お得意様……?
修正番になりまぁす。
さて、今日に運ぶ場所、配達先は人里の○○さんと○○さん。(ry
そして、こーりんと滞納者だな……
(ちなみに、滞納者と言うのはかの博麗神社で巫女をやってる博麗霊夢のことである。)
こーりんはガソリンを買ったりしたりしてるから良いが、あの、巫女はな………
まあ、本人の前では殺され兼ねないから言えないけど。
いろいろとあるし、ヤバいんだ。
言いたいことはたくさんあるさ。
でも、理不尽な事に力の差は歴然。
さらに俺はスペルカードを持たない………いや、諸事情的に持ちたくはない。
まあ、戦えないその時点で何も言えない訳だ。いわゆる…無条件で戦いを挑まれ、そのままの圧倒的なる実力差で叩き潰されるという理不尽さ極まりない出来事を避けるためにな。
キキキッ!!
おっと、そういえば……あのお得意様を忘れてたな。
あそこはちゃんとやっとかないと行けないんだ。
何故かって?
そんな事は行けば分かる。
通常なら縁も無いような大きさの屋敷の前に車を停止させると、荷台から荷物を取り出して鍵を閉める。
そして、門の前で止まって溜め息を一度つくと、「すみませ~ん、宅配便で~す!!」と、叫び声とはいえないもののそれに比例するような声を俺は発した。
~~~~~~~
俺が運送業を始めたのは数ヶ月前。
きっかけとかは今言うことじゃないが、営業当初は車、自動車自体が珍しく……いや、いろいろな理由でうけなかった。(自動車自体が走っていなかった為だろうが。)
まあ、いろいろだ。いろいろな理由があるから突っ込まないでくれ。頼む。
で、ここからが本題だ。
………ある時からその受けなさが変わったんだよ。
ある時から………な。きっかけとかは今言うことじゃないが………
一番最初、営業当初は車、自動車自体が珍しく……いや、いろいろな理由でうけなかった……まあ、いろいろだ。いろいろな理由があるから突っ込まないでくれ………頼む。
で、ここからが本題だ。
………ある時からそれは変わったんだよ。
ある時から………ね。
確か、それは俺が運送業を始めてから何週間かたった日の朝方だった……っけかな?
いらない?
いや、今日は何となく話したいから話させろ。
~~~
とある日の朝方…
「あ~あ………」
今は朝の5時………
俺は今日も少ない荷物の為に早く起きている。
やっぱし………眠い。
そして、今日も軽トラと運ぶ荷物が置いてある倉庫へ行く。
眠いな…
ガラッ
俺は家から倉庫に繋がる扉を開けて倉庫の中に入ると、今日の配達物が置かれている場所へと向かって歩き出す。
そして、俺が愛用する軽トラの横を……「………って、えっ!?」
何故、突然俺が何に驚いたかって?
それはな………
「………………」
静かに軽トラの前でしゃがみ、凄く真剣に軽トラを観察?をしている少女がいるんだよ。何故だ?
まあ、観察をしてる時点で強盗じゃないし、別に何か物を壊しに来た訳じゃない。多分。
しかし、な、何か何だか気味が悪いんだよ。
俺は普通に音を発ててこの中に入って来たし、歩く時も足音がしたはず………
それに、鍵は閉めてるのに一体何処から入った?
強盗ではなく、壊しに来た奴でも無い。
一体全体どうなってる?
まあ、俺はこう自問自答をし、考えながら数分間少女が動かないか待つことにした。
~~~~
が、数分たっても「…………………」全く少女は軽トラのそばから動かない。
いや、動こうとしないのか?
じっと軽トラの周りを移動しながら観察している………
さらに、まだ俺という人物の存在に気がついていない。
これは、どうしたものか?
気は進まないけども、しょうがないかなぁ。
俺は、そう思うと背後から音をなるべくたてずに近寄る。
そして、
トントン………
少女の肩を軽く叩いた。
すると、
ビクゥッ!!!
跳び上がるように背筋を伸ばし、固まってしまった。
で、何だか見たくない現実がすぐそばにあるらしく、ゆっくりとこちらを向きはじめる。
それはまるで、漫画やアニメのよう……だ。
「…………………」こちらを完全に向いた少女は真っ青になった。
えっ?
何で?
「お~い………」
顔の目の前で手を振っても、頬を指で突いても何も反応しない………いや、別にやましい事など考えてもいないし、してもいない。
しかし、何故?
てか、頬が気持ちいいな。
まあ、これ以上待っても拉致があかなそうだから、作業を続けるか、それとも少女が復活するのを待つか………どうする?
一瞬考えた俺だが、
まあ、当然のこと
『…………よし、作業するか!!』
となり、結局俺が最初に折れた。
俺は立ち上がって荷物を置いてある場所へ行き、荷台に運び出す作業を始める。
暫く時間が経ち、残りの積み込む荷物も少なくなって来た頃。
あの頬さわり心地が良かった少女は………「あの~……………」ついに、声をかけて来た。
「うん? 何?」
対応の仕方は迷ったが?
とりあえず、恐怖心を与えないように……いや、誤解を与えないように笑って返事を返す。
「えっと、その……… ごめんなさい!!」
が、返ってきた返事は正反対。
………笑顔が誤解されたのか?
「い、いや………大丈夫だよ。」
「ほ、本当にごめんなさい!!」
「だ、だから大丈夫だって……」
一応、謝られるのは予想の内だったけれども…こんなに謝られると、何だかかなりひょうし抜けするな…
まあ、そんな彼女は彼女で俺に対して謝らなければ気が済まないだろうなんだろうけれど。
「で、その、もしよかったら………」
え?
突然、どうした。
………一体何だ?
「……………」
「あれに乗せてくれませんか?」
「うおあ!!」
ドテッ!!!
「大丈夫ですか!?」
「あ、ああ………」
流石に初対面の人に期待をした俺が馬鹿だったな…………うん。
いや、別に変なやましいような事を考えてた訳じゃあないよ………ホントだよ?
「別に良いさ。 運ぶ荷物もそんなにないし。」
「あ、ありがとうございます!!」
まあ、良い暇つぶしになりそうだから良いさ。
~~~~~~~~
……………まあ、そんな感じに宅配に乗せて行ったら。
「また、乗せてくださいね!!」
と、目を輝かせて言ってきた。
………何か、災難?
で、この出会いが俺のこの商売が上手く行くようになったきっかけだな。
いわゆる『口コミ』がその時から広がったらしい。
話が分からない?
そりゃ、俺もわからないから仕方ないさ。
ただ単に俺は話したかっただけだからな。
少しだけ思い出して考えふけっていた俺。
しかし、時は止まらない。
そんな俺にたいして目の前にある門が迫ってきた……いや、ただ俺が門を開けた………いや、あっちが開けたから迫ってきたのか。
「おっと、危ない………だから突然門を開けるなって。」
「今日も来てくれたんですね!!」
「ああ、そうだな………荷物を運びに来た意味でな。」
「宅配の荷物がそんなに多い訳ないじゃないですか。そんなありきたりの嘘を並べて……私を振り切れると思います?」
彼女は何にも自分の考えが間違っていないような勝ち誇った笑みを俺に見せ、まだ発展途上であるようで無いような胸を強調させてしまっている事にも気がつかずに胸を張っていた。
しかし、何か、何となく普通に俺の心の中が傷付くような事を言うな………
「じゃあ、見てみろ!!」
少し、苛立った俺は、彼女に背を向けて自らが運転する軽トラを停車させている場所まで歩いていく。
そして、そのまま歩いて軽トラが停車している場所まで辿り着いた時、彼女は絶望したような表情を俺に見せてこう言った。
「………そうですか、私は見捨てられたんですね」
えっ!?
「てか、助手席が乗れなかったら何処に乗るんだよ?」
普通、何処にも乗れないだろ?
いや、何処に乗せれば良いんだ……
「そんなの………」
な、何か嫌な予感がする………な。
俺はその嫌な予感を背に一歩彼女から引いて、彼女の解答待つ。
「そんなの………///
そんなの光の膝の上に決まってるじゃないですかぁぁぁぁ!!」
ま、ま……マジで!?
彼女は頬を紅く染め、息を荒げて何か恥ずかしそうに俺を見ていた。
恥ずかしいなら、最初から言わなきゃ良いのに……さ。
「さ、流石に……あ、危ないだ「いや、大丈夫です!!」………」
「だ~か~ら……………」
「だから何ですか?」
『だから』と言ってその後に言葉を並べようと思った俺だったが、ふと視線を彼女に向けると彼女の目には涙が貯まって来ており………仕方ないか…
「分かった分かった………」
しかし、俺が許可を出した瞬間……彼女は下を俯いたかと思うと、そのまますぐに顔を上げて点数をつけたなら100点を軽く取れるような笑みを俺に送ってこう言う。
「それで良いんですよ(ニコッ)」
結局、また押し切られたな………
「阿求はわがままだなぁ~」
「光がマイペース過ぎるんです!!」
そう、彼女こそが俺の常連客第一号であり、俺に好意を向けている………九代目阿礼乙女で稗田家当主の稗田阿求である。
まあ、
俺がマイペースなのは否定しないけど………この軽トラってそんなに面白いのか?
今はそんなのはどうでも良いか?
これでも阿求は当主だから…………自己主張が激しいのか?の、ような疑問が以前に浮かんだことがあったようななかったような………気もする。
「じゃあ、行きますよ!!」
「へいへい……わ~かったよ。」
の、ような疑問が以前に浮かんだことがあったようななかったような………
「じゃあ、行きますよ!!」
「わ~かったよ。」
結局、今日も押し切られた俺は、軽トラに乗り込み………その次に阿求を膝の上に乗せる。
じゃあ、行くか………」
「出発進行!! ですね。」
阿求の声と共に発進した。
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「う~ん……
こうゆうこともたまにはいいですね!!」
「………そうか?
でも、あんまし動くなよ。運転に集中出来なくなって危なくなるから。」
「まあ…な。」
「グズグズしてると日が暮れちゃいますよ。」
「おお、そうだった。」
まあ、別に今考える必要がある物は見当たらないし……配達に行きますかぁ~
俺は目の前に居る……いや、俺に乗って居る阿求に「あまり動くなよ。」と、とがめると目の前から流れてくる景色を見ながら俺は長いような欠伸を一度する。
余談だが、
途中、横の窓から空を見ると、それは見事な日本晴れで今まで半年間の苦労を忘れられる。そんな、濁りもなく綺麗に透き通っていて何処までも続いているような『青空』がそこにはあった。
「今日は天気がとても良いですね。」
「ああ、そうだな…」
阿求が俺の上に乗っていると言うちょっと、恥ずかしい気持ちも忘れるくらいに……