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ミストライフ  作者: VRクロエ
霧魔の民編
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タキシム王国

新章開幕! タキシム編ではありません!

 レホラ潜入から何だかんだ半年が経ち、大きな動きもなく、そろそろ外にて何かしてもいいだろうとフィオンが言い出した。

 といっても目的が無ければ危険を冒す意味はない。王都内に潜入するなんて行動をしても俺達にとってメリットなど一つもないのだ。

 そんな訳で、今回は単純に霧魔花の群生地を探すという、ある意味原点に戻るための行動に出ることにした。

 そもそも霧魔花の群生地さえ見つけてしまえば、わざわざ五芒星と戦わなくとも全てが解決する話であり、俺達が五芒星と戦っているのも戦争云々ではなく本来はそういった理由からなのだ。


「今回捜索する場所はタキシム領、王都からは遠い辺境になる。ミストライフの拠点があるここメリユース領からは最も遠い国で、これまであまり入ったことはないが、だからこそ探す意味がある」


 タキシム王国は王都内が要塞のようになっており、その戦力も高く、異能者が最も多い国としても有名だ。


「王都からは離れているが、念のためにも今一度情報を共有しておく」


 まず一番に出てくる名前は勿論王だ。シャクラ・ドナトイ・タキシムは子供のような見た目をしているらしいが、その外見に似合わず苛烈な性格をしているらしい。

 その身に宿す異能は『スペースカット』といって、何でも距離を切断するのだとか。

 フィオンが言うには、離れていてもシャクラからすれば関係なく、一瞬で相手の元まで辿りつけるらしい。

 それだけ聞くとアロマの持つモメントジャンプと似た異能に聞こえるが、実際には全くの別物なのだそうだ。


「流石に遭遇はしないと思うが、シェダのこともあるし念のため警戒はしておこう。次に私達が捜索する場所の周辺について」


 あまり行ったことはないと言っていたが、ある程度の地理的な情報は持っているようだ。

 話によると、辺境ということもあって農村は少ないが、あるにはあるようで、前回同様そこに隠れるように滞在することになる。

 実際に捜索する場所は、森林地帯とここと似たような渓谷地帯がメインになる。

 不測の事態に備えて、手分けして探すことはしないで、常に固まって動くことになった。


「捜索場所のことは情報がないのでマップを作りながら移動になる。万が一はぐれた場合は村まで戻ってくるように。二日以内に戻ってこなかった時点で探しに出る」


 それからは様々な事態に対する対応、捜索期間と出発日時などを話し合った。

 話が終わってもまだ時間はあったので、タキシム王国に関することを色々と聞いたりした。

 まずイルミアがタキシム出身らしい。軍人として国に仕えていたのだが、本人に対した忠誠心もなく、軍の中では浮いた存在だったらしい。

 そんな中ある日フィオンに声を掛けられて、戦うだけなら根本を潰そうとフィオンの考えを聞いて決意したらしくミストライフに入ったのだそうだ。

 それが三年程前の出来事であり、国はあまり大きな変化が起きないので、イルミアの持つ情報には有益な物が多かった。

 軍の規模や国内の警備の配置。実力者の情報や国の情勢など今でも使えるものは沢山ある。

 王都内が要塞のようになっているという話だが、居住区画にも様々な兵器が配置されており、国内で戦闘になってもむしろ相手が可哀そうなくらいなのだそうだ。

 だがそうなっているのにも理由があるらしく、どうやら四国の中で最も人口の少ないのがタキシムであり、人という戦力が足りてない中兵器でそれをまかなっている部分だあるようだ。

 世界の裏側を知っている身としては、別にシャクラは危機感など覚えていないことなど丸分かりだが、表向きはそういった処置をとっているのだろう。


「メリユースとは真逆って感じだね」

「人口は四国で一番多いらしいな」

「うん。わたしが聞いてた話だと戦争での死者数も一番少なかったらしいよ。でも他国との戦闘が一番多かったのもうちらしいんだよね」

「まあ十中八九人口の調整のためだろうな。前に私が話した通り、王達は戦争を自分たちで起こして人が増え過ぎないように調整しているからな」


 人口が多く戦死者も少ないのならば多くの戦争をすればいいという考えだ。

 裏がこんなでは国と民のために頑張っていたレイラ中佐やサレンさんが報われない。


「みんな元気かな・・・・・・」

「どうだろうな」


 俺にも少ないが知り合いはいたので、その人達が今どうしているのかは気になってしまう。

 だが、それを考えていても仕方がないので、俺達に出来ることは少しでも早く霧魔花を見つけ出して、その支配体制を終わらせることだ。

 今回のタキシム探索で何か手がかりだけでも見つかればいいが、果たしてどうなるだろうか。

 一輪だけフィオンが持つ実物を頭に思い浮かべながら、期待と羨望を抱いて、今日の話し合いは終了となった。


 俺はルコとミールにタキシムへ向かうことを伝えて、準備を始める。

 戦闘も予想して万全の準備を整え、出発の日に向けて思いを馳せながら眠りについた。

VRくん「遂に始まった新章! タキシムで何が起こるか楽しみだ」

VRちゃん「ちなみに今回の章でタキシムはあまり関わってこないわ」

VRくん「なん……だと……」

VRちゃん「章のタイトルで何となく察しなさいよ!」

VRくん「だって今回のタイトルにタキシムって……」

VRちゃん「なんとなくで少し紹介したみたいね」

VRくん「だましたな作者! 許さねえ……」

VRちゃん「勝手にやってなさい……。 さて次回! 『霧の出会い』 お楽しみに~」

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