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ボク的セカイの歩き方  作者: 三毛猫
第四話「セカイを救っちゃおう!」
144/228

19、「わからないということがわかる」

 鎧用のでっかいバスルームの隣に乗員用の普通サイズのバスルームが併設されていたので三人でお風呂。

 三人できゃっきゃうふふしながら背中の流しっこ。

 予定調和の「おっと手がすべったー(棒読み)」も成功して、ファナちゃんのお胸のサイズもしっかり覚えたよ!

 うん……ファナちゃん、見た目ちみっこなのにボクよりちょっと大きかった。着やせする方なんだね。

 さて。

 生身の方は着替えも前もって色々用意してあるので、影収納から引っ張り出してお着替えタイム。

 今日はシェラちゃんチョイスで、三人お揃いのシンプルなワンピースにしてみました。デザインは一緒で色違いのやつ。ファナちゃんがさくら色、ボクが水色、シェラちゃんがちょっと大人なワインレッド。

 ボクは普段、制服以外ではあんまりスカートとか穿かないのでちょっとすーすーして落ち着かない。

「ファナちゃんカワイイ」

「アユムもカワイイっ!」

「ピピ!」

「シェラちゃんもカワイイ!」

「以下同文!」

「かわいー!」

「可愛い!」

 なんてほのぼのしてたけど、よく考えたらそんな状況じゃあなかったのだった。

『あー。女の子がいろいろ準備に時間がかかるのはわかるけどさー。いったん艦橋の方にあがって来てくれるかなっ!?』

 自称神様から、ちょっとあきれたような声で言われて、あわてて艦橋に向かった。



 艦橋には、自称神様とまだ幼女のままの太郎さん、なぃあちゃんと、お着替えを済ませたキューちゃんにMK2が会議用っぽいテーブルに着いて待っていた。

 シス子ちゃんたちは相変わらず忙しそうに何かしている。支援物資とかの積み下ろしの指示とかかな。

 他のメンバーの姿は見えない。

「それで、結局どんなかんじなんです?」

 ボク、結局マーカー置いてきただけで終わっちゃったしね。

 ぬこちゃんに変なのが憑りついてたせいで、戦艦ヴェータとのやりとりも中途半端になっちゃったし。今、どういう状況なのかさっぱりなのだった。

「えっとねー、簡単な状況確認は終わったとこかな」

 自称神様が、珍しく比較的真面目な顔で腕組みしながら言った。

「端的に言うと、前、ナィアちゃんから報告のあったとおり”空からナニカがやって来た”ってとこだね」

「……あれ? それってキューちゃんの巨大UFOのことだったんじゃないの?」

 首を傾げる。

 確か元々の話は、野井さんがなんかでっかいのを仕留め損ねちゃって、ルラレラティアに何かやって来る可能性が高いっていう話で。

 でもってその後キューちゃんが巨大UFOでやってきて侵略戦を始めたから、てっきりキューちゃんのことだと思ってたんだけど……。

「いや、待てやアユム。その話が出た時ってオレもその場におったやん。それ、オレとちゃうわ。だいたいあの打ち上げの席でそこの神さんにワールドパスもらったんで、ルラレラティアに行けるようになったんやでー? 時系列ちゃうやろ」

 キューちゃんのツッコミに、納得。

「あー。言われてみればそうだった」

 タイミングが良かったから、すっかり勘違いしてたよ。

「……じゃあ、そのナニかって、なんなの? シェラちゃんは”敵”とかゆってたけど」

 ちらり、とシェラちゃんを見る。

「……」

 シェラちゃんは無言で答えない。

 なにか知ってそうな、なぃあちゃんの方を見るものの、なぃあちゃんも首を横に振る。

 ただ自称神様が、小さく肩をすくめて、小さな白い旗をパタパタ揺らした。

「正体は不明だよん。神様が白旗あげちゃうのも悔しいんだけど、これまでそうゆうのがこの世界に存在してたってことすら認識してなかったんだよねっ!」

「神様自称してるのに?」

 思わずツッコミを入れると、自称神様は白旗を持ったまま両手を上げた。

「神さまってのは、その気になれば何でもできるけど、何もしなくっても全部を知覚してるわけじゃないんだよっ!? 知ろうと思えばなんだって調べられるけど、そもそも存在を知らなかったら調べようがないよね。お手上げ状態っ! でもって現時点でも正体不明。わかっているのは何かに侵略されてるってことだけ」

「……本当に? またサプライズとかだったりしませんか?」

 キューちゃんの侵略も、太郎さんたち開発とか運営の人たちにナイショで進めてたから、結構騒ぎになったんだよね。

「んー、ほら、光をまったく反射しない、後ろの光はまったく減衰なしに素通し、質量もゼロなんて物体が宇宙空間に浮かんでいたとして。それが『何か』を調べるのはちょっと難しいよね? それは確かにセカイに影響を与えるのに、なぜかそれはセカイに何も足跡を残さない。影響を与えた、という痕跡がまったく残らない。最初からそうであったようにしてしまう。だから、誰もソレを定義できない」

「んー? ようがんまじ○は普通に目で見えたし、ショットガンで迎撃できたから普通に物理的な存在だと思うんだけど? そんなユーレイみたいなのじゃなかったですよ?」

 ファナちゃん、シェラちゃんと顔を見合わせて頷き合う。

 ボクたち三人は確かに見たし、キューちゃんにMK2だった見たはずだし。

「ところがねー、アユムちゃんの戦闘ログ追っかけるとどこにもそんなのでてこないんだわー。単に自然現象として飛んできた溶岩弾をアユムちゃんが撃ち落としたことになってる。どこにもそんなド○クエのモンスターみたいなのの存在は確認できないんだよね」

 ため息を吐く自称神様。

 そこに太郎さんが続ける。

「……なんていうか、超凄腕のハッカーみたいなんだよね。痕跡を全く残さずにというか、痕跡が生まれる端から消しまくって行動してるみたいな」

「つまり?」

「直接現場で押さえなきゃどうしようもない感じだね。リアルの方でウチのちみっこと開発チーム総出でいろいろやってるけど、まったくしっぽがつかめないんだよ」

「ふむー?」

 ボクたちに何か出来ることはあるのかな。

「幸い、エリアひとつ千切られたとはいえ、まだ灼熱エリアをまるまる奪われたわけじゃあない。戦艦ヴェータが居なかったら危なかったかもしれない」

「けど、戦艦乗っ取られたらそれこそ終わりなんじゃ?」

「いや、戦艦ヴェータとも情報やりとりをしたんだけどね。どうも無機物に直接憑りつくとはいかないらしいんだ。基本は人や動物など、なんらかの知性と動く身体がないとダメらしい」

「え、ようがんま○んも、何か動物だったってこと?」

 溶岩に埋もれて生きてるとかすごい。

「ゴーレムっぽい魔法生物か、あるいは昔の鎧の残骸の可能性かな。動物以外でも、コンピュータ的な最低限の演算装置があれば憑りつけるという話らしい」

「……戦艦だと、ナナさんとかコアユニットに憑りつかれるとだめってことかな」

「そういう感じ。だから今、戦艦ヴェータはかなり外部とのやり取りに気を使ってる」

「うーん。なんかもう、どうしようもない気がしてきたんだけど……。原因分からなくっても、元の状態にえいやって戻せたりしないんですか、自称神様?」

「んー。本当に最後の最後の手段としては確かに、サーバ巻き戻すって手もあるんだけどさー。原因排除できないと結局イタチごっこになりそうじゃなあい?」

「それはそうかー」

 原因がわからなければ、戻しても結局また侵略されてエリアを奪われちゃうよね。

「まあ、現状はそんな感じ。戦艦ヴェータ側とも協力してなんとか原因を排除しなきゃねー」

「うーん」

 なんだろう、結局、何が原因で何が起こってるのかもよくわからない、ということが分かったというか。わけわかめ。

「んー? そういえば、他の人たちはどうしたの?」

「ちびねこちゃん達は支援物資搬送のお手伝いね」

「ふむふむ」

「まおちゃんとダロウカちゃんは、ちょっと応援呼んでくるようにお願いしたよっ!」

「……微妙に嫌な予感がするんですがっ!?」

「ダブルイズミちゃんは、暴走した妹ちゃんを追っかけて姉の方がついてった感じね」

 だぶるイズミちゃん?って、暴走したのがイズミちゃんでオサちゃんが追っかけてったってことかな。

「……いやそれ大丈夫なんですか」

「大丈夫なんじゃないかなっ! あと勝手に出てったのにまで責任もてまっせん!」

「いいのかな……。あとは、ユキノジョウとルイくん、かな?」

「その二人はネットとかで注意喚起促してもらってマス。さっそく掲示板でアユムちゃんのジュ・トゥ・ヴーが話題になってたり」

 にやにや笑いの神さま。

「うわー……」

 掲示板、見たくないなぁ。

 ……ごめんなさい、なんだかかなり迷走中デス。悩みながら書いてるのでぜんぜん進みません。

 次いったん掲示板予定ですが、溶岩魔人あたりまで遡って大きく修正いれる可能性アリ。

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