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探偵令嬢は殺人事件の夢を見るか  作者: 十二箇月遊
「新月の儀」の謎
2/24

依頼は粗野に

もうちょっと、刑事役を魅力的に出来ればよかったのにと思います。

ミザールの警視庁は、中央官庁の建物があつまった一角からは少しばかり離れた場所に位置していた。近年では首都の治安維持の全権を担うに至った警視庁であったが、その立地が示すように、王国内での立場はまだまだ弱いのだ。

赤レンガからなる近代的な警視庁の建物にしても、その新奇さを褒め称える者がいる一方で、歴史の浅さが知れる軽薄な代物であると馬鹿にする声も多いのである。


そんな国の革新的な部分を象徴する建築物の前に、旧態依然とした伯爵家の紋入りの馬車がぴたりと止まった。馬車は白塗りで要所要所に銀の細工が施された見事なものであったが、それを引いている二頭の馬は息もたえだえだった。これはエヴァが伯爵家の所有していた全ての馬を妹に譲ってしまったため、辻馬車屋のやせこけた馬で急場を凌いだためであった。


このことが示すように、エヴァンジェリン・グッドフェローは馬車という乗り物が嫌いだった。特にエヴァが今乗っているような四輪からなる仰々しいものは、彼女の好みの極北にあるといっても過言ではなかった。


しかし、金糸で複雑な刺繍がほどこされた緑のドレスに身を包み、それに相応しい踵の高い靴をはいた状況では、いかに彼女でも馬車に乗るしかなく、いざ馬車に乗るとなれば伯爵家の家格からして、二頭立てで四輪ものしか選択肢が存在しないのである。


それでもエヴァは当初、肌の色を白粉で隠したサハルを連れて呼び寄せた辻馬車に乗り込もうとしたのだが、使用人頭であるウィリアムズに説得され、しぶしぶこの馬車に乗り込んだのであった。

そのウィリアムズは現在、御者として馬車の前方に陣取っていた。ほとんど頭の禿げ上がったこの小柄な老人は、エヴァの破格の年金付きでの引退の勧めを断り、伯爵家への奉公を続けている忠義者で、彼に伯爵家の栄光の歴史を説かれると、さすがのエヴァも折れることが多いのであった。

とはいっても、犯罪を取り扱う警視庁などという野蛮な場所に、伯爵家の令嬢が乗り込もうとしているにも関わらず、特に止めようともしないのだから、彼もまた世間一般でいう常識人とはかけ離れたタイプではあったのだが。


「では、言ってくるよ」

「ここでお待ちしております、お嬢様。サハル、お嬢様をよくお守りするのだぞ」

「心得ております。ウィリアム様」


サハルは先に馬車から降りると、ぐるっと周り込んでエヴァが降りるのに手を貸した。


「普段、無いものが付いてるせいか。重心が前に傾いている気がするよ」

「そこまで、エヴァンジェリン様が胸のことを気にしていたとは意外です」

「いや、今のは気にしていないことを示す冗談のつも──ふむ、意識し過ぎか。確かに、同じものを食べていて、ここまで差が開いたことに思うところは多少あるかな」

「エヴァンジェリン様にもカサンドラお嬢様にも、それぞれ他に真似しようがない美があると思うのですが」

「そりゃ、そうなんだけどね。人間、無いものが欲しくなるということさ」


二人はいつものように取りとめのない会話をしながら、警視庁の中へと入っていた。

受付を担当していた新人警官は来客を示す鈴の音を聞き、オーク材で造られた重厚な扉の方へ意識をやったところで、度肝を抜かれた。そこに入ってきたのは、見るからに貴族の令嬢然とした見目麗しい女性であり、後ろには扉を開いたままの状態にしているメイドまでご丁寧に付いていたのだから、無理もない話である。


もちろん、警視庁は全市民に開かれた組織であるから、女性が訪ねてくることもあるにはある。だがそれは、社会的に階級が低い女たち──娼婦や下女が専らで、屋敷勤めのメイドですら訪ねてくれば、受付を担当している警官たちの間で一月はその話題が続くレベルなのだ。なのに、彼の目の前には貴婦人が立っているのである。

だが、そんな彼の戸惑いなどお構いなしに、エヴァは平常運転だった。


「失礼。ジャック・アーチボルド刑事はいらっしゃいますか?」

「は、はい。刑事は今、二階の仕事場にいらっしゃると思いますが、どのようなご用件でしょうか」

「用件、用件ね。いや、なに、このアーチボルド刑事が、わたしと結婚する前に、是非ともこちらの”具合”を確かめたいとおっしゃってると聞いてね」

「エヴァンジェリン様」

「冗談だよ、冗談」

「あまりヘンリー様を虐めますと、また屋敷から足が遠のきますよ」

「それは困るな。たまには叔父様の顔を見ないと、精神の調子が悪くなるんだ」


二人の会話を呆気に取られて聞いていた警官から呻き声がもれた


「あ”悪魔の花嫁”?」

「知っているなら話が早い。さっさとアーチボルド刑事に連絡をつけてくれないと、一族郎党に不幸が訪れちゃうかもしれないよ」


エヴァの言葉に、警官は顔を真っ青にしながら二階へと駆け上がっていった。そんな彼の様子を見て、サハルは気の毒そうにため息をはいた。


「エヴァンジェリン様、あまり善良な公僕を虐めないでやってください」

「いやね、本人を前にそのあだ名を口にするとはいい度胸だと思ったんだけど、ただのマヌケだったらしい。受付がこれではこの組織の底も知れるな」

「それは、わたしもそう思ったところです」


バタバタと大きな足音を立てながら、受付係の警官は二階から戻ってきた。


「あ、あの、アーチボルド刑事は部屋でお会いになるそうです」

「そう。もちろん、その部屋まで君が案内してくれるんだよね?」

「そ、それはもち、ろん」

「無理をなさらないで下さい。部屋の場所だけ教えてくだされば、二人でも行けますので」

「いえ、これも仕事です。後ろをついて来て下さい」


まるで体の中に針金でもねじ込まれたかのようにギクシャクと歩いていく警官の後を歩きながら、サハルは内心で彼の評価は少しばかり修正した。彼女は職務に忠実な人間を尊ぶのである。

エヴァは半歩を前を歩いているサハルの微妙な表情の変化を見て、その内心をほぼ正確に読み取ったがコメントは控えておいた。彼女からすれば勝手に怯えられ勝手に克己されただけの話であり、失礼以外の何ものでもないのだが、良き主人は仕事さえきちんとしていれば使用人が雇い主のことを歩く災厄か何かだと思っていたとしても、わざわざ口に出して諌めたりはしないものなのである。


「エヴァンジェリン・グッドフェロー様をお連れしました」

「ご苦労。扉を開けたら、仕事に戻って結構だ」


警官が二階の階段に一番近い部屋の扉をノックすると、中からは耳に心地が良いバリトンの声が返ってきた。エヴァは扉を開けるといそいそと一階へと戻っていく男に苦笑しながら、サハルと共に部屋の中に入った。


エヴァは部屋全体をざっと見て、成金の息子という割には趣味はそこまで悪くないらしいと結論した。窓があるにも関わらず煌々とろうそくの光が満ちるその部屋は、応接用と仕事用の二つの部分に分かれており、入口から見て奥にある仕事用のスペースには天板の上で大の男が二人は寝れそうな仕事机が鎮座していた。


応接用のスペースには、花瓶がのった円卓とそれを囲むように四脚の椅子が置かれていいたが、仕事机と円卓と椅子はおそらく同じ樹から作られた一式であり、廊下に張られたものより明らかに高級な赤褐色の絨毯とよくマッチしていた。


花瓶は東からの輸入品で、瓶にさされているのは花ではなく同じく東からきた笹であった。警視庁という場所を考えると、笹を飾るのは少しばかり遊び過ぎなきらいもあったが、その鮮やかな緑が重くなりがちな部屋の雰囲気を中和にすることに役立っているのも事実ではあった。


財を隠すことはしないが、示威よりは機知を好む男、人並み以上の自負の持ち主。それがこの部屋を見て、エヴァがジャック・アーチボルドという人間に下したとりあえずの判断だった。


「どうぞお座りになってください。この書類仕事が終わったら、わたしもそちらに行きますので」


エヴァの方も見ず、この部屋の主はそっけなくそう言った。そこには明らかに牽制の意図が込められていたが、エヴァはそんなものは歯牙にもかけずに再度の許可も求めず椅子へと腰掛けた。サハルは、ヘンリー様がこの場にいたら、これだけで卒倒ものだなと思いながら、何も言わずに自分の主人の横にすっと立ったままいざというときのために全身の力を抜いた。


「お待たせしました。ヘンリー卿からは、常々そのお美しさは聞いていたのですが、実物は想像以上ですね。この予期せぬ出会いを神に感謝しなければ」


立ち上がったジャック・アーチボルドは茶色ががった赤毛をきれいに撫でつけた青い目の中々の美男子であった。とはいえ、エヴァとしては、ジャックの顔面の美醜より、彼の190センチを超える巨体にスラリとした印象を与えることに成功している、その灰色のスーツを仕立てた職人の腕の方がずっと気になったりはした。


「申し訳ありません。亡くなった両親から、結婚前の娘が軽々しく殿方に触れるべきではないと躾けられておりまして」


もちろん、真っ赤な嘘だった。ジャックが差し出さした右手を見た瞬間、ここを訪ねて目的の全てが達成されてしまったため、エヴァは一気に興ざめしたのだが、少しはこの若刑事をからかってみるのも悪くはないかと思い直したのだ。

ジャックは空を切った手で自分の後頭部に撫でながら、チクりとエヴァは口撃した。


「そうですか、単身でこの警視庁に乗り込んできた方が、これはまた随分と古びた考えを大切にしておられるのですね」

「単身ではありませんよ。ここにいるサハルがいてくれればこそです。わたくし一人では怖くて街も歩けませんよ。ああ、そうだ。せっかくですから、わたしの変わりにサハルと握手をしてもらえないでしょうか?彼女はわたしの一部のようなものなので」

「もちろん、こちらとしては構いませんが。あなたには劣るとはいえ、こんなにも美しいお嬢さんの御手にさわれるのは、紳士としての喜びですからね」


どうにも試されているなと感じ、ジャックは少しばかり不快だった。しかし、人を試すということは逆に試されるということでもある。使用人階級に対する偏見を計るということは、エヴァの中にそういった偏見があるということだと思い、ジャックは内心でそういった偏見が無い自分を誇ったが、サハルとの握手から戻ってきた自分の手を見て、ぎょっとした。手に白い粉がびっしりとついていたからである。

ジャックが慌ててサハルの方を見ると、彼が握手した彼女の手の平に褐色の肌がのぞいていた。出来れば水を使って、この手を拭いたい。ジャックは内心で強くそう思ったが、口から出たのはいとまを告げる言葉ではなかった。


「ずいぶんと変わった使用人をお雇いのようだ」

「変わっていますか?確かにこれだけの器量があれば他にも生きる道はいくらでもあるのでしょうが」


以外に胆力がある。ヘンリー叔父さんだったら、わたしに掴みかかってサハルに一瞬で投げ飛ばされているところだ。エヴァはそんなことを思いつつ、ちらりとサハルの方を見て少しばかり笑ってしまった。メイド服のせいで目には見えにくいが、サハルの重心が明らかにジャックの方へ移っていたからだ。どうやら、主従して思ったことは同じらしい。

自分に向けられた視線に気づいて、サハルは姿勢を戻しながら己の主人に乞うような視線を返した。目の前の男に少しばかりは慈悲をくれてやれというのである。エヴァとしては、もう少し遊んでも大丈夫だろうという印象であったが、これは冷静な観察というよりは彼女の願望だという自覚もあったので、ここはサハルの忠言に従うことにした。


「ところで、その指輪はオーグス大の卒業者に贈られるものですよね。たしか紳士録には、アーチボルド様は海外の大学をお出になったと書かれていたと思うのですが」

「あれは、金で買った学位です。わたしの歳でオーグス大を出ているというと、色々と邪推する人間がいるので、父が嫌がりましてね」

「お父上は正しいと判断されていると思いますよ。わたしなんて、ウィルお兄様と婚約していたというだけで、化け物みたいな扱いをされているわけですから」

「──まだ、あの人を兄とお呼びになるんですね」

「ええ、アーチボルド様はお分かりと思いますが、ウィルお兄様より優れた殿方をわたしは知りませんから」


ジャックは一瞬だけ返答をためらった。彼らが今話題にしているのは、国家転覆を謀り、死刑の罪が確定しながら海外へと逃げおおせた男のことだったからだ。彼を認めるということは、刑事の身でありながらこの国の司法の決定に逆らうということに等しい。

だが最終的にジャックは小さく頷くと、自分の殻を破るようにその喋り方を変えた。そうすると今までスーツの中にきれいに納まっていたはずの身体から圧力のようなものが出てくるから不思議なものだ。


「で、そんな先輩が、唯一対等と認めた知性、それがアンタだ。聞いてるぜ、あの連続殺人の犯人を警察より遥かに早く当ててみせたってこと」


エヴァはそれを聞いて、なるほどお兄様が好きそうな男だなと変な感心をした。彼も彼女の骨の髄まで貴族的人間であるため、むしろ粗野なところがある人間を好ましく思う傾向があるのである。


「それは言葉は過ぎるな。わたしはただ、あの人の後ろを一生懸命追いかけてただけだからね」

「じゃあ、アンタ以外にはそれすら出来なかったってことだ。率直に聞くけど、俺とこの警視庁のことをどう思う?」


エヴァは度々、新聞の一面をかざるジャックの活躍の記事を思い返した。


「華々しいご活躍だなと思いますけど」

「茶化すなよ。親父は、俺のことを持ち上げるし、それが警視庁の宣伝にもなる。別にそれは悪く無いが、中身がともってなきゃ、ただの道化だ」

「つまり、成果が欲しいと」

「ここ一年、自力で色々とやってはみたが、どうにも孤立無援でね。親父ですら、俺はニコニコ人当たりよく笑ってりゃいいって言う。信じられるか?この国ではまだ怪しいやつが自白するまで殴りつけることを捜査って言うんだ」

「それで、わたしとの結婚か」

「悪い話じゃないだろう?アンタは結婚さえすれば、後見人が管理している伯爵家の財産を自由に出来るようになるんだ」


代わりにジャックは伯爵の称号を得ることになるが、損得を測れば、彼の方がかなり不利ではあるなとエヴァは他人事のように計算した。彼の家を財産を考えれば、伯爵どころか上手くすれば落ち目の公爵家の娘との結婚すら非現実的な出来事ではない。ずいぶん高く評価されたものだとエヴァは思ったが、同時に何とも夢見がちな男だなとジャックのことを評価した。


「申し出は嬉しいけど、お断りさせてもらうよ。わたしには結婚する気はないからね」


断られることを想定していたのか、ジャックは余裕の笑みでもう一度プロポーズしてきた。


「もし、先輩に操を立てているなら、心配しなくてもいい。子供なんて他の女に産ませればいい話だ」

「いやいや、そういうことじゃなくてね。わたしには結婚しても特に得るものがないのさ。調べれば分かることだけど、現在のグッドフェロー家の財産は本屋敷とその敷地を除けば、いくつかの州に存在する葡萄園くらいしかないんだよ」


エヴァの言葉に、ジャックは呆気に取られた様子だった。

それも無理の無い話で、グッドフェロー家は由緒ある貴族の家柄ながら、商才に富んだ当主を輩出することで知られ、その財産は他の伯爵家の財産を足し合わせたよりも多いとまで噂されたくらいだったからだ。

とはいえ調べれば分かることなのである。まして、警視庁の刑事という立場にあれば、片手間できる作業のはずだ。それをしなかった男の中で、どういった夢物語が展開されていたかを想像して、白馬の王子に救われる囚われの姫って柄でもないだろうと、エヴァは自分のことを嗤った。


「しかし、なら、やはり俺と結婚するべきでは──というより、後見人のヘンリー卿を訴えるべきだぞ。多少の財産の流用ならともかく、そこまで悪烈となれば、裁判でこちらが負けるはずがない」

「いや、負けるんじゃないかな。伯爵家の財産をわたしと妹と叔父さんのものに分けたときに、あとで揉めないように同意書に署名したしね」


平然と答えるエヴァにジャックは二の句が告げられなかった。彼は成金の息子として、それなりに金というものに思うところはあったが、その力を疑ったことは一度としてなかった。だが、目の前にいる自分より歳若い娘は、そんなもの少しの価値もないという風情なのである。

もちろん、ジャックは貧乏貴族の惨めですらある矜持の高さや、貴族の娘の何ともボンヤリとした金銭感覚を、その目で見たことはあった。だが、エヴァのそれはそのどちらでもないように見えるのである。

ジャックは大きく息を吐いた。


「先輩の言う通りってことだな。アンタは、俺がどうこう出来るような女じゃなかってことか。悪かったな、余計なお世話だったらしい」


自分の失敗を素直に認められる器量の大きさはあるのか、しかしな。エヴァは彼女には珍しく少しだけ決断に迷った。心の中で形成されたジャックに対する心象に、彼以外の人間の評価が混じりこんでいることは明らかだったからだ。

だが、彼女は最終的には自分の抱いた心象に従った。それがエヴァンジェリン・グッドフェローという人間の運命を大きく変えることになるのだが、そのときの彼女は知るよしもないのだった。


「とはいえ、アーチボルド刑事。わたしにも一つ欲しいものがあるんです。貴方ならそれをわたしに提供出来ると思うんですが」

「ずいぶんと、もったいぶった言い方をするもんだな」

「ええ、わたしのような娘が欲しいといえば非難は免れない代物なものですから。こちらとしても口にする勇気が中々わかないんです。そこでどうでしょう、おそらく、今回の結婚の申し出のキッカケになった事件か何かがあると思うんですが、そrをわたしが見事に解決したら、わたしの欲しいものを下さると約束してもらえませんか」


心なしか、エヴァの白い頬を朱色に染まり。その瞳はうるんでいるように見えた。


「一つ聞くが、それは高いのか?」

「いえ、それ自体には一銭の価値もありません」

「じゃあ、珍しいものなのか?」

「いえ、実にこの世にありふれたものです」

「アンタには無理だが、俺なら簡単に手に入るんだな?」

「ええ、間違いなく」


そのとき、ジャックの頭の中で想像されたのは子種だった。彼はすぐにその想像を打ち払ったが、他に何も思い浮かばないのも事実だった。それに、せっかくエヴァが協力してくれると言ってるのに、ここで機嫌を損ねるのは上手くない。

そんなジャックの内心を見透かして、サハルが哀れみの視線を送っているのも知らずに、彼はその不可思議な事件について語り出したのだった。


次は、事件編で、その次が解決編ということになります。刑事役を省いて、ヘンリー叔父さんに事件を喋らせた方が良かったかなという気はしないでもない。

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