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ボク的セカイの歩き方  作者: 三毛猫
第五話「ボク的セカイの歩き方」
207/228

25、「神様公認チート」

 だいぶ間が開いてすみませぬ……。迷走が続いております。

 自称神様とのお話中、ずっと黙ってそばで控えていたシェラちゃんだったけれど。

「お供します」と付いて来ることになった。

「じゃ、二人ともついて来てねっ!」

 自称神様がどこ○もドアみたいなのを白衣のポケットから出して、床にどんと設置した。

 勝手に変な物ボクの部屋に置かないで欲しいんですけど。

「あの、ボク、アバターのままですけどいいんですか?」

 どこに行くのか知らないけれど、ルラレラティア以外に行くとまた面倒なことになるんじゃないかと思うんですが。

 不安に思って尋ねると。

 自称神様はにんまり笑って、問題ナイナーイとばかりにひらひらと手を振った。

「だいじょーぶ。あとでルラレラティアにも行くからっ! 問題なっしんぐっ!」

 そう言いながら、自称神様がドアを開けると。

「もー、寧子さんてば!」

「……ハナちゃん?」

 ドアの向こうにはハナちゃんが居た。学校に行くところだったのか、制服姿だ。かわいい。

 というか、向こうはハナちゃんのお家?

「んー? ハナちゃんも学校さぼっちゃう? ついて来てもいいけど」

 自称神様がちょっとニヤニヤ笑いで尋ねると。

「いぇーす! おふこーす! わたしだけのけものとかひどいと思います!」

 ハナちゃんが両手でバンザイしながらボクに抱きついてきた。


「……いや、ハナは学校に行けってば」


 奥から太郎さんまで出て来たし。

「とにかく、アユムちゃんとシェラちゃんはこっち来て。早く早く!」

 うわっと。

 自称神様に引っ張られて。

 ボクとシェラちゃんは、しばらくぶりにハナちゃんと太郎さんのお家にお邪魔することになった。




「……なんだか、ウチのハナとアユムさんの距離が妙に近い気がするんだが」

「……気のせいでは?」

「にーちゃんの勘違いでーす。うふ~」

 ボクの腕の中にすっぽり納まって。ボクの薄い胸に頬ずりするように抱きついているハナちゃんに、どうやら太郎さんは違和感バリバリ状態らしい。

 まあ、昨日、アバター同士とはいえ、あーんなこととか、んふふなことしちゃった仲だしなぁ。

 あ、ちょっとムラムラしてきた。

 仕方ないので、意識を別のことにそらすことにする。

「……というか、自称神様は無理矢理ボクを引っ張って来たくせに何やってるんですかね?」

 太郎さんとハナちゃんのお家に引っ張り込まれた後、応接間に通されて「ちょっとここで待っててねっ!」と放置状態。ボクの代わりにシェラちゃんが引っ張ってかれて。

 のんびり、太郎さんを前にお茶をしてる状態。

「すーはー、すーはー」

「ハナちゃん、ボクの胸に顔うずめて深呼吸とか、ちょっと太郎さんの前ではやめてほしいかな……」

 なんか一線超えちゃってから、ボクよりハナちゃんの方が遠慮なくなっちゃってる気がする。

「……やっぱり、妙に距離が近いよな?」

「……まあ、仲良しですから」

 流石に太郎さんを前に、妹さんを手籠めにしちゃいましたえへへなんて言えないしなぁ。


「ってゆーかさ、アユムちゃん、とっくにハナに手を出してると思ってたのになー」


「んぐっ」

 部屋の入り口からかけられた声に振り返ると。

 ラフな格好の女神ティア様がにんまりとした笑みを浮かべてこちらを見つめていた。

「え、えっと、ティア様?」

「ハナの様子見た感じ、”ゆうべは おたのしみでしたね”って感じかな?」

「いえ、あの、その……」

 アユムはまごまごしている! もしくは、アユムはおどろき、とまどっている!

 ってボク動揺しすぎっ。アユムはこんらんしている!

 いや、別に何か悪いことしたわけじゃあないんだけどっ。

「えへへー」

 のん気にハナちゃん、抱きついて来るしっ。もう、ぎゅーって抱き返しちゃうぞっ。

「……ティア、それどういうことだ?」

「いや、たろー。見ての通りなわけよ? どう見てもデキチャッタってかんじじゃない、アユムちゃんとウチのハナ」

「……は? 女の子同士だろ?」

「あー、それ、わたしのことディスってる?」

 なぜかティア様が、口の端をちょっと釣り上げて太郎さんを睨み付けた。

「いや、ティアは元々オレだし男だったわけで、そんな馬鹿にしたつもりはないけどっ!?」

 慌てる太郎さんに、ティア様がずいっと詰め寄って。

「おーし。たろー、ちょっとこっち来なさい。女の子同士のアレコレについて教えてあげるから。だいじょうーぶ。BLよりはわかりやすいでしょ」

「いや、別にそんな知識いらねーよっ!?」

 ああ。なんかわけわからないうちに、太郎さんがティア様に引きずられてどこかへ行ってしまった。

「……なんだったの、今の」

「知愛おねーちゃんは、人魚のりーあちゃんとラブラブだから、わたしたちのことに、割と理解あると思う。太郎にーちゃんは二人もロリっこのお嫁さんいるくせに、変なとこで頭硬いんだよ」

 ハナちゃんがボクの胸に頬ずりしながら、ぎゅーって抱きついてきた。

「ふーん、そうなんだ。……って、ちょっとまって、太郎さん合法ロリ嫁二人いるのっ!? いつから日本って重婚可能になったのっ!?」

「正式に籍入れてるのはりあお姉ちゃんだけだけど、みぃちゃんってネコミミの子もいるんだよ。今は知愛お姉ちゃんが創ってるセカイで子育て中」

「……ネコミミロリっ子まで孕ませてるとか。太郎さんって」

 うらやましい。じゃなくて。

 ネコミミってことはルラレラティアで出会ってゲットしてきたのかなぁ。



「お待たせっ! 準備できたからこっち来てっ!」

「……あ、はい」

 ハナちゃんと二人きりになっちゃって。アバターじゃない本当の身体でも致したい、とか悶々してたらタイミング悪く自称神様が戻ってきちゃったよ。ちょっと残念。

 ちなみに太郎さんたちはまだもどって来てない。

 でもって、自称神様に案内されて着いたのは。

「……ここってLROの開発ルームじゃ?」

「アユムを入れちゃって大丈夫なの?」

 ハナちゃんもちょっと心配顔。

「うん。見られて困るものは隠したから大丈夫だよっ! でもって、アユムちゃんにはコレを開けてもらいたいわけよ」

 そう言って自称神様に促されて、シェラちゃんが慎重に取り出したものは。

 なにやらぐるぐると色々巻きつけてある何かの端末で。

「……シスタブ?」

「そう。前にイェーラちゃんを捕まえたやつね。今は中から閉じこもっちゃってて、開けられなくなっちゃってるけど」

「自称ぜんちぜんのーの神様が開けられないっていうものを、ボクに開けてと渡されても困るんですが?」

「いや別にあたしにだって不可能ってわけじゃあないんだけど。数万年近いリソースかけるほどの価値が無かったってところでぃっす!」

 自称神様が、無い胸をふんっ、と張って実は出来るんだけどアピールをするけれど。この場合やらないってことは出来ないのとほぼ同じだよね。

「……というか、神様の力って意外と力技なんですか?」

 聞いた感じ、カギが開くまでありとあらゆるパターンを試すよっ!って聞こえたんですけど。

 どこが全知全能なんだか。

「神様名乗ってたって、難しいことはあるわけよ? そりゃあ、その気になればなんだって出来るけど。何かやるにはタネも仕掛けも必要なわけよ? その点、アユムちゃんのは完璧にチートだし、ぱぱっとやっちゃってくれる?」

「……?」

「【夢幻泡影】ってアユムちゃんが呼んでるアレのことさっ! 限定空間とはいえなんでも思い通りとかまさにチートだよねっ! 中に居るイェーラちゃんをだまくらかして、出してくださいっ! お願いします!」

「あー……。はい」

 ボクに、出来るんだろうか。

 というか、やっぱり。ボクに出来る様な事なら、自称神様が出来るような気がするんだけどなぁ。

「とりあえず、やってみますね」


 結局、灼熱エリアの防衛戦の時には話は平行線で終わったみたいだけれど。

 シェラちゃんの妹?の一人なわけだし。やっぱりいろいろ話して、仲直りはしてほしいよね。

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