポロと崩れるように、光になって消えてしまった。

 みっしょんこんぷりーと!

「ちゅーか、アユムは何してんの? また何か変なことに巻き込まれてるわけ?」

「んー。まあ、今日は朝から色々して来たけど」

「ふーん。まあ、どーでもいいわね。それより早く迷宮行くわよっ。とっとと終わらせて帰らないと。また親を心配させちゃうし」

「こっちも早く終わらせたいしね」

 まずは【影憑依】がどういう扱いになるのか試してみないとね。




 ……結論から言うと、【影憑依】しててもパーティ人数に含まれました。

 まあ、いつでも解除できることを考えたら、パーティ人数に含まれる方が正しいよね。

「念のための盾役が欲しいから、メイドちゃんこっちにくれる?」

「ん。シェラちゃんお願いできる?」

「……ピ」

 ええっと。

 イズミちゃんパーティが、イズミちゃん、キル子ちゃん、リェピュタちゃん、シェラちゃんに、名前のわからないホラー少女の5人。

 こっちがボクと、ファナちゃんと、イェーラちゃんの3人。

「そういえば。リェピュタちゃんはなんでイズミちゃんと迷宮に潜ることになったんだろう?」

「ピピ」

「ピッピ」

 なるほど? 酒場でイズミちゃんに捕獲されたっぽい? 暇なら手伝えみたいな感じかな。

「あ。もしかして、2PTになったらキーアイテムふたつ必要?」

「青リボンなら2個持ってるからだいじょぶよ」

「了解」




 ……で。

 当初の計画だと、第二パーティでザコ蹴散らして~って感じだったんだけど。

 イズミちゃんパーティの方が人数多いし。キル子ちゃんがウヒヒとか変な笑い声上げながら敵をばっさり真っ二つにしていくので、正直ボクたちの出番がなかった。シェラちゃんが盾役してるからイズミちゃん自身も魔法撃ち放題に出来るしね。

 1階を駆け抜けて、エレベーターで一気に9階に降り。

 ここからは1本道で固定敵を蹴散らしていかなきゃなんだけど、やっぱりキル子ちゃん強すぎ。

 ホラー少女は、ぽーっとしながら歩いてたけど、なんかお疲れっぽいのでボクが背負うことになった。うん、ぺったんこだね。何がとは言わないけど。

 というか名前がないのも不便だし。

「君のこと、なっちゃんて呼んでいい? 名無しのなっちゃん」

「……いいけど。なんかひどい呼び方な気がする」

「嫌なら何か自分で決めてー」

「じゃあ、ぼくのことは、Uって呼んで」

「ユーちゃん? 了解」


 ……幽霊のユーちゃんかな。

 それはそれでひどい呼び名な気がするけど。

 貞子のさっちゃんよりはマシだよね。

 考えなしに書きなぐってるものですからあちこち矛盾が出てて、時系列的にはこの話は「LROについて語るスレ その58」の掲示板回と時系列が同じになります。あちこちちょこちょこいじったので、たぶん掲示板回との辻褄合ったはず……。

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