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ボク的セカイの歩き方  作者: 三毛猫
第五話「ボク的セカイの歩き方」
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34、「白エルフに対する疑惑」

 3対20で始まったロボバトルは、カップラーメンが出来るよりも早く決着がついてしまった。

 ヴェラさんとテッラさんが、瞬く間に敵機を無力化して、ボクは幼女化するだけの簡単なお仕事でした。


[妹が増えた]


 やったね、レイちゃん!

 岩人形の時と同じく、幼女化兵器で撃ったからといって必ず幼女化するというわけでもなく。20体の敵から回収できたのは3人のロリエルフちゃんだった。岩人形の時はだいたい20匹ごとに1人だったからちょっと確率高め?

 あとレイちゃん達と違って白いのはなんでだろう。顔つきも似てはいるけどちょっと違うし、ロリっ子ではあるけれど、レイちゃんたちよりは見た目の年齢がちょっと上だし。

 妹ちゃんではあるけれど、むしろ見た目はお姉さんっぽいんだよね。

 それにレイちゃんたちは紐みたいな超マイクロビキニだったけど、この子たちは白いぴちぴちレオタードっぽいのに全身覆われてるんだよね。なんかバレエとかやりそうな格好。球技じゃあなくって、踊る方のヤツ。

 同じ幼女化兵器で幼女化したはずなのに、なんでこんなにレイちゃんたちと違うんだろう?


≪キュー様の幼女化兵器は、彼女の嗜好が色濃く反映されたものです≫


 つまり……?


≪今回の幼女化兵器はこちらで作成したものですから、アユム様の嗜好が色濃く反映されたものとなります≫


 えー。ボク別にロリコンじゃないんだけどっ!? それにピチピチレオタードなんて好きじゃないし。

 いや、幼女化兵器だからロリっ子ちゃんになるのは当然なんだし、だけど、キューちゃんの時ほどちみっこにならなかったのは、ボクの好みがもう少し上の年齢だからってことだよね。

 あー……。でも、そうか、そうだよね。

 だからロリエルフちゃんって、見た目がファナちゃんくらいの歳なんだ?

 いやファナちゃんは実際には16歳だけどね、小学生くらいにしか見えないし。

(アユム、わたしのこと好きすぎー)

 ファナちゃんのことは大好きです! けど、決してボクはロリコンではないのだった。

(必死で否定するとかえって怪しいから)

 完全なつるぺったんより少し膨らみかけの方がいいよね、とか思ってないから。

(……それ語るに落ちてない? もしかしてわたしがこんなチンチクリンじゃなかったら、成長しちゃったら、アユム、わたしのこと嫌いになる……?)

 だからそんなことないってばー。

 何度も言ってるでしょ、ボクロリコンじゃないって。ファナちゃんだから好きになったのであって、もちろん見た目も含めて大好きなんだけど、見た目がそうだから好きなわけじゃあないってば。

(でも、アユムってさ、わたしにひとめぼれだったじゃなあい? それって、見た目100%ってことだよね? ってゆーかさ、白エルフちゃんの見た目がアユムの理想だったりするのかな? かな? シェラちゃんの話って、そーゆーことでしょ?)

 いや、そゆことではないハズ……。ほら、ちゃんとレイちゃんの面影もあるし?

 別にああいう感じが好きってことはないよ? カワイイとは思うけど。

(わたしのことが大好きなら、なんでわたしそっくりにならなかったのかなぁ、ってことなんだけど。いや別に深い意味はないんだけどね?)

 いや、だって、レイちゃんの妹なんだし。

 だからレイちゃんに似た感じなんだよ。

『あんたたち、何か喋ってるんでしょうけどこっちは中継されなきゃ何にもわからないのよっ! とっととお父様たちと合流して後始末しなさいよ! 捕獲した子たちもあのままじゃいけないでしょ!?』

「あ、ごめん、イェーラちゃん」

 ファナちゃんごめん、その件は今夜ゆっくりベッドでね?

(……うん)


≪アユム様、アユム様の好みが反映されたはずの彼女らに、わたしの要素が皆無な理由を教えていただけますか?≫


 シェラちゃん、その件も今夜ゆっくりベッドで。

(わお。3人で致しちゃう?)


[レイは妹が似ているので特に異論はない]


 むー。4Pの機会が。

(……アユム? まさかレイちゃんにまで手を出す気?)

 おっと藪蛇。

『アユムくん、何か揉め事かね? 回収した零族の子に話を聞きたいのだが』

「あ、ごめんなさい野井さん。今連れてきます。というかどこか落ち着ける場所ないんですかね? 今はブレードファンネルで囲ってますけど」

『イェーラ、他に反応はありそうかい?』

『島の奥まではここからではわからないけど。とりあえず今すぐに出て来そうなのは居ないわね』

『ふむ。では、ここに一時拠点を作ろう』

 そう言って野井さんが何もない空間をちょっとひねると。

 空間が四角く切り取られて、中から光が漏れだした。

「ナィアさんの魔法の鍵みたいなやつ?」

『アレは空間をつなぐだけだがね、これはこの場に新しく創り出しているんだよ』

「そうなんですかー」

 なんかすごいね。プライベートルームみたいのを、どこでも自由自在に作り出せる感じ?

『テッラ、ヴェラ、その子たちをこちらへ』

『御意』

『かしこまりました』


[妹をお願い]


 レイちゃんがブレードファンネルを操作して入り口に寄せると、テッラさんとヴェラさんがまだぼーっとしたままの白エルフちゃんたちをひとりづつ抱えて、一時拠点の中に連れて行った。

『アユムくんたちも、宇宙服は着ているのだろう?』

「あ、はい、大丈夫です」

 あ、でも、うちうゆうえい?とかって初めてだし。宇宙ってどうやって泳いだらいいんだろう。平泳ぎで進めるのかな。息継ぎとか関係なさそうだけど。

(アユム、アユム、宇宙遊泳って本当に泳げるわけじゃあないから。【飛翔】入れて来たからたぶんこれで)


≪【飛翔】は空気のない場所では使用できません≫


(え、そうなんだ。【浮遊】は意味ないとおもって外して来たけど、【飛翔】もだめなんだ?)


≪正確には、重力や大気が存在する環境下でないと、どこまでも直進することしかできません≫


 なるほど、飛行機が宇宙を飛べないみたいなものかな?


≪細かい理屈は異なりますが、概ねそう言う認識でよいかと≫


 じゃあ、【浮遊】で浮いて【魔法の矢】を推進に使ってた時みたいなやり方? 【飛翔】で進行中の制御に【魔法の矢】を使うのもいけそうだけど。

(撃つよー、撃っちゃうよー! ばばばばきゅーん)


≪いえ、アユム様の【空歩き】が座標固定ですから、普段空中を駆けるように【空歩き】で虚空を蹴って移動することが可能です。重力がないのでその点だけお気を付け下さい≫


 あいあい。

『またなんかアユムたちだけで話してるし。レイだっけ? こっちにも中継してよね……』

「あ、ほっといてごめんイェーラちゃん。ジュ・トゥ・ヴーからいったんおりて野井さんの一時拠点に行くから、しっかりつかまっててね」

『わかったわ』

 じゃあ、シェラちゃんお願い。


≪ハッチ開きます≫


 がぱん、と正面のハッチが開いて。

 ボクの意識がファナちゃんボディに戻った。

 真空中、なんだけど、バルーンヘルメットはちゃんと正常に働いていて息苦しかったりはしなかった。


≪わたしはこのままアユム様を抱いていますので≫


 あいあい。

 イェーラちゃんがぺったりヘルメットにしがみついているのを確認して。

 えいやー、とジュ・トゥ・ヴーから飛び出す。

 背後の機体がシェラちゃんの影収納に格納されて。真っ暗な宇宙にぽっかり浮かぶ。

(……うちうって、なんかすごいよね)

 うん。うちうスゴイ。

 軽く虚空を蹴って、一時拠点の入り口を目指す。

 重力がないので、上と下がわからなくって、いつもよりだいぶ混乱したけれど。慎重にちょっとづつ進めば大したことはなかった。ボクはやれば出来る子なのだった。

 手を伸ばして、入り口で手を伸ばしてしたヴェラさんにつかまる。

 そのまま中に引っ張り込まれて、ようやく一息ついた。

 というか、拠点の中は重力あるっぽいね。いきなり身体が重くなったよ!

(わたし、ふとってないもん!)

 そう言う意味じゃないよファナちゃん。

「……もう、空気が満たされたから、ヘルメットは解除しても大丈夫よ」

 ヴェラさんが、ボクのヘルメットをつつきながら言った。

「あ、そうですか」

 どうしよ、会話もあれだし【影憑依】もいったん解除しちゃおうか。

(ん、了解)


[レイも妹たちの所に行く]


 にゅるん、にゅるんと、ボクの中からファナちゃんとレイちゃんが抜け出した。

 正確にはボクがファナちゃんから抜け出して、ボクからレイちゃんが抜け出してるわけなんだけれど。やっぱり、ひとつになってる時が満たされ過ぎてて、別れた時にはものすごく切ない気持ちになる。

「シェラは格納庫でジュ・トゥ・ヴーの整備と補給を」

「ピ」

「アユムたちはこっちよ。捕獲した零族のところへ案内するわ」

「あいあい。シェラちゃんはよろしくね」

「ピ」

 実弾はほとんど使ってないけど、推進剤とかは補充しなきゃだしね。

 いったんシェラちゃんと別れ、ヴェラさんの後について行くと。野井さんが腕組みしてうなっていた。中にはぺろんと全裸に剥かれた白エルフちゃん三人。

「ちょっと野井さん、女の子脱がしてナニしてるんですかー!」

 目に毒過ぎるんですけどっ。

「カワイイねー、レイちゃんの妹」

「ん。レイの妹だから当然」

「ああ、アユムくんたちかい。どうにも一筋縄ではいかなくてね」

「SM趣味までっ!? 縄で縛ってナニをする気なんですか野井さん」

「……少しは落ち着きたまえ」

 野井さんがちょっと呆れ顔。

「まだざっと調べた程度だがね、彼女たちはどうも既知の零族とは少し違う様でね。こちらのアクセスを受け付けないようだ。レイくん、君の方で彼女らに接触可能かね?」

「ん。レイの妹、かわいがる」

 頷いたレイちゃんが黒いモヤモヤを出して白エルフちゃんに触れようとしたのだけれど。

 パチンと何か弾かれる様な音がして。

 見ると、白エルフちゃんからは白いモヤモヤみたいなのが出ていた。


 ……単なる色違いってわけじゃあ、ないみたい? なのかな。

 最低、月2回はなんとか死守したい……。

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