鍵を握る紅い館…… 運命
実は俺…
もうひとつ別に能力を持っているんだ。
でも、それはただの一般人には強力過ぎる………
そう感じる今………
〜〜〜〜〜
「はあはあ………」
あれから何分走った?
それは、分からないが…………
「?」
とりあえず、今分かることは……突然、気がついたら攻撃が止んでいたこと……
それと「満月………か。」この屋敷のテラスにたどり着いていたこと………
そして………
「ようこそ、紅魔館へ」
当主が俺の前に居て、俺のことを出迎えたことだ………
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
当たらなかった攻撃。
無我夢中でたどり着いたのはテラス………
そして、当主に迎えられる………
これは、運命か? それとも偶然か?
俺は、一度視線をレミリアの方から満月の方へずらす………
「ふふふ……… また、会えたわね……
私はいつでも大歓迎よ。」
「そりゃあ、どうも……」
大歓迎………か。
そりゃあ、嬉しいけど………今回はかなり手荒だったな。
俺は、そんなことを考えながらも満月から視線をまた、レミリアへ戻す。
「ちょうど暇だったから教えてあげるわ。 」
「何を?」
「今回の異変のことよ。」
今回の異変………か。
はっきり言って…完全に俺とは無縁な話だな………
「いや、別に言わなくて良いさ……… 後に俺以外の奴らが来てしまったら言わなきゃならないし………
俺は、別に知りたいとは思わない。」
俺は、はっきり言って………今回の異変とは無縁だ。
ただ単に……ここには速達が入ったから荷物を届けに来ただけ。
「あら、そう……… じゃあ、今日は何の用で来たの?」
………はあ?
「速達があったんだよ……… 俺は、単にそれを届けに来ただけだ………」
俺は、知っていたもんだと思っていたから正直………呆れた。
てか、咲夜さんの人使いの荒さに泣ける…
「へえ……… 咲夜も分かってるじゃない。」
「ああ、レミリアがそうゆう風に言う理由は良く分かるよ。」
分かる、その意味はよく、よく分かる。
「それじゃあ、久しぶりに喋りましょうか。」
「ああ、そうだな………別に急ぐ用もある訳じゃない。」
~~~~~~~
「はあ……… ホントに面倒臭いわね………」
「お嬢様の所へは行かせないわ。」
館の別の場所ではまた弾幕ごっこが始まっていた最中、館のテラスではお喋りと言う名の暇潰しが行われていた。
「いいえ、これは偶然なんかじゃないわ…… ちゃんとした運命よ。」
「ああ、偶然もすべて運命上では決まっている。って言うことか?」
「そうね、すべては運命に縛られている………
無情で悲しいかもしれないけど貴方が言う通り、そういうことよ。」
へえ、何だか参考になるな。
でも、無情で悲しい…………か。
「じゃあ、肝心な事を聞く。
………良いか?」
「何? 言ってみなさい。」
「じゃあ………そうさしてもらおうか。 今回の異変は、
ガッシャァァァン!!
………!?」
今、物凄く………
いや、物凄い音がしたよな………
とか、窓が………
いや、あれは窓ガラスが割れた音じゃねえ!!
まあ、俺がおかしくなってなかったらの話だが……
「居た!!
全く、アンタは私に手間をどんだけかけたと思ってるのよ!!」
うわ、ホントに来やがった………よあいつ。
てか、魔理沙は何処に行った?
「どうやら……
もう、潮時みたいね…」
おい、めちゃくちゃ自分が負けるって言うのが分かってるじゃねえかよ………
ホントに、何だか虚しくて悲しくなるからそんな変なことを言わないでくれ。
「光、さっさと片付けるから……… 貴方に咲夜は頼んだわ。」
え?
今、レミリアはなんて…って、まさか!?
さっきのあの音は………
「す…すみませんお嬢様…………
わ…たしがふがいない………こ…とに………」
俺の予想が的中し、咲夜さんはテラスに横たわっていた。
しかし、見た所、目立った出血はなく、血は出てないから?幸いガラスは刺さってないみたいけどさ………何か、また語順がおかしいか?
「で、なんでアンタはここに居るのよ。」
おい、俺が情報を処理して思案中に入ったタイミングで割り込むな………
「はあ、まったく呆れる。 俺は咲夜さんからの速達をそこのお嬢様に届けてたんだよ……」
「はあ? アンタ、何を言ってんの? 」
いや、はあ?って何だ………
てか、こいつは酷いな……俺だって好きで来た訳ではない。
そうだ、きっとそうだった。
いや、うん、そうだろう。
「アンタがそんなことをしてたわ「でもな、霊夢……」
「何、何か文句でもある?
私はまだアンタに話していたのよ。」
ああ、それはない訳がない…
絶対にない訳が無い!!
「ああ、あるさ… それは、そのお前の態度だ!!」
ああ、文句ならめちゃくちゃある………
貯まりに溜まってるさ!!
「あ………何、私に刃向かう気?」
「それは、どうなんだろうな」
ああ、何だよ面倒臭さ……
「……………」
しかし、いきなり場の空気がいきなり凍る………
いや、ピリピリして来ていると言った方が良いな。
「そこをどきなさい……… そうしないと「そうしないとどうするんだ?」…………」
ああ、この答えは分かってる………
分かってるさ………
しかし、な。
「強行手段を取らせて貰うわ!!」
シュ!!
ほら、やっぱり来たよ。
それじゃあ………
バン!!
俺は、ホルスターからハイパワーを抜いて、瞬時にお札を撃ち落とす。
「!?
ホントにやる気?
あんた………」
「ああ、いつもやられっぱなしじゃ嫌だからな。」
俺はそう言い、顔に笑みを浮かべながら、霊夢にハイパワーの銃口を向ける。
俺が今使っているハイパワーは、ハイパワーでもこれはDA。
つまり、ダブルアクション。安全装置さえ解除してあればシングルアクションと違い、連続的にも撃てる。(弾数は13発)
そして、
9mmパラベダムが拳銃弾の代名詞になる理由を作った、この拳銃がそのスタイルが俺は好きだ。
「アンタ……やっぱり生意気ね。」
「いや、流石に同年代に生意気とか言われたかねえよ。」
さらに、お前は対して日々に対して俺より努力してねえだろ。
こっちはいつも頑張ってんだよ。
商業の中に流通業が抜けたらその後やその前の何も、何にも成り立たないんだからな!!
「へえ、随分と強気ね。スペルカードも持たないくせに。」
「いや、銃とスキルがあれば十分さ。
最悪、軽トラの車載機関銃があるしさ。」
「スキルって……アンタ戦闘は全くダメじゃない。」
「いや、ルーミアと殴り合って普通に勝てるけど。」
「アイツは何か何処か抜けてるじゃない。」
「いや、この間熊みたいな妖獣に囲まれたけどぶっつぶしたぜ。」
「それは、ただアンタが『馬鹿』な奴なだけよ。」
……何か、傷つくな。
「ほら、そんな余裕をこいてる隙なんてあるのか?」
バン!!
バン!!
俺は、霊夢に向けて銃弾を発射する。
空気を切り裂く勢いで9mmパラベダム弾は霊夢に向かって飛んで行くが、「アンタの銃は一応、飾りものじゃなかったのね。」
普通に避けられる。
まあ、飛んでる時点で照準が合う訳無いのだが……狙撃銃や機関銃じゃないしな。
「……でも、アンタに構ってる時間何かないのよ。
私も早く神社に帰りたいし。」
「それじゃあ、これで終わら「レミリア、あとは任せた!!」
「!?」
「ええ、なかなか良い演技だったわよ。」
「まあ、そりゃあどうも。」
「演技!?」
俺は、最後に何故か霊夢が飛ばして来たお札を銃弾で撃ち落とし……そのまま咲夜さんの所へ駆け抜けた。
今のは、霊夢をこちらに近づけて咲夜の安全を確保する為の演技。
ストレス発散も兼ねてはいるが。
しかし、俺がいくら何をやろうとして頑張ろうとしても……さ。
すべてはもう決まってるようなものなんだけどな………
それが今回に定められた『運命』なのだから……