表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
道路舗装業_異世界転生_アスファルトの魔術師 ~異世界道路整備録~  作者: もしものべりすと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/24

第二十章 最後の大事業


数ヶ月後——


アルヴィンは——決断した。


「道を——作ります」


国王となったアルヴィン——ゲオルクは失脚し、追放されていた——は、宣言した。


「人間と魔族の領域を繋ぐ道を。和平のための道を」


反対は——大きかった。


貴族たちの一部は、「敵国に道を引くなど、愚の骨頂だ」と批判した。軍部は、「敵に攻め込まれる道を作るのか」と反発した。


しかし——アルヴィンは譲らなかった。


「戦争を続けても、勝てる見込みはない。百年かけても決着がつかなかった。ならば——別の道を探すべきだ」


「別の道?」


「平和への道だ」


こうして——最後の大事業が始まった。


人間領域から魔族領域へ——「和平街道」の建設。




工事区間は——「死地」と呼ばれていた。


人間と魔族の国境付近。凶悪な魔物がうようよする、危険極まりない地帯だ。通常の軍隊では通過することすら困難だった。


「ここを——通すのですか」


リーナが、青い顔で地図を見つめた。


「ああ」


誠一は頷いた。


「最短ルートだ。ここを通さなければ、意味がない」


「しかし——危険すぎます」


「分かっている」


誠一は言った。


「だから——やり方を工夫する」


誠一の作戦は——「作りながら進む」だった。


道路を作りながら前進する。道路が完成すれば、補給が可能になる。補給があれば、前線を維持できる。前線が維持できれば、工事が続けられる。


「道が——兵站を支える。兵站が——前線を支える。前線が——工事を守る」


そのサイクルを——延々と繰り返す。


「人類史上最大の——『進撃道路工事』だ」




工事が——始まった。


最初の一キロは——地獄だった。


魔物が次々と襲来し、護衛兵たちが必死で防いだ。作業員たちは恐怖に震えながら、それでも作業を続けた。


「止まるな!」


誠一が叫んだ。


「作り続けろ! 止まったら——終わりだ!」


グラムのゴーレムが、限界を超えて稼働し続けた。エマの水魔法は、何度も涸れかけた。ベルンは高齢の体に鞭打って、土魔法を唱え続けた。


「工程が遅れれば——前線が崩壊する」


誠一は全体を見渡しながら、指示を出し続けた。


「品質が落ちれば——補給が途絶える。両方守れ」


極限状態での——工事。


しかし——


一キロ、二キロ、三キロ——


道路は、着実に延びていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ