第四十七話 思案
※二千十八年七月一日、誤字修正
小田原城で、後北条を下した後、しばらくして淀君が身籠ったと報告を受けてはいた。
戦地の陣に、諸大名を含めた妻子を呼んだ時に、淀君も呼びばれていた。その他、実にも覚えがあり、不思議ではなかったが秀吉は自身の子であるかは疑問に思えた。
女性は誰の子か分かるが、男性は己の子か疑うという事があるが、鶴松の時はそんな疑問は浮かばなかった。
淀君が産気づいたと聞いた時、改めて、疑惑が頭をもたげていた。
「殿下」
「産まれたか」
「はい」
考えている間に、三成から淀君が子を産んだと報告を受けた。
「どう思う」
「……わかりません」
三成は顔を左右に振り答えた。調べてはいるが、何の情報も入ってこない。淀君の周囲も白を切っているわけではなく、何も知らないと感じていた。ただ、治長と大蔵卿局は、何かを知っているようだったが、話す気配はなかった。
強引に聞き出そうとしても、淀君に近く、秀吉の命でなければ行うことは出来ない。ましてや、疑わしきところがない以上、取り調べては、淀君が猛反発し、豊臣家中に亀裂が入りかねない。
「どうであっても、鶴松にとっては血のつながった弟だ」
「……」
「兄弟で反目しあって欲しくはない。わしと小竹のような関係を築いてもらいたいものだ。間違っても、信長様と信勝様のような結末は防がねばならぬ」
「……」
秀吉の独り言を三成は黙って聞き続ける。
三成としては、秀吉の子だと思ってはいるが、淀銀の周辺を調べれば調べるほど、何かを隠しているように思えて、不安を感じていた。鶴松にとっては兄弟であることは間違いはない。秀吉が危惧するように兄弟で争う悲劇は、三成も避けたいと考えてはいるが、言いようによっては、今後の豊臣家に影響しかねない為、意見は差し控えた。
「淀から引き離すか」
「……」
「そうした方が良くないか」
「……」
「言いにくいか」
「申し訳ございません」
「仕方ないな。ああ、乳母は重茲の処で娘が産まれたようだな」
「はい」
「ならば、重茲に話を通せ」
「はっ」
「そして、淀から子を離す」
その言葉に、三成は眉をひそめた。この件で、木村重茲が巻き込まれることは、気にはしていない。ただ、淀君の言動を思い出し、眉をひそめた。
「何かあったのか」
「……淀君は、鶴松様は取り上げられたが、この子は手元で育てると周囲に言っているそうです」
三成の言葉に、片眉を秀吉は上げた。
話を通すことなく、勝手に決めている淀君の発言に秀吉は気分を害した。そして、淀君の周辺からも話がないことも、いらつきを感じた。
「淀も周囲の者も、わしをないがしろにする気か」
「そのようなことはないかと」
「たわけ」
三成が弁護をしようとすると、秀吉は激昂して立ち上がり言葉を止めた。
子を産んだ母が子を手元に置きたいと思うのは分かっているが、それを周囲が容認しようとしていることが許せなかった。それを擁護するような発言をした三成に怒りをぶつけることになった。
「申し訳ございません」
頭を下げたまま、三成は一歩下がり、更に謝罪の言葉を出した。
その姿に、秀吉は手にした扇子を強く握りしめて、三成に投げつけた。
投げられた扇子は、三成の背中にあたり跳ね返り、襖に当たった。
一度、片足を力を込めて踏み込み、舌打ちをして、秀吉は座りなおした。
「もういい、顔を上げろ」
「……」
沈痛な表情をしながら、三成は顔を上げた。
「まあ、良い。しばらくは、置いておく」
「……」
「引き続き、調べ続けろ」
「はっ」
誰の子かは別として、淀君の周囲を調べることを続けるように三成に命じた。
「もし、大陸へ行くことが無ければ、わしは出家する」
秀吉の言葉に、驚きの表情を三成は浮かべた。
まだ、鶴松は元服をする年齢でもなく、政務をとれることはない。今、秀吉が出家することが、どのような影響を及ぼすのか、三成は読み切れていない。
「考えてもみよ、陛下も院政を敷いて、政務をとっていたではないか。前例がないわけではない」
「……しかし」
「秀次あたりを中継ぎで使うのも考えておる」
「身を引きますか」
「だから、後見人となり、鶴松への引継ぎをさせる。秀次を支える者たちは、わしが選び言い含めれば良い」
一度、権力を握ったものがそれを手放すのだろうかと、三成は疑問だった。
「やつなら女子をあてがえば、案外あっさり身を引くと思うがな」
「しかし、周囲の者は引かぬかもしれませぬ」
「確かにな……」
三成の言葉に、顎を撫でながら答えた。気の良い秀次がそこまで権力にしがみ付くとは思わなかったが、一理あると考え直した。
「やつには、一門衆の筆頭になってもらわなければならないが」
「……」
「まあ、やつにも鶴松の考えた学校に行って、学びなおしてもらおう。戦下手は仕方ないが、内務はがんばってもらわなければ」
「はい」
「しかし、伊達の小僧と一緒に、女子の話で盛り上がっていたとは、情けない限りだ。狸や小僧に付け入れられぬように、長康には伝えておく、呼んでおけ」
「分かりました」
武家ではない秀吉には、頼りになる一門衆がいない。秀長が長老として重きを置いてもらいたかったが、病には勝てない。持ち直してはいるが、日に日に衰えている事は報告で上がってきていた。
利休や秀長が居れば、己が死んでも盤石と思っていたが、その二人もいない。生死を共にし、心から頼れるものたちが、鬼籍に入っていった。利家は、心許せるが同じような歳であり、家を残すためならば離反するだろう。
長康ぐらいしか残っていない。譜代も一門も、子や孫の世代になってしまった。そのことにより、繋がりも薄くなってしまったと感じていた。
秀吉は、寂しさと虚しさと焦りが心を占めるようになっていた。このままであれば、先を考えず狂ったように動いた可能性もあったが、鶴松と接することで、心が軽くなった。
その反面、幼子の鶴松の健康や将来の不安が心を占めるようになったのは、上手くいかないものだと秀吉はため息をした。
頼りは、岩覚だと考え、伝えれることは伝えねばと、心に決めた。
長康は、秀吉に呼ばれ、秀次のことで叱責を受けた。
叱責と言っても、呆れ半分と言ったところだが、豊臣家の一門筆頭としての心構えを叩き込めと、無理難題を言われ肩を落とした。
戦に期待はされていないが、内務や交渉などにできるようにと、学校でしっかり学べと言われた。政宗と女子の話で盛り上がった話を秀次から聞き、怒鳴りつけたことを思い出して、途方に暮れた。
これならば、少数で敵に突撃しろと言われた方がましだと、顔を左右に振った。
「おお、長康、帰ったか。ご苦労だった」
長康が秀次の屋敷に入ると、庭で子どもたちと戯れている秀次がいた。長康に気が付いた秀次がねぎらいの言葉をかけた。
その姿を見て、善良であるのだがと、長康は深い溜息をついた。
「殿下はなんと」
子どもを抱きかかえながら、長康に秀吉から言葉を聞いた。
「学校にて、真面目に学べとのことです。豊臣一門筆頭として、心掛けよと」
その言葉に、秀次は困った表情を浮かべた。
「む、子どもの前で、その話はどうかと思うぞ」
「まだ、幼子、わかりますまい」
「まあ、そうなんだがな。筆頭と言われてもな、秀長叔父上のような才もないのに、無理だろうに。長吉殿が居るではないか」
素直な言葉に、深い溜息をついた。
「長吉殿は、一門ではありますが、殿下の血は入っておりません。殿は豊臣家としての筆頭家として、殿下を支えねばなりません」
「はぁ」
やる気のない溜息を、秀次はついた。
「せめて、学校では女子の(おなご)の話で盛り上がるのは、やめてください。御子の見本になれるように、励んでいただければ」
「……分かった」
めんどくさそうに、秀次は頷いた。
「それに、女子遊びをするのにも、銭はかかります。しっかり、働いてください」
「わかった、分かった」
「それと、政宗殿と文のやり取りもするとの事ですが、注意してください」
「分かっている。お主にも文は見てもらうではないか。心配し過ぎだ」
気が良い秀次が、腹に一物ある政宗にたぶらかされないか、長康は心配している。秀吉も三成も見ているだろうし、下手をうてば、秀次の関係者がすべて腹を切り、首を落とされる危険性がある。脇の甘い秀次を支えるのには気苦労が多い。
秀次は、秀吉を陽気で懐の深いと思っている節があるが、長年側にいた長康には感じていたことがある。いつもへり下り陽気な秀吉だが、自尊心が高いこと、残忍で酷薄な心を持っていることを感じていた。その心の奥底を表に出さず、気が付かれないように注意を払っていたことを、正勝と話し合ったことがあった。
甘い顔だけでは、生き抜けないという事は理解はしている。秀吉のそれは抑え込まれた鬱屈から来ているだけに、一度心のたがが外れると、陰惨な結末にしかならないと正勝と共に長康は心配していた。
鶴松の誕生と共に、たがが強まったと感じていた。もし、亡くなってしまったら、その冷酷な表情を誰に向けるのかと、冷や冷やしており、秀次の行動にも注意喚起をし続けてきた。おっちょこちょいで、子どもっぽく、人の良い秀次を支えようと気を引き締めた。
「小十郎よ、秀次殿はなかなか話が分かるな」
「……」
「おい、藤次郎、小十郎の眼が死んでいるぞ。学校とやらで何をしてきた」
「何って、秀次殿と好みの女子の話をしてきたぞ」
景綱が手の付けられない馬鹿を見るような表情で政宗を見ていたので、成実が気になって話しかけた。学校というところは学問をするところで、決して女子の話をするようなところではないと成実は考えた。
それなのに、政宗は胸を張って、堂々と女子の話と断言したので、駄目だわと言った表情になって、景綱を見た。
「小十郎、この馬鹿を学校にこのまま行かすのは問題ではないか。伊達家が侮られ、殿下に罰せられないか。演技でやっているなら良いが、本気だからたちが悪い」
「成実殿、何を言っても無駄です」
「ははははははは」
冷めて目で、政宗を見ながら景綱は答えた。
「しかし、秀次殿は、衆道には興味がないようだな。殿下もそうだが、武士のたしなみを知らぬとは、やはり出自の問題かな」
「殿」
「貶しているわけではないぞ、楽しみというものはいろいろあるという事を知らないのは、かわいそうなことだと思うがな」
「……藤次郎、人それぞれだ。それと、その言い方は、殿下の逆鱗に触れる恐れがあるぞ」
「屋敷内だ、外では言わぬ」
「当たり前だ」
秀吉は出自に関して、当初はいろいろ言われても、笑い飛ばしながら話の種して、周囲を笑わせていた。しかし、織田家から天下を奪ってからは態度が変わり始めた。
足利義昭に養子を断られ、征夷大将軍の道が閉ざされてからは、関白の位を狙い始め、出自を消し始めた。系図のねつ造は、良く行われているので、金さえ積めば何とでも作り替えることが出来た。だからこそ、過去の出自を言われることを秀吉は忌避した。
各大名家や公家が、果ては庶民まで秀吉を貶めるときの陰口で使われていることも秀吉は知っていた。京や大坂で、出自を揶揄するような落首が掲げられたときは、下手人を徹底的に調べ上げ、さらし首にするほどだった。
楽天的な政宗の言動に、秀吉の行った事を重ね合わせ、景綱も成実も注意を促した。
「それで、学校はどうだったのだ」
「そうだな、南蛮の事や医術の事、文字についての事など、目新しいことはあった」
「南蛮や医術は分かる。文字とはなんだ、我々は習ったものと違いがあるのか」
「ある。簡単に言えば、文字の形や大きさを統一することだな」
「ん、書を見て学んだが、大きさは別として、文字の形に違いがあるのか」
成実の言葉に、景綱は苦笑した。文字の勉強として使われる書籍の文字は、形も整えられており、見やすい者が多い。しかし、大半の者たちが書く文字は、独特の癖があり読みにくい者も多く存在していた。
書状であれば、それも許されるが、報告の署であれば、読めないのは問題だと思っていた。
「升のような線があって、その中に、見本となる文字を書く練習をするようだ。物自体は、向こうに置いておくように言われていて、持って帰ってきていないが、また今度見せてやる」
「良いことがあるのか」
「個人的な文のやり取りであれば許されますが、報告用の書状は、分かり易い文字の方が良いです」
「まあ、確かにそうだな。でも、わざわざする事か」
「手習いの一環でしょう。基本的に、学びに来るのは幼子や元服前の子どもたちですから」
「そうか、それなら分かるか」
「南蛮の事、日本以外の国が書かれている地図など、おもしろかったぞ。俺が持っているものより詳細だった」
「ほう、それは見てみたいな」
「ああ、そうだ。日本は小さい島だ。そして、海の春榊には広大な土地が存在している」
「明や大陸のことか」
「いや、方角は逆だ、それに、南にも数多くの島があるようだ」
「なんと」
「宣教師どもが言っていた通りだが、やつらより詳細な地図に思える。明に行くより、そちらに言った方が、おもしろそうだ」
「しかし、殿。その土地土地に病が存在し、対策なくば死にに行くようなものと、そして、対策出来ぬこともあると言っていました」
「分かっているよ小十郎、しかし、この狭い日本に留まる必要ないだろう。外に出れば、国を興せる可能性もあるぞ」
「そして、不満分子を外に放り出すというのが狙いか」
「それもあるでしょう、成実殿。それ以外にも南蛮に取られる前に押さえておきたいとも言っておりましたな」
「最初に、そのような話、ちと、大き過ぎぬか。我らに言う事かな」
「私も感じましたが、初回は、三成殿を始め、豊臣家に関わる方々が多く、子どもたちが字の練習をしている時に話されていました」
「我々は、外様だぞ」
成実は、秀吉の意図を図りかねていた。三成など、小姓や親族に対してだけであればわかるが、外様の者たちにも話すのはなぜか頭をなやました。
おいしい餌をぶら下げて、不満を抑え、追放するための手段のように思えてならなかった。
実際は、秀吉ではなく鶴松が、ヨーロッパ諸国が動き出し、世界の形が作られる前に、アメリカ大陸やハワイ、オーストラリアなどで一定の影響力を持ちたいと考えての講義だった。
「なんにせよ、外には土地が余っていることが分かっただけでも大収穫だ」
「いえ、殿。そこには人が住んでいるのです。空き地ではありません」
「分かってるよ、でも、空いている場所もあれだけ広ければ多いだろう。ならば、我が領民を送り出すことも可能であろう」
「確かにそうですが……」
「それに、明や朝鮮を攻めたところで得れる土地がどれぐらいかあるのか。言葉の通じないものたちを治めるのは難しいぞ」
「分かっております」
「ならば、海へ出るべきだろ」
「藤次郎が行きたいのは分かるが、お前は行けないからな」
「なんだと」
成実の言葉に、政宗はかみついた。
「当たり前だろう、未知の場所に当主自ら先陣を切ってどうする。まずは、俺や他の者を送り込むべきだ。そして、安全が確保され、跡継ぎが元服した後にわたるべきだろう。何を言っているんだ、お前は」
「いや、まあ、そうなんだが……」
「それに、この話は、明へ討ち入るかどうか判断した後のこと、ここ数年での話ではないでしょう。第一船がありませんし、足りません」
成実と景綱の言葉に、不貞腐れたような表情を浮かべてそっぽを向く政宗。それを見てやれやれと二人は肩をすくめた。
「南蛮に対する情報を得る事と、今後のために、内政を充実させましょう」
「はぁ、そうだな。小十郎、国元の状況と指示はしっかりしておこう」
「はい」
鶴松は、一回目の講義を思い出しながら、思案にふけっていた。
不測の事態を考えて、部屋の中には入らなかったが、隣の部屋で講義を聞いていた。途中途中で、秀次と政宗の会話が入ってきて、本当にこの二人は大丈夫かと、何しに来ているかと首を傾げることはあったが、概ね概略は伝えれたかと思っていた。
「岩覚さん、どうでしたか」
ひとつ岩覚は頷いてから答えた。
「幼子や元服前の子らは、寺習いから始めておりますので、問題ないかと。南蛮や外の国の話は、地図に対して疑問視する者もいましたが、大体は理解されたと思います。初回としては、まずまずかと」
「外の土地に興味を示しましたか」
「おそらくは。後は、商売に関して興味を持たれている方もいたかと」
「外へ出るには、その土地土地に存在する病との戦いが待っていますから、苦難の連続になるでしょうね」
「南の暖かい地域にある瘧や甲斐の国の奇病も存在し、解決にはいたっていません。鶴松様のお話で甲斐の国は手を入れていますが、根絶までは長い道のりになるでしょう」
「ええ、虫よけも含めて、対策はあるのですが……未熟な対策でしかないでしょう」
「ただ、皆は土地を得られるなら、危険を顧みることなく、海を渡るでしょう。病の理由が分かればなおのこと、恐れはしないでしょうね」
「それが良いことか、悪いことか判断できませんが、明に討ち入るよりはましでしょう」
「蝦夷地や琉球も帰属を明確にできれば、交易も活発になると思います」
小氷河期と言われるこの時代の冬の厳しさは、未来で体験した以上のものではないかと鶴松は考えた。それでも、人は生活をしている。その適応能力の高さが人類が発展した元であると考えていた。
その為、千島列島や樺太、シベリアまで勢力を広げる事が出来たなら、後のロシアの脅威も防げるのではないかと考えていた。当然、食料などの支援は必要になると計算はしている。
「調査している人たちが帰ってきてからが勝負になるのでしょう」
「はい」
どう秀吉を説得しようか、鶴松は岩覚と話し合いを続けた。
「明は滅びますか」
「分かりません」
明と言う国が亡びるの歴代の中国王朝を見れば逃れる事が出来ないと鶴松は思った。大国であるがゆえに、末端の腐敗は深刻だろうと思えた。
秀吉が朝鮮へ攻めた時の援軍の負担も崩壊の一因になったとも言われるが、今回止めれば、明の寿命は延びるかもしれない。李成梁が罷免されることなく遼東に居続ければ、ヌルハチも簡単には動くことが出来ず、後金の勃興はないか、遅れる可能性もある。女真族の矛先が朝鮮半島に向かう可能性は高い。朝鮮とヌルハチとの戦いで、秀吉との戦いのなかった明がその戦力をヌルハチに向けることがあれば、女真族は敗れるかもしれない。
明を攻めるか攻めないかで、情勢はかわるのかもしれない。
「このまま明が存続したとしても、旺盛になることはないと思います。琉球などに影響を伸ばしても反応はないと思います」
「こちらとしては、願ってもないことですが」
「ええ、でもその代わりに、南蛮の者たちとの戦いになるかと。彼らは強欲です。まして、我々を人と見ていないかもしれません」
「……」
「ですので、情報を集めねばなりません」
「堺や博多も含めて、商人たちに情報を集めさせています。あの者たちが持ってくる奴隷も複数購入しており、今後も続けていきます」
「お願いします。大陸攻めがうまみのないこと、他の地域へ渡ることが利になる事を説明できる情報を集めましょう」




