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正義のヒーローはオメガでした。悪の幹部に正体がバレて求愛されています  作者: 水凪しおん


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第11話「赤の告白」

 スターガードの基地に戻った俺を待っていたのは、重苦しい沈黙だった。


 無断での長期離脱。しかも敵幹部に連れ去られた後の帰還。


 疑われて当然だ。


 司令室には、長官とメンバー全員が揃っていた。


「カイ。説明してくれるね?」


 長官の声は静かだが、拒絶を許さない響きがあった。


 俺は大きく息を吸い込み、みんなの顔を見渡した。


 ブルー、ピンク、イエロー、グリーン。苦楽を共にしてきた仲間たち。


 騙し続けるのは、もう嫌だ。


「……俺は、ベータじゃない」


 第一声で、空気が凍り付いた。


「俺はオメガだ。そして、グラキエスは……俺の運命の番だ」


 隠していた全てを話した。


 入隊時のデータ偽装、ヒートへの恐怖、グラキエスとの関係、そして彼が組織を裏切ってまで俺たちを助けた真意。


 話し終えると、部屋はシンと静まり返った。


 罵倒されるだろうか。除隊処分か。


 覚悟を決めて俯いた俺の肩を、誰かが強く叩いた。


「水くさいぞ、リーダー!」


 顔を上げると、ブルーが泣きそうな顔で怒っていた。


「オメガだろうがアルファだろうが、お前が俺たちを引っ張ってきた事実に変わりはないだろう!」


「そ、そうだぞ!」


 イエローも続く。


「レッドのおかげで助かった命がいくつあると思ってるんだ!」


「あたしたちは、性別でリーダーを選んだわけじゃないわ。あなたの魂に惹かれたのよ」


 ピンクが優しく微笑む。


 グリーンが無言でうなずく。


 涙がにじんで、視界が歪んだ。


「お前ら……」


「やれやれ」


 長官が苦笑しながら眼鏡を押し上げた。


「規律違反は明白だが……まあ、緊急避難的措置ということにしておこう。それに、敵のナンバー2をこちらの陣営に引き込んだとなれば、それは大きな功績だ」


「長官……」


「ただし! これからは体調管理を徹底すること。それと、グラキエスとの個人的な接触は、必ず報告しなさい。いいね?」


「はいッ!」


 俺は敬礼した。


 胸のつかえが取れて、体が軽くなる。


 隠していた「弱さ」をさらけ出すことで、俺たちは本当の意味での「チーム」になれた気がした。


 よし。


 これなら、どんな敵が来ても負ける気がしない。

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