ツイてない運び屋……
風邪が治ってから数日が経ち、俺は身体の本来の調子に戻りそうになっていた。
あくまで、身体はまだ本調子ではない。
まあ風邪が治って、体力が回復して、身体が動くようになるっていう順序は分からないことはないだろ?
てか、そんな事よりも……「光、光〜!!」
なんでこんな説明をしている時にお前は………
阿求は来るんだよ………
タイミングが、俺が計算していたタイミングが………
「あ、阿求…… いきなりどうした?」
いや、やっぱり言わないでおく………
いや違う、言わないでおこう………
が正しいから気にするな………
しかし、やっぱりこの間に阿求の所に行かなかったのがいけなかったのか?
「光!! なんでこの間は倒れるまで仕事を続けたんですか!」
いや、俺はその仕事で生活をさせてもらってるんだから、多少の無理は当然だろ………
「いや、俺はその仕事で生活をさせてもらってるんだから………多少の無理は当然だ。」
「いや、倒れたんだから多少じゃないでしょ!!」
「何故、そこでツッコミを入れるんだお前は!! 俺が作ろうとした雰囲気がめちゃくちゃじゃないか!!」
「そんなのは別にどうでもいいんです。」
「じゃあ、何がどうでも良くないんだ?」
『…………え?』
すると、阿求は何故か顔を真っ赤にして俯いてしまった…………
『今回は、俺は………何もしてないぞ。』
いや、ホントに何もしてないだろ!?
そして、しばらく長い沈黙が続いた後に…… 阿求は顔を真っ赤にしたままで………
こう叫んだ………
「こ、光!!」
「え、あ、ど、どうした!?」
「私に、私に………」
「?」
「お小遣をください!!」
「!?」
ズテッ!!
その瞬間の俺は、酷く間抜けな顔をしてたに違いない………
「い、いきなり、いきなりどうした!?」
「だから、お小遣をください!!」
そうゆう風に言われても困るな………
てか、理由が聞けてないんだけど……
「だ、だからどうした!?」
「お小遣ください!!」
俺の心境とはまったく別方向に進んで行く阿求………
って、阿求が俺の目の前「お小遣ください!!」
俺は、そのままの勢いで阿求に衿を掴まれ………
「くださーい!!」
ブンブンと………前後に振り回された…………
「あああああ……………」
「あじゃないです!! 速くください!!! 私に恥をかかせといて何ですかその態度は!?」
おい!! 今回は阿求、お前がはじめたんだろ!?
誰もやってくれとは言ってい「巫女にあげる金はあって、私にあげる金はないんですか!?」
いや、あれは……ち「わかりません、わかりません…… 私にはわかりません!! なんでですか!!」
いや、今回のお前の行動が俺には理解出来ないぞ!!
「光には私一人で十分なんです!! わかりますか?」
いや、俺はお前の所有「ホントに、ダメな光ですね…… そんな光にはちょっとお仕置きが必要ですね!!」
ちょ、待てお前!!
何故お仕置きを受けなきゃならん!?
てか、俺が急展開について行けない………
「ま、待て阿求!!
俺はさっきから話をさせてもらってないんだが………
だから、お小遣をあげないとは一言「ください!!」 はい………」
〜〜〜〜〜〜
ようやく阿求が俺の財布から札を奪ってどっかに行った所で………
「今日の配達をしないと………」
今日の配達をとりあえず、することにした………
てか、なんだこの一日の始まり方………
悪い予感しかしねえよ。
俺は軽トラの止めてある倉庫へと向かい………
え?
「お待ちしておりました♪」
どうやら今日の俺は……とことんついていないらしい………
「さ、咲夜さん…… 自分は配達が「私がやっておきましたから。」はい………」
ヤバい、ヤバい………逃げ道が………
ないんだけど………
「じゃあ、ちょっと野暮用があるので「逃げるつもりですか?」 え?」
俺は、咲夜さんから逃れようとしたが………軽トラに乗る前にナイフを突き付けられて確保された。
うん、この人から逃げたら普通に殺されかねないね………
「で、今日はどんな用事で?」
とりあえず、笑みを浮かべながら……
わかっているようなことを聞いてみた………
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