表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
道路舗装業_異世界転生_アスファルトの魔術師 ~異世界道路整備録~  作者: もしものべりすと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/24

第十三章 王都改造計画

 第四工区の工事が進む中、王都では政治が動き始めていた。


「父上——国王陛下が、道路整備の国家事業化を検討されています」


 アルヴィンが、興奮した様子で報告してきた。


「本当か」


「はい。舗装道路の効果は——もはや無視できません。商人たちからの陳情が、陛下の耳に届いたのです」


 商人ギルドが動いたのだ。舗装道路の恩恵を最も受けているのは、彼らだ。輸送コストの削減、馬車の損傷減少、移動時間の短縮——すべてが商売に直結している。


「しかし——」


 アルヴィンの表情が曇った。


「兄上が——強く反対しています。『道路に金をかけるくらいなら、軍事に投資すべきだ』と」


「予想通りだな」


「父上は——迷っておられます。兄上と私の、どちらの主張を採用すべきか」


 誠一は考え込んだ。


「……殿下。一つ提案がある」


「何だ」


「王都の道路を——整備してはどうか」


 アルヴィンが目を見開いた。


「王都の道路?」


「ああ。今、俺たちは街道を整備している。しかし、王都の中は——泥まみれのままだ」


 それは事実だった。王都の道路は、依然として土のままだ。雨季には膝まで泥に沈み、馬車は頻繁に立ち往生する。


「王都の道路を舗装すれば——国王陛下も、貴族たちも、市民も——全員が効果を実感できる。そうなれば——」


「反対派を黙らせられる」


 アルヴィンは理解した。


「なるほど。百聞は一見にしかず——か」


「そうだ。街道整備と並行して、王都改造計画を進めよう」




 王都改造計画が——始まった。


 誠一は、王都の道路地図を作成し、優先的に整備すべき区間を選定した。


「まずは王城前の大通りです」


 リーナが説明した。


「ここは——王都の顔です。舗装されれば、国王陛下をはじめ、すべての人が効果を実感できます」


「次に商人街。物流の要所です」


「そして住宅街。市民の暮らしが改善されれば、支持が広がります」


 計画は——壮大だった。しかし、誠一たちには経験が蓄積されていた。


 街道工事で培った技術とノウハウを活用し、王都の道路整備が進められた。


 半年後——


 王城前の大通りが、舗装された。


 黒々とした道路が、白い王城へと続いている。雨が降っても泥にはならず、馬車がスムーズに通行できる。


「……素晴らしい」


 国王自らが、舗装された道路を視察した。


「これが——舗装道路か」


「はい、陛下」


 アルヴィンが答えた。


「黒田誠一殿の技術によるものです」


 国王は——長い間、道路を見つめていた。


「……良い」


 やがて、王が言った。


「道路整備を——国家事業とする」


 アルヴィンの目が、輝いた。


「ありがとうございます、父上……!」




 国家事業化が決定した。


 誠一は、新設される「王立道路局」の初代局長に任命された。


「局長——か」


 宿屋の一室で、誠一は呟いた。


「似合わないな」


「そんなことありません」


 リーナが微笑んだ。


「あなたにしかできない仕事です」


「俺は技術者だ。役人じゃない」


「だからこそ——あなたが必要なんです。技術を分かる人間が、組織を率いなければ——」


「……そうだな」


 誠一は——覚悟を決めた。


「やるしかないか」


 王立道路局が発足した。


 職員は最初、わずか二十人だった。しかし、徐々に人員が増え、予算が確保され、組織が拡大していった。


 誠一は——変わらなかった。


 毎朝、現場に出向いた。局長になっても、自ら工事を監督した。作業員たちと一緒に汗を流し、問題が起これば自ら解決にあたった。


「局長殿——もっと、部下に任せてもいいのでは」


 リーナが心配そうに言った。


「いや」


 誠一は首を振った。


「俺が現場を離れたら——道路は作れない。技術は——現場にある」


 その姿勢が——部下たちの信頼を勝ち取った。


「局長殿は——すごい」


「あの人は——本物だ」


「俺たちも——頑張らなければ」


 王立道路局は——着実に成長していった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ