表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
正義のヒーローはオメガでした。悪の幹部に正体がバレて求愛されています  作者: 水凪しおん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/15

第6話「揺らぐ仮面」

 秘密の同盟を結んでから数日が過ぎた。


 俺は普段通りスターガードの任務につきながら、エイスケから送られてくる暗号通信を解析し、ネビュラの動向を探っていた。


 だが、その様子がおかしかったのか、仲間たちが俺に疑いの目を向け始めていることに気づいていた。


「レッド、最近様子が変じゃないか?」


 トレーニングルームで、ブルーが声をかけてきた。


 彼は生真面目な性格で、チームの参謀役でもある。


 俺の些細な変化も見逃さない鋭さを持っていた。


「そうか? いつも通りだろ」


 汗を拭いながらごまかそうとしたが、ブルーは納得していない様子で眉間にしわを寄せている。


「戦闘中の動きも、以前より慎重すぎる。それに……時々、誰かと連絡を取っているようだが」


 ぎくりとした。


 やはり、気づかれていたか。


「考えすぎだ。俺はただ、次の敵の襲撃に備えているだけだ」


「ならいいが。俺たちはチームだ。隠し事はなしにしてくれよ」


 ブルーはそう言って肩を叩き、出て行った。


 一人残された俺は、ベンチに座り込んで深いため息をついた。


 隠し事だらけだ。


 オメガであること。


 敵の幹部とつながっていること。


 何一つ、彼らに言えていない。


 俺はリーダー失格なんじゃないか。


 そんな自己嫌悪が胸を締め付ける。


 オメガは、群れの中で守られるべき存在だ。


 そんな自分が、強さを求められるリーダーの座にいること自体が、そもそも間違いだったのかもしれない。


 弱音を吐きそうになった時、スマホが震えた。


 エイスケからのメッセージだ。


『迷っている顔をしているな』


 文面を見て、思わず周囲を見渡した。


 どこかで見ているのか?


 いや、ただの勘だろう。


 あるいは、番としての直感か。


『俺はお前の弱さを知っている。だが、それがお前の欠点だとは思わない』


 続いて送られてきたメッセージに、目が止まる。


『弱さを知っているからこそ、お前は誰かのために強くなれる。それが、俺が認めた「レッド」というヒーローだ』


 胸の奥がじんわりと温かくなる。


 敵である彼が、一番俺のことを理解してくれているなんて皮肉な話だ。


 でも、その言葉のおかげで、少しだけ背筋が伸びた気がした。


 そうだ。


 俺はオメガだけれど、レッドだ。


 みんなを守るために、ここにある。


 たとえ嘘をつき続けているとしても、その信念だけは本物だ。


 俺はスマホを握りしめ、心の中でエイスケに礼を言った。


 次に会う時は、もう少し素直になれるかもしれない。


 そんな予感を感じながら、俺はトレーニングを再開した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ