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ミストライフ  作者: VRクロエ
霧魔の民編
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修行開始

少年漫画直伝修行回!!

 色々と話を聞いた翌日、俺達はヒエンに連れられて村の中を歩いていた。と言っても、見て周りたかった訳ではなく、修行を行うための場所に向かっていたのだ。

 修行は実践形式で進めていくとヒエンは言っており、その為には広い場所でやる必要がある。俺達が泊まっている辺りは建物も多く、戦いの余波で被害が出てしまう。


 村の中を歩いて入ればこの村に住んでいる村民、霧魔の民である人達と話す機会も多かった。具体的に言えば、俺の両親を知っている人達が、俺のことを気にして話しかけてくるのだが。

 ヒエンは事前に俺達のことを話していたようでフィオン達に対してもとても友好的だった。

 俺に関しては、心配されたり、色々と聞かれたり、両親の話を聞かされたりと、正直勢いがありすぎて若干疲れてしまったが、俺のことを想ってのことだと考えれば悪い気はしない。どちらかというとむず痒いという感じが強かった。

 ヒエンもそんな俺の感情を理解してかしないでか、住民たちを止めることはしなかった。


 そうしてゆっくりだが村の中を進んでいく。

 あまりじっくりと見れた訳ではないが、この村に対する俺の感想はこれだった――――――


「でかい村だな」


 そう、大きいのだ。俺だメリユースで軍人をしていた頃に訪れたことのある村や、ミールが暮らしていた村とは比べ物にならないほど。


「それはそうじゃろう。儂ら霧魔の民は霧の中でも普通に生きられるんじゃから村など広げ放題じゃ」

「ん? ちょっと待て! 俺はどうだか知らんが、フィオン達は普通の人間だ! 霧の中じゃ長くは生きていられないんだぞ!?」

「はっはっは! 安心せい、おぬしらが泊まっておる場所の付近は霧がない場所になっておる。と言ってもそこまで広い範囲じゃないがのう」


 俺の焦った様子が面白かったのか、ヒエンは大きく笑う。

 笑いごとではないのだが、ヒエンは少々言葉で人の反応を見る癖のようなものがあるようで、俺が焦ることも織り込み済みで言葉足らずなことを言ったのだろう。


 俺は溜息を付きながら考える。

 霧魔の民は霧の中でも問題なく生きていけるみたいだが、人とのハーフである俺はどうなのだろう?

 前例があればよかったのだが、無いとなると自分で試すしかない。リスクがありすぎるのでやろうとは思わないが。


 そんなことを考えながらしばらく歩いていると、村の中とは思えない程広い場所に出た。

 中央にはこの村の人間だろうか、2人の男女の姿が見えた。

 ミストライフの拠点で初めてトアンとミシェを見かけたときのような感覚だ、実際年齢も俺達と近いだろう。

 実践形式と言っていたが、恐らくあの2人が俺達の相手をするのだと思う。腰に剣を下げていることからも間違いないだろう。


「やっと来たかー! 待ちくたびれたぜ爺さんよー」

「お客さんの前なんですからもう少し落ち着いて話せないんですか・・・・・・」


 男の方は元気がいいという感じで、女の方は落ち着いた感じだ。


「すまんすまん。付き合ってもらって悪いのぅ、ラビ、ソラ」


 孫でも見るような目をしながらヒエンは2人に声を掛ける。


「それで、そこの兄ちゃんが例のラクリィか?」


 ラビと呼ばれていた男が俺を見ながらヒエンに聞いているので、どうせならば自分で自己紹介をしようと前に出る。


「あー、ラクリィだ。しばらく世話になる」

「おうよ! 俺はラビル・テンだ! ラビって呼んでくれ!」

「私はソラシナ・ヤハナです。どうかソラとお呼びください」


 挨拶も対照的で苦笑いが零れるも、仲良くなれそうで安心する。

 それから調査班全員との自己紹介も無事に終えたようで、同年代だということもあり、話は弾んでいた。

 この村は閉鎖的で、ラビとソラは殆ど外に出たことがないらしく、俺達の話を食い入るように聞いていた。

 楽しい時間ではあったが、いつまでもそうしている訳にもいかず、ヒエンの声によって雑談は中止された。


「早速始めようかの。ラビとソラはラクリィ以外のメンバーとの模擬戦じゃ。全員纏めてで構わん、霧魔の民がどういう戦い方をするか見せてやるんじゃ」


 全員纏めてという言葉に少なくない衝撃はあったが、異能者の上位に位置する霧魔の民の中でヒエンが選んだこの2人なら相応の実力を持っているのだろう。


「ラクリィは自身の中に眠る能力を知るところからじゃな。儂が細かく教えるところから始めるとしよう」

「分かった」


 俺とヒエンは脇に逸れて皆の邪魔にならないようにする。

 戦闘しながら覚えるものだと思っていたが、まずは口で説明してイメージを持たせるところからみたいだ。


「厳しくはないが、簡単なことではない。心しておくんじゃ」

「元々生半可な気持ちで強くなろうとは思っていない。簡単じゃないのは覚悟しているさ」

「いい目じゃ。では始めるとしよう」


 シャクストに言われていた俺の本当の力。それをようやく知ることが出来る。

 これからのことに俺は静かに心を躍らせた。


VRくん「さらっと新キャラぶちこんで来たな」

VRちゃん「霧魔の民のネームドキャラがヒエンだけじゃ寂しいでしょ?」

VRくん「それはまあ、確かに……」

VRちゃん「何だかんだそれなりに活躍することになると思うわよ」

VRくん「活躍しなかったら何のために出したんだよってなるからな」

VRちゃん「メタっぽい話をすればそうなるわね。 さて次回! 『新たな能力1』 お楽しみに~」

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