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ボク的セカイの歩き方  作者: 三毛猫
第四話「セカイを救っちゃおう!」
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29、「ターン開始」

 一応、全体の総指揮は戦艦ヴェータ近くに陣取った野井さん。その全面バックアップとして自称神様とゆーりちゃんが付いている。たぶん、置いてきたルイくんもここにまだ居ると思う。

 街の西側に居る戦艦ヴェータにはネーアちゃんとMK2、その護りとしてアンジーとにゃるきりさんが鎧で付いてる。機人種のクルーは憑りつかれるとまずいので、対策を施したコアユニットのナナさん、ヒフミちゃん、ヨイムちゃんだけを残して一時的にエリア外からバックアップ中。意外に少人数で戦艦動かせるみたいだね。

 街の東側のナーガ・ナィアーツェには、なぃあちゃんとシス子シリーズ。艦内にはダロウカちゃんとマオちゃんがぬこぴー兵で控えている。とりあえずの直衛にジュ・トゥ・ヴーのボクとキューちゃん、それに鎧に乗ったユキちゃん。ボクとキューちゃんはある程度落ち着いたら遊撃に出るからダロウカちゃんたちとユキちゃんが頼りだ。

 街の北側にはサボリさん。南側にはマジゲロさんが鎧で待機中。

 街の中央にガチ勢リーダー、バルムンクさんが陣取っている。鎧を含めたロボ軍団の指揮は野井さんが取るけれど、プレイヤー連中の采配はバルムンクさんにお任せなのだった。

 あとから来た4人の鎧のメンバーは、簡単な挨拶をしただけでいったん中央でバルムンクさんと打ち合わせ中。名前はテトラさん、アリアさん、クルリンさん、あやよさん。なんでか全員女の子だった。いや、みんなぬこぴー兵だから幼女化してるんだけど。名前とか言葉使いからたぶん中身も女の子だと思うんだよね。

 今のところ彼女たちは、街の北と南に振り分けられる予定。ボクとキューちゃんが抜けたらナーガ・ナィアーツェの方にも来てもらうかもだけど。

 太郎さんは街の上空でなんだか腕組みしたまま仁王立ちしてる。女神の姿も相まって、なんだか仏像というか神像みたいな感じだ。通常の鎧は空飛べないから、上空から全体を見回してどの方向にも対応できるように、という立ち位置みたい。


 ……真下からみたら袴の中見えちゃうんじゃないかなーって思うんだけど。気が付いてないのかなぁ。

(あれだけ上の方に居たら気にしないんじゃないかなー?)

 んー、そうかもね。


 なんて割とどうでもいいことを考えていたら、視界の中央にどどん、と大きく自称神様の通信ウィンドウが開いた。


  ねいこ『やっはろー! みなのしゅー!

      そろそろプレイヤーのみんな来るよー。

      みんな持ち場についたかなっ!?』

  あゆむ『あいあい。いつでもどぞー』

にゃるきり『いつでも、かかってこいにゃー』

ゆきちゃん『元気! 勇気! かわいさ満点なのです☆』

  あゆむ『ユキちゃんは星がウザい』

ゆきちゃん『がーん。可愛いでしょ? キラっ☆』


  サボリ『あー、バルムンクはん。

      北はもうひとりくらい誰かこれないのん?

      わいひとりじゃ押さえきれるかわからんで』

ばるむんく『テトラをそちらへ向かわせた。

      南にはあやよを行かせる』

  サボリ『おー。よろしゅうなー、テトラはん』

  テトラ『よ、よろしくです、サボリさん。

      ……ぐぬぬ、よくみなさん、

      こんなの着て、歩けますねっ!?

      おもいです~~!?』

  あやよ『南はマジゲロさんでしたっけ?

      よろしくー。イベがんばろーね』

 マジゲロ『ああ、よろしくだぜー。

      あとテトラにアドバイスだ。

      歩くというより、前傾姿勢で膝を持ち上げる感じだな。

      某怪獣が歩くイメージでやるといぜ』

  デトラ『が、がんばります』


  アヤノ『くっ、なんだか名前がちょっと被ってる人が

      居る気がするのっ……!?』

  ネーア『じゃあ、エムケー・ツーでいいのではないか?』

  アヤノ『この格好の時には、アヤノなの。なのなのです』

  あやよ『いや、被るとか言われても困るんですけどー?

      ってゆーか、だれです?』

  アヤノ『戦艦ヴェータチームのアヤノなの』

  ネーア『同じく戦艦ヴェータ、艦長のネーアだ。

      名ばかり艦長だがな……。

      鎧の修復、弾薬の補給は戦艦ヴェータ、

      それにナーガ・ナィアーツェで行えるので、

      利用するといい』

  なぃあ『こちらはナーガ・ナィアーツェのなぃあーつぇである。

      こちらもぶっしはじゅうぶんにつんできた。

      ほきゅうはまかせるがよい』


  アリア『なんて素敵な幼女たちっ! 尊い……』

  あゆむ『みんなもぬこぴーだから幼女じゃーん。

      なぃあちゃんがカワイイのは非常に同意だけど』

 クルリン『そういうアユムさんは幼女じゃないよね?』

  あゆむ『え? ボク、ちゃんとぬこぴーだけど』


 ぬこぴー兵のカードは差して来たけど、影憑依でファナちゃんとひとつになってるから、今のボクって、ぬこぴー重装歩兵改なファナちゃんボディでジュ・トゥ・ヴーに乗ってるんだけど。

 ……良く考えたら視界の端に通信ウィンドウとか出てるけど、ジュ・トゥ・ヴーと一体化してるわけで、こっちからの映像ってどうなってるんだろ??


ばるむんく『子猫は普通に島イベで会った時の姿にしか見えないが?』

  あゆむ『そうなんだ?

      もしかして、ジュ・トゥ・ヴーの顔が通信に出てる?』


 そういやファナちゃんボディのはずなのに、ガチ勢リーダーとかボクだってわかってたもんね。いったいどうやってこっちの顔出してるんだろ??


  キュウ『あれやろ、AIロボット物とかで、

      通信なんかにロボットの顔出るタイプ』

  あゆむ『あれって、腕とかに通信機ついてて

      喋ってたりするんじゃないの?』

 クルリン『それにしても、ファンタジーRPGだと思ってたのに。

      戦艦にロボとか迷走しすぎじゃないかなー?

      開発の人とか居るんでしたっけ。

      その辺、どうお考えですかー?』

ろりたろう『え、ロボとか戦艦って燃えない?』

にゃるきり『βの時から結構、

      えすえふなアーティファクトあったにゃ?

      まあ、織り込み済みってやつですにゃー』

 クルリン『プレイヤーが自由に作ったり出来れば

      楽しそうなんだけどなー』


  ねいこ『はいはい雑談はそのへんでー?

      プレイヤー第一陣、きまっす!

      イベント開始時刻、過ぎてるよっ!』

  あゆむ『あいあい』

ばるむんく『既に編成は終わっていると聞いたが』

  ねいこ『班分けと部隊編成は終わってまっす!

      バルムンクくんのシスタブに部隊情報送信済み!

      部隊を選択すると対象部隊のシスタブに連絡可能!

      お手並み拝見ですよ、うっふふ?』

ろりたろう『上空からの映像送るよ?

      まだ敵影はなし』

ばるむんく『了解した。

      アリアとクルリンはしばらく中央で控えてくれ。

      状況に応じて増援または交代要員として派遣する』

  アリア『はーい。なぃあちゃんとこ行きたいなー』

 クルリン『待機りょ-かーい』


ろりたろう『ポータルゲートオープン。第一陣来たね』

  ティア『最初は重装歩兵部隊ね』

ばるむんく『了解。まずは東西の戦艦周囲に配置する。

      奇数班は東、偶数班は西へ』

  ねいこ『まとまった数来たから、

      いつ敵が来るかわからないから注意してねっ!?』

  アリア『女神ロボ、もしかしてぱんつ穿いてないっ!?』

  あゆむ『え、それkwsk』

ろりたろう『敵影確認!

      まばらだけど、街周辺にポップした。

      あとアリアさんはどこ見てるんだっ!?』

  ティア『ちなみに中身はぱんつ穿いてるけど

      女神ロボが穿いてるかどうかはわからないなー』


   ノイ『こらこら君たち、余裕があるのは悪いことではないが。

      もう少し真面目にやってくれないかね?

      敵が来ているんだが』

  ねいこ『総司令のノイさんでっす!』

   ノイ『……敵らしき反応の距離、約500。

      やつらは動きは早くないが、5分も経たずに来るよ。

      異邦人の配置を急いでほしい』

ばるむんく『了解。

      東西組、先行して出られるか?』

  ねいこ『やっぱ、プレイヤーに反応してるってことかなっ!?』

   ノイ『街が目的ならまだ配置の少ない南北から攻めて来るだろうから、

      その可能性が高いと思うね』

ろりたろう『目視確認。

      東西組ちょっとまって。

      とりあえず、プレイヤーの配置が済むまでは

      女神ビームで薙ぎ払ってみる』

  あゆむ『それ太郎さん、必殺技撃ちたいだけでしょ-?』

  キュウ『おっしゃ、んじゃ、ちーっと早いけど。

      イベントかいしっちゅーことで、

      幼女保護結界いえすろりーたのーたっち

      発動してまうでー!

      ぬこぴー兵器、スタンバイおっけーってなー』

  アリア『ぐふふ、みーんなようじょになーあれ♪』

  あゆむ『なんかひとりヤバイひといませんか?』


   ノイ『……ぐだぐだだな、とにかく、作戦開始!』

  あゆむ『あいあい!』



 周囲は岩だらけだけど、動くようがん○じんは流石に目立つ。

「ん、敵影確認」

(どうする? 撃っちゃう? 撃っちゃう?)

 あー。ライフル役に立たないからって置いてきちゃったし。

 まだ届かないんじゃ。

(ぐぬぬ、撃ちたいよう)


≪ぬこぴー飛行兵のライフルを使いますか?≫


「待って、太郎さんが攻撃するっぽい」

 見上げると、女神ロボが敬礼するかのように額に指を当てていた。

 その額の飾りに光が集まってゆく。


『くらえー! 女神ッ! びいいいいいいいいむっ!』


 ひゅいん、と光条が地面を走った。

 一瞬遅れて、岩の欠片が蒸発してなぎ払われる。

 なんか某巨神兵みたい。早すぎたんだ、腐ってやがる!ってならなきゃいいけど……。

「おー?」

「女神ビーム強いですっ? キラっ☆」

「すっげー! かっけーにゃー!」

 遠方を薙ぎ払った光が収まると、集まりつつあったようがん○じんが影も形もなくなっていた。

 蒸発しちゃったらしい。

 ユキちゃんや、キューちゃんもびっくりしたような声を上げている。


≪……偵察に出たときの敵と反応が異なりますね≫


「うん、黒いモヤみたいなの出てないね?」

(やっぱり防衛戦は仕様が違うってことー?)

 あと女神ビームは名前の割にけっこうすごかった。

 けど、通常兵器だとほんとに倒せたかどうかわかんないんだよね。黒いモヤ出てないってことは倒せた可能性があるのかもだけど。

 ……どうなんだろ?


≪データ不足です≫


 とにかく部隊配置されたら何体か幼女化して捕まえてみないとだめかなー。

 どんな幼女になるんだろ。


『――あーっはっは! ぬるいわねっ!?』


 突然、どこかで聞いたことのある声が、響き渡って。

 轟音と共に地面が揺れた。

「わ、わ、なにっ?」

 慌てて空中に飛び上がると。

 地平線の向こう側に、ひときわ巨大な影が、まさに今、立ち上がろうとしているところだった。


『もうあんたたちはオ・ワ・リ♪ なぜって? それはあたしが来た、からにきまってんでしょーっ!?』


 なぜだか巨大な溶岩○人の頭の上に。

 真っ黒な天使の羽で高笑いする、イズミちゃんの姿が見えた。


 ――戻ってこないと思ってたら、なにやってるのさイズミちゃんは……。

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