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ボク的セカイの歩き方  作者: 三毛猫
第四話「セカイを救っちゃおう!」
142/228

17、「敵の影」

短め。後で加筆するかもデス。

 どどど、どーしよう。

 キューちゃんたちは好き放題始めちゃったし、なんとか止めないといけないんだけど。

 こっちにはキューちゃんの幼女化光線銃みたいな便利な非殺傷武器はないのだった。

(さすがに銃で人は撃てないよねー)

 だよね。

 ん? でも、あれならいけるかも。

 シェラちゃん、いける?


≪可能です≫


 よし、じゃあいくよっ!

 スカートに貼り付けた十枚のブレードを展開。

 するりと鞘から抜けるように、スカートから抜け落ちて。

 ふわり、と浮き上がる。

 脳裏に十の光点が浮かんで、その全てを、つかんで、投げつける。


「――いっけーっ!」


 名づけるなら、ブレード・ファンネル? ファンネルってふいごの意味らしいので形が全然違うのをファンネルって呼んじゃうのも変な気がするけど、フィン・ファンネルとかゆーのもあったし平気平気。

 ボクの意思に従って、ブレードが宙を飛んで。

 キューちゃん達の前に、壁のように立ち塞がった。

「ぬおわっ!? なんじゃこりゃっ!?」

「にゃー」「みゃ?」「にうっ!?」

 急ブレーキをかけるも、ブレードにぶつかるキューちゃん達。

「ホールドっ!」

 そこをブレードを丸めて拘束する。

「ちょ、なにすんのっ!?」

「にゃっ」「みゃ」「にぅ!」

 キューちゃんに、黒3、白3、三毛3の1人と9匹をなんとか抑え込むことに成功。

 ブレードは拘束と同時に、地上からの攻撃から守る盾にもなる。

「キューちゃんたち、いい加減にしてー! こんなことしてる場合じゃないでしょー!」

「いや、まずはあいつら大人しくさせんと、話すら聞こうとせんやん」

「自分が侵略者やってたって忘れてるでしょ、キューちゃん」

「あー」

 ようやく気がついたらしく、キューちゃんが顔を押さえて呻いた。

「ちくちょう、完全な善意でついてきたんやけどにゃー」

「ごめん、少し大人しくしててね」

 キューちゃん達を空中で固定したまま、スラスターを吹かせて地上に降りる。

 土嚢の影から銃を突きつけられるけど、気にせずにずんずん歩く。

「野井さーん、お話聞かせてください」

「……お前、もしかして痴女」

「痴女ちがうし」

 足元からの声に思わず反論して、見下ろすとプレイヤーっぽい格好の男の人が茫然と突っ立っていた。

「……でかいから、巨獣エリアの巨人かともってたら、お前、プレイヤーなのか」

 どうやら、掲示板かもしくは島エリアの怪獣イベか何かでボクの姿を見たことがあったらしい。10メートルの巨体だけど、見た目はアユムのまんまだからね。それなりに名前と顔が知られちゃってるから、ボクが知らなくっても相手が知ってるってこともあるみたい。

「掲示板とかで見た人? ボクたちプレイヤーだけど」

「なあ、何がここで起こってるんだよ? またなんかイベントなのか? 変のがいっぱい現れてさ、誰も彼もおかしくなっていって、ログアウトも出来ないしエリアチェンジも出来ない。プライベートルームにすら戻れねぇ。なあ、いったい何が起こってるんだっ!?」

 興奮して頭に血が上ってるらしくって、口から泡を吐きながらわめきまくってる。

 あー。そんな状態だと、キューちゃん相手に撃ちまくるのもしかたないかもね。

「まあ取り合えず落ち着いてー?」

 よいしょ、と膝立ちで腰を下ろす。

 警戒しつつも、プレイヤーっぽい人たちがわらわらと集まってくる。

「……あんた、外からの救援、なの?」

 疲れた顔の女の子が、ボクを見上げてぽつりとこぼした。

 支援物資は艦の方に積んでるけど、持ってきてないからなぁ。持ってくれば良かった。

「んー。何が起こってるかわからないから調査に来たんだよ」

「調査? お前、外から来たのか」

「そうだよ?」

「後その格好、なんなんだ」

「えっとね、有人式ゴーレムってやつ? 要するに某のびるすーつみたいなやつ」

「そんなのあんのか」

「あー、それより戦艦の野井さん達と話したいんだけど」

 さっきの通信から、どうも中で揉めてるっぽくて野井さんの応答がないんだよねぇ。

 こっちも武装してるから、許可なくあんまり近づくわけにもいかないし。

 ここでジュ・トゥ・ヴー降りた方がいいのかな。

 悩んでいると。

「行ってくる」

 最初に話しかけてきた男の人が、戦艦ヴェータの方に走っていった。

「おねがいねー」

 そうそう、せっかくだしこの辺にマーカー置いとこうかな。

「ちょっとごめんね、MK2」

 バスケットからマーカーを取り出してスイッチオン。地面に適当に置く。


≪マーカーの起動を確認。艦から通信です≫


『お、マーカー置いてくれたみたいだね! 流石アユムちゃん、仕事が早い』

「あれ、自称神様?」

『おかげで通信可能になったよっ! 戦艦ヴェータいるんでしょ? こっちからも通信するからちょっと待っててねっ!』

「あいあい」

 しょうがないのでそのまま待機。

 なんか周りに集まった人たちがじろじろボクを見て来るんだけど。

 まあ、珍しいからね。

 見られるのあんまり好きじゃないんだけど、まあ、今の格好はまだマシだからいいかな。

「アユム、ネーアとつながった!」

「え、ほんと?」

 バスケットから顔を出したMK2が、シスタブを振りながら言った。

 さっきのマーカーでシスタブの通信も回復したのかな。

(こっちも誰かと通信してみる?)

 えーっと、艦に残った人だと……。

『アユムさん、そっちはどう?』

 って太郎さんから通信来たよ。

(にーちゃんだー)

「ごめんなさい、まだ状況がよくわかんないです。プレイヤーの人たちがエリアから全然移動できない状態になってるってことしか」

『街にいると聞いたけど、街を囲むようにマーカーを配置してくれるかい? そうしたらたぶん、ポータルやリターンコマンドなんかを使えるように出来ると思う』

「あいあい」

 というわけで。

 よいしょ、と立ち上がる。

「このマーカーを街を囲むように配置するとポータルとか使えるようになるみたいだから、ちょっとやってきます」

 周囲に話しかけて、バスケットをぶらさげてのしのし歩く。

 うん。

 装甲とかつけても重くなった気はしなかったけど。

 地面に足付けて歩くと、くっきり足型がつくよ! ボク重すぎっ!

(だいえっとするー?)

 しないよっ!




 ボクたちがマーカーをばらまいている間に、自称神様と野井さんの間で情報交換が行われたらしい。

 結局ボク、マーカーを置きに来ただけだったねー。

(ううー。一回しか銃、撃てなかった―)

 まあ、そのうち機会があるんじゃないかな? なんか敵対勢力が居るのは確かっポイし。

「……オイ、アユム、いつまでオレら拘束してんのや」

「あ。忘れてた」

 戻ってきたら、キューちゃんが恨めしそうな顔で睨んできたので慌てて拘束を解除する。

 ブレードがひゅんひゅんと風を切って戻ってきて、スカートに収まった。

『アユムちゃん、こっちもそっちに行くから、着陸できるだけのスペース確保しといてー』

 話がまとまったらしく、自称神様からそんな通信が入った。

 どうやらナーガ・ナイアーツェごとこっちにくるみたい。マーカーばらまいたから突入可能になったのかな?

「あいあい。でも、大丈夫なんですかー? 全員こっちきたら出られなくなったりとかしないです?」

『中に入らないとわからないことも多いしね! 大丈夫だよっ! ほら、あたし神様ですからっ!』

 ……いまいち信用できないんだけどね。

 今回のも把握してナイっぽかったし。

『じゃあ、頼んだよっ!?』

「あいあーい」

 さて、戦艦ヴェータのそばにそこそこ開けた場所があるし。少し岩山とか崩せばいいかんじ?

 再びブレードを展開して場所を確保しようとしていたら。

「ん、あれ? ちょ、ぬこ、どしたー?」

 キューちゃんが何やら騒いでいた。

「どしたのキューちゃん?」

「ぬこが一匹、ゆーこときかんのや」

 見ると、黒ぬこちゃんが一匹、ミニUFOでふらふらと戦艦ヴェータの方に向かっている。


≪――まさかっ! 敵にっ!?≫


 え、どゆことシェラちゃん。

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