表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻想の運び屋  作者: Seven dayS
 旧序の章  運び屋のハジマリ
13/42

ツイてない運び屋…… 2



「それは、言わなくても分かるんじゃないかしら?」


「あはは…………」


ああ、今回もどうやら俺の逃げ場はないみたいだな………


逃げ場がないと言うか、逃げ道がないと言うか………ほぼ完全に追い込まれちゃったよ………


こんな時はどうすれ「おーい!! 速達で酒を何件か届けて欲しいんだ!!」


でかした、流石酒屋のおじさんだ!!


「はい、ちなみに何処まで?」



「ああ、神社に慧音さんの所。 そして、いつもの居酒屋に頼む。」


「優先順番は?」


「神社を先に頼む。

あの銭(ry

が遅れると煩いんだ……」


いや、アンタがわざわざ愚痴って遅らせているようなもんだ。



てか、逃げる逃げ道が出来た………


ホントに助かる。




「じゃあ、咲夜さん。 今日は急用が出来たので行くのは無理です。」


「午後からはだ「阿求があれで………」しょうがないわね………」


何故か知らないが………


阿求の名前を出したら、すぐに下がってくれたぞ………



「私は帰るわ。」


そう言い残して咲夜さんはその場から消えた………



「おお、良いお嬢ちゃんが居たのにな………」


おじさん、アンタのおかげでホントに助かったぜ…………



「おじさん、荷物はこれだけだよな?」


「そうだ。」


「じゃあ、行って来るから。」


「帰ってきたら言ってくれ。

いつもいつも世話になってて悪いから酒をやる。」


「おお、楽しみに帰ってきます。」


やっぱり、現代都市とは違って人が暖かいな………



いや、物をくれるからって言うことじゃないよ。


ホントだよ!!




〜〜〜〜〜〜


で、人里の外に出ようとした俺だったんだけど………



「行かせないですよ!!」


何故か阿求に道のど真ん中に立たれて………通れずにいる。


おい、人の財布から札を複数枚も取っておいて今度は一体何なんだよ!?



「あ、阿求…… 一体、どうした?」


「最近、メイドとイチャイチャしてるって言うじゃないですか!!」


誰だ、変な噂を広げた奴は………

阿求に変な風に伝わったら酷い事をやるのは分からないのか!?



「いや、俺にそんな趣味はないぞ!!」


「まだ、わかってないんですか………」


「だから、何でそんなデマをお前は信じ「そんなことじゃないです………」へ?」


いや、何そのドス黒いオーラ………は。



「だ・か・ら!!

光には私ひとりで十分なんです!!」


何だよ、それならそんなオーラをお前は周りに広げるな………


「いや、それはお前が言うことじゃないだろ!!」



てか、俺はお前「じゃあ、これを見ても………」


は?



阿求が体の後ろに隠していた手を出す………



「そ、それは…………」


「ふ、ふふふ………… これなら流石の光も欲しいでしょう?」


あ、ああ………


確かに、確かに………



欲しい…………



「て、てか…な、なんでお前がパイソンを持ってるんだよ?」


そう、阿求が手に持ってるのは……


あの有名なコルト社の『コルト・パイソン』である。



まさか、まさかのまさか!?


「阿求!! お前はそれを買うために俺の財布から札を取っていったな!!」


「え? あ、えっと…………」


よし、図星にドンピシャ!!


これなら押し切れる。



「じゃあ、それは元から俺の物だろ?」


「…チッ………」


今、阿求の奴………普通に舌打ちをしたよな………


最近、舌打ちって流行ってるのか?


「しょうがないですね………

これは、没収です!!」


はあ!?



「ちょ、待てお前!!」


「ダメです!! 光は私の気分を害しました!! だから、これはぼっ「お前ら…………」慧音!?」


こんな時に参上したのは………


「阿求……… お前は一体何をやっているんだ?」



「そ、それはですね……… こ、光…「それならこれは光の物だろ?」 うっ………」


よし、良いところに援護が………


「ところで慧音。 あとからお前の所に酒屋の親父から宅配物があるから。」


「今じゃダメなのか?」


「例の奴が速達になってるんだよ……」


「ああ、そうか……… それなのに阿求に行く手を阻まれていたと………」


「まあ………な。」


「阿求、ちょっと……こっちへ来い……」


「ひええ………」


まあ、自業自得だろ………



「じゃあ、俺は行ってくる。」


「ああ、気をつけてな。」



とりあえず………俺は、ようやく人里から出発することが出来た。


まあ、ただそれだけ………


うん、それだけ………







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ