第1話
亀更新の可能性大です。
心広く、気長に待って頂けると幸いです。
また、この小説をお気に召さない方は即刻回れ右でお願い致します。
私は敬われるべき存在だ。
我儘を言っても許される存在だ。
私の言う事が絶対でしょう。
それなのに今、私の置かれている状況と言ったら・・・!?
「ありえないわ・・・・」
どうして私が、こんなうす暗い所にいなきゃいけないのよ!!
そう、叫ばなかった自分を誉めたい。
これまで経験した事のない事ばかりで私はもう死んでしまうのではないだろうか・・・。
目の前に広がる質素な部屋。
汚れきったベットに机が一つ・・・。
ちなみにここを2人で共有して使うとか、一体何の冗談だろう。
目の前がくらくらしてきた。
ふらふらとそのベットへ近寄ると、今持っているハンカチを出しその上に置いた。
「直接座るなんて冗談じゃないわ。ドレスが汚れてしまうじゃないの」
ドスン!とハンカチの上に腰を下ろすと、ベットがギシギシと悲鳴を上げる。
「まぁ、やっぱり質素なベットは作りも大した事がないのね。座り心地も最悪だわ」
口元を手で覆ってなるべくこの部屋の空気を吸わないようにした。
きっと、何かの手違いなのだろう。
私がこんな部屋なわけがない。
ここへ連れてきた騎士は、絶対に首を跳ねてやるわ。
私をこんな所へ連れてきたんだから、それくらい当然ね。
「それにしても、いつになったらこの国の王様は私の事を迎えにくるのかしらね」
せっかく私がここに嫁いで来て差し上げたと言うのに、夫となる王様本人の迎えもないとは信じられない。
それどころか、私を迎えに来たものはこの国の宰相と名乗る男だけ。
そして、私をこの部屋へ連れてきた騎士だけとは一体どういう事だ!!
「やっぱり国を出たのが間違いだったんだわ」
そういうと質素なベットから立ち上がり扉を開けた。
何と、扉までの距離はたったの3歩。
ありえない。
汚い取っ手を取ると、その扉を開けた。