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双子姉弟は異世界ヘ行く
クワガタ取りに出かけた双子姉弟。
道路で転び、顔を上げるとそこは…
ミーンミーン
朝からうるさいセミの声。
「夏休みなんだから、ゆっくり寝かせてよ〜〜。」
そう言ってまた眠りにつく私。
「千秋ちゃん、クワガタ取りに行こう!」
誰だ、安眠を邪魔したのは。
「うーん、春樹君か。 いいよ〜、ちょっと待ってね。」
愛しの我が弟との声でのそのそ起きる。
鏡に向かって髪を結ぶ。
「あー‼️ 鏡に美少女が‼️」
「本当だ‼️ 今日も千秋ちゃんは可愛いね。」
そう言ってくれる春樹君大好き。
お気に入りの黄色いワンピースを着て、クワガタ取りに公園へ行く。
はずだった…。
「あっ」
さすが双子姉弟。仲良く同時に足を滑らし、スッテーンと転んだ。
「痛い…。」
打った膝をさすりながら、私は起き上がった。
「え…。」
「どうしたの千秋ちゃ…。」
春樹君も気がついたようだ。
私たちが見た景色は、家の近くの道路ではなく、
ヨーロッパの農村だった。