表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
道路舗装業_異世界転生_アスファルトの魔術師 ~異世界道路整備録~  作者: もしものべりすと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/24

第十六章 荒野の使徒


異変が——起き始めた。


各地で、道路の破壊が報告されるようになった。


「局長殿」


ガルドが険しい顔で報告してきた。


「第三工区の一部が——破壊されました」


「破壊?」


「はい。何者かが——魔法で穴を開けたようです」


誠一は現場に急行した。


舗装道路に——巨大な穴が開いていた。直径五メートル以上、深さは一メートル以上ある。通行は完全に不可能だ。


「誰が——こんなことを」


「分かりません。目撃者はいません」


誠一は周囲を見回した。土石鑑定を発動する。


【破壊痕跡 魔法種別:闇属性(推定) 術者レベル:高位 残留魔力:微弱】


闘属性——魔王軍の魔法だ。


「魔王軍の仕業か」


「おそらくは」


ガルドが言った。


「しかし——これだけではありません。各地で、似たような破壊が報告されています。しかも——」


「しかも?」


「工事関係者が——暗殺されています」


誠一の表情が——凍りついた。


「暗殺……?」


「はい。王都の技術者が二人、地方の監督官が三人——この一ヶ月で五人が殺されました」


「何だと……!」


誠一は拳を握りしめた。


「なぜ——そんなことを」


「分かりません。しかし——一つだけ共通点があります」


ガルドは言った。


「殺された者は全員——道路関係者です。そして——現場には、必ずこれが残されていました」


ガルドが、紙片を取り出した。


黒い文字で、こう書かれていた。


『道は堕落の象徴である。荒野に還れ。——荒野の使徒』


「荒野の使徒……?」


「何者かは分かりません。しかし——明らかに、道路整備を妨害しようとしています」


誠一は——紙片を睨みつけた。


「道は堕落の象徴——か」


誰だ。何者だ。なぜ——道路を敵視する。


「調査を強化しろ」


誠一は命じた。


「この『荒野の使徒』とやらを——見つけ出す」




調査が進むにつれて、『荒野の使徒』の正体が明らかになってきた。


「局長殿」


リーナが報告してきた。


「荒野の使徒について——情報が入りました」


「何が分かった」


「彼らは——秘密結社です。混沌の邪神を信奉しており、文明の発展を憎んでいます」


「文明の発展を——憎む?」


「はい。彼らの教義によれば——文明は堕落であり、人間は荒野に還るべきだと。道路は——堕落の象徴として、最も憎むべき存在だそうです」


誠一は——呆れた。


「馬鹿げている」


「しかし——彼らは本気です。これまでにも、各地で破壊活動を行ってきました。城壁、橋、水道——文明の象徴を壊し続けています」


「今度は——道路か」


「はい。そして——」


リーナの声が沈んだ。


「指導者がいるようです」


「指導者?」


「はい。『無道のセルジオ』と呼ばれる人物です。かつて——」


リーナは言葉を切った。


「かつて——何だ」


「かつて——この世界にも、転生者がいたという噂があります」


誠一は——目を見開いた。


「転生者……? 俺のような?」


「はい。そして——その転生者が、荒野の使徒を作ったと」


誠一は——深く息を吐いた。


同じ転生者が——敵にいる。


「……なるほど」


状況が——分かってきた。


自分だけではなかった。この世界には、他にも転生者がいた。そして——その転生者は、自分とは正反対の思想を持っていた。


文明を——否定する思想。


「面白くなってきたな」


誠一は呟いた。


「局長殿?」


「いや——何でもない」


誠一は立ち上がった。


「工事を——続けよう。妨害されても、破壊されても——作り続ける。それが俺たちにできることだ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ